ゆうちょ銀行でお金を借りる方法

ゆうちょ銀行(郵便局)でお金を貸りる方法として便利なサービスが、定期預金などを担保にする「貯金担保自動貸付け」です。
ゆうちょ銀行ATMからキャッシュカードや通帳でお金を借りることもできるため、消費者金融やクレジットカードのキャッシングに少し抵抗を感じる方も利用しやすい方法といえるでしょう。
ただし、貯金担保自動貸付けは他のカードローンなどとは異なる部分もあります。そのほかJP BANKカードでのキャッシングなど、ゆうちょ銀行でお金を借りる方法を詳細に解説していきます。
このページの概要
ゆうちょ銀行でお金を借りる2つの方法
ゆうちょ銀行でお金を借りる方法はいくつかあったのですが、2020年5月現在は以下の方法だけです。
- 貯金担保自動貸付け
- ゆうちょ銀行のクレジットカード「JP-BANKカード」でキャッシング
ただし、ゆうちょ銀行口座を持っていれば誰でも借りられるわけではありません。
貯金担保自動貸付けの場合、ゆうちょ銀行に担保となる貯金があることが条件です。そしてJP-BANKカードの場合には、「JP BANKカード」を持っている必要があります。
では具体的にどのような方法なのかを見ていきましょう。
ゆうちょ銀行ではスルガ銀行との提携で利用できたカードローン「したく」がありましたが、2018年10月で受付を終了しました。また、フリーローン「夢航路」も、現在はゆうちょ銀行とスルガ銀行の提携解消により新規申し込みの受付終了となっています。
財産形成貯金担保貸付と国債等担保自動貸付は、2019年3月29日で新規受付を終了しました。国債等担保自動貸付を2019年3月29日の時点で利用中の方は、2020年3月31日まで貸付を受けられます。
ゆうちょ銀行の貯金担保自動貸付けでお金を借りる!
ゆうちょの便利なお金を借りる方法は、自動貸付というものです。自動貸付は「貯金担保自動貸付け」という正式名称からもわかるように、「自分の貯金を担保にお金を借りる方法」です。
貯金担保自動貸付けはどんな貸付?
貯金担保自動貸付けが可能なのは、総合口座に預け入れられる以下の貯金です。
- 担保定額貯金
- 担保定期貯金
口座から引き出しや引き落としの際に、担保となる貯金があれば、通常貯金の残高の不足分が自動的に「貸付」という形で補われるシステムになっています。
総合口座通帳を作ると自動貸付が付加されるため、申し込みは不要です。
自分の通常貯金口座にお金がないときでも、担保となる貯金があれば解約することなくそれを利用して非常に低金利にお金を借りることができるのです。
例えば通常貯金の口座に10万円があり15万円引き出そうとした場合、通常であれば残高不足でお金を引き出すことはできません。しかし担保となる定期貯金・定額貯金があれば不足分の5万円が自動的に貸付となり、15万円引き出すことができます。
将来の積み立てである定期預金を担保にお金を借りる方法です。結局は自分が積み立てているお金=貯金を一時的に使っているのと同じなわけですね。審査がないのはメリットですが、返済しなければ定期預金は減っていく一方です。積み立てを切り崩している点には注意が必要でしょう。
貯金担保自動貸付けの概要
申込方法 | 申込不要。総合口座通帳を作ると自動的に付加サービスとなる |
---|---|
貸付金利 | 返済時の約定金利(%)+0.25%(担保定額貯金を担保) 預入時の約定金利(%)+0.5%(担保定期貯金を担保) |
貸付限度額 | 総合通帳に1冊につき最大300万円 |
貸付期間 | 貸付日から2年間 |
返済方法 | 返済日に指定口座に入金後自動引き落とし |
利用での条件など | 返済回数が決まっている。定期預金の満期日までに完済 |
貯金担保自動貸付けは定期預金が担保である以上、返済ができなくなったときに定期預金を解約して返済をします。貸付を受ける日の元利金額の90%以内までが限度額ですが、ひとつの通帳につき最高300万円までとなっています。

定期預金を解約しない貸付のメリットとデメリット
メリット1・審査なしでお金を借りれる
担保となる定期預金があるため審査は必要ありません。「最短当日中に借入」が利用できます。また、総合口座を利用中であれば貸越機能がついているためいつでも借入ができます。対象となる貯金があれば、審査がないため学生や無職の方でもお金を借りることができます。
メリット2・金利が低い
預け入れ時の約定金利に+0.5%、これが定期貯金担保貸付の金利です。返済時の約定金利に+0.25%は、定額貯金担保貸付の金利となっています。もともと金利が低いと嘆いていた定期預金の金利がここで役に立ちます。
メリット3・ゆうちょ銀行ATMからお金を借りられる
総合口座通帳をお持ちであれば「貸し越し機能が付加サービス」となっており、ゆうちょ銀行ATMからキャッシュカードまたは通帳を使って引き出しができます。
デメリット・担保が定期預金
担保になっているのが自分の積み立ててきた定期預金であるため、本当の借金とは異なります。ただし、返済できなくなってしまうと、定期預金が減る、最悪の場合解約になります。
借金でないからと気軽に利用し続けていると、気が付いた時には備えがなくなっていた!という事になりかねません。

よくある質問
Q. ゆうちょの通帳のマイナスはいくらまで可能?
通帳がマイナスになるのは貯金担保自動貸付を利用しているためです。貯金担保自動貸付は担保になっている貯金の90%以内(1冊の総合口座通帳につき300万円まで)お金を借りることができます。
Q. ゆうちょで自動貸付できないときはある?
担保となる定期預金や定額預金がない
総合口座通帳に、担保定額貯金または担保定期貯金を預け入れしておかないといけません。担保があることで審査なしで借りられるので、預け入れがない場合は自動貸付を利用できません。
貯金担保自動貸付の取扱が停止されている
担保定額貯金や担保定期貯金で、自動貸付の取扱が停止されていることがあります。この場合はもちろん自動貸付を利用できません。
ゆうちょ銀行のクレジットカード「JP-BANKカード」
貯金担保自動貸付けにもお金を借りる方法があります。それは、ゆうちょ銀行発行のクレジットカード「JP BANKカード」でキャッシング機能を使うというものです。
JP BANKカードではU29若者向けカード、一般カード、ゴールドカードがあります。それぞれの基本スペックを見ておきましょう。
U29 若者向けカード
ブランド・カード名称 | 申し込み条件 | 年会費 | キャッシング枠 |
---|---|---|---|
JP BANK VISAカード アレンテ |
満18歳〜29歳 (高校生のぞく) |
初年度年会費無料 以降1,375円 |
0〜30万円 |
JP BANK JCBカード エクステージ |
5年間年会費無料 | 0〜50万円 (学生不可) |
一般カード
ブランド | 申し込み条件 | 年会費 | キャッシング枠 |
---|---|---|---|
VISA/マスターカード | 満18歳以上 (高校生のぞく) |
初年度無料 以降1,375円 |
0〜30万円 |
JCB | 0〜50万円 |
ゴールドカード
ブランド | 申し込み条件 | 年会費 | キャッシング枠 |
---|---|---|---|
VISA/マスターカード | 満25歳以上で安定収入のある方 | 年会費11,000円 | 0〜50万円 |
JCB | 満20歳以上で本人に安定収入のある方 |
このほかに、JP BANKカードにはキャッシュカード機能ありの「一体型」と機能なしの「単体型」とがあります。一体型にすればお財布の中もすっきりしますし、キャッシュカードで買い物も、お金を借りることもできます。そこは個人の使い勝手の良さで選んでもいいでしょう。
JP BANKカードのキャッシング金利は15.0%。大手消費者金融の上限金利が18%程度ですから、キャッシング金利としては比較的低めと言えます。
発行ブランド、カードの種類によってキャッシング枠の設定が異なります。JCBブランドの若者向けカードでは、学生の方はキャッシングできないようになっています。
発行時の対象者も異なりますので、自分に適したクレジットカードを選びましょう。
JP BANKカードの申し込み方法
一般的にクレジットカードの申し込みはWEB上で手続きが完了しますが、これまでJP BANKカードの申し込みはWEB完結できませんでした。しかし、2020年3月30日より、Webで申し込み受付を開始しました。
総合口座(通常貯金)のキャッシュカードをお持ちであれば、PC・スマートフォンから申し込みが可能です。
JP BANKカード申し込みの流れ
- 希望のカードを選択
- メールアドレスの登録
- ワンタイムパスワードの受信・入力
- 氏名・生年月日の入力、口座振替設定
- その他のお客様情報の入力
- 申し込み完了 受付完了メールの受信
以前はWebから申し込み後、1週間程度で郵送される入会申込書に押印のうえ必要書類と合わせて返送、その後カードの到着まで1ヶ月ほどかかるというものでした。
現在も公式サイトでは「Webで申し込む」と「入会申込書請求」とどちらか選ぶようになっているため注意しましょう。
返済方法
キャッシングリボの返済は、実質年率15.0%の利率で利息を算出し返済していきます。元利定額返済となります。また、リボ払い以外にも一括返済が利用でき、その場合も同様に15.0%の利率です。一括返済では、元利一括返済となります。
JP BANKカードのキャッシングの注意点は?
時間がかかる
JP BANKカードは2020年3月30日より申し込みがWeb完結できるようになりましたが、即日発行のクレジットカードや数日程度で発行できるクレジットカードも少なくない中ではやはりかなり時間がかかる部類に入ります。急ぎでお金が必要という人には向かないでしょう。
特に以下のケースでは、申し込みにあたり事前に手続きが必要となるためさらに時間がかかる可能性があります。
申し込みにあたり事前手続きが必要なケース | 必要な手続き内容 |
---|---|
ゆうちょ銀行に通常貯金口座を持っていない方 | 通常貯金の口座開設手続き |
通帳に記載・押印された「住所・氏名・届出印」 と JP BANKカード入会申込書に記入・押印する 「住所・氏名・届出印」が異なる場合 |
「住所・氏名・届出印」 の変更手続き |
すでにJP BANKカードを持っている方 (ブランドやキャッシュカード機能の 切り替え等) |
JP BANKカードの 廃止手続き |
キャッシュカードを持ってない方が、 キャッシュカード機能なしJP BANKカード を申し込む場合 |
キャッシュサービス の利用申し込み手続き |
総量規制の対象になる
クレジットカードのキャッシング枠は総量規制の対象借入となります。つまり、年収の3分の1を超えて借りることはできません。キャッシング枠を、年収の3分の1より大きく設定できないので注意しておきましょう。
他の総量規制対象の借入(消費者金融のカードローンなど)がすでにあれば、その額も含めて年収の3分の1以下にする必要があります。
クレジットカード自体のキャッシング枠の額が大きくても、その額をすべて利用できるわけではないのです。
まとめ
郵便局(ゆうちょ銀行)でお金を借りる方法は現在利用できなくなったものも多く、自動貸付を利用することになるでしょう。
ただし担保となる貯金がない場合、担保なしでお金を借りたい場合にはJP BANKカードのキャッシングか、もし急ぎであれば他の銀行や消費者金融のカードローンを検討する必要が出てきます。
利用できる人は限られる
貯金担保自動貸付…ゆうちょに担保定期貯金や担保定額貯金がある
誰でも利用できるが時間がかかる
JP BANKカード
誰でも利用できて急ぎでお金が必要
他の銀行や消費者金融のカードローン