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国から起業資金を調達するなら日本政策金融公庫を利用する

 2017/12/24 国からお金を借りる   5,935 Views

起業したい、開業してみたい、独立を目指す、こんなとき気になるのは資金ですよね。通常、自己資金の不足はお金を借りることで解決することになります。

「開業資金を借りたい!銀行に行けばいいのかな?」ところが、開業、起業のための資金を、銀行から融資を受けるのは簡単ではありません。

お金を借りるには信用が必要、これは会社でも個人でも共通しています。企業がお金を借りるためには、実績が必要です。

しかし「これから起業するのに、実績なんかない!」こんな場合に最もおすすめの解決できる方法は、国からお金を借りるというものです。

国からお金を借りる方法(事業資金・起業資金)

終身雇用が危うくなり、変化の早い現代社会において、自分で起業してみたい!という方は少なくないでしょう。

業種にもよりますが、新たに事業を始める時には一定の開業創業資金が必要になります。

事務所や店舗の賃料賃借等にかかる不動産取得費、設備費などの初期コストとあわせて、仕入れや人件費などの備品の購入・当面の運転資金などの準備が必要です。

莫大な開業資金が必要になりますが、自己資金で足りなければ当然借入ということになります。起業に限らず、お金を借りたいときには言うまでもなく利率は低い方がいいですよね。そこでまず検討したいのが、「日本政策金融公庫」から借りるという選択です。

日本政策金融公庫とは

日本政策金融公庫は国が100%出資している金融機関で、全国に152支店あります。古くは国民生活金融公庫との名称から「国金(こっきん)」、今は「公庫」などと呼ばれ、中小企業等に向けて融資を行っており、政府系の中では、開業資金を借りたい中小企業等に向けた創業融資を積極的に行っています。

公庫の創業支援メニューは、大変充実しています。創業前、創業時、創業後のいずれにも役立つ情報の提供を行うだけでなく、創業計画書の作り方や、販路開拓に利用できるサービスなども受けられます。

公庫では、平日はもちろん、支店によっては夜間や休日も予約制で創業相談が無料で受けられ、ネット予約も可能です。事業に合わせた融資制度を紹介してもらったり、創業計画書の作成についても担当者にじっくり教えてもらったりできます。

また、要件を満たせば、無担保・無保証人で公庫からお金を借りる制度もあります。

日本政策金融公庫が行う創業融資制度の概要

事業者向けには多くの融資制度が存在しますが、自分はどの融資が受けられるか?といったことについても窓口で教えてもらえます。新企業育成貸付には数種類あります。

  • 新規開業資金
  • 女性、若者/シニア起業家支援資金
  • 再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)
  • 新事業活動促進資金
  • 中小企業経営力強化資金

利用できる制度は、対象の方が決まっていますが貸付条件はいずれも同様となっています。

新創業融資制度の貸付条件(2019.8現在)

利率 2.51~2.70%(無担保・無保証人での基準利率。ただし特別利率が複数あり。特別利率は条件を満たすことで、基準利率よりも低金利で利用できる)
融資限度額 3,000万円(うち運転資金1,500万円)(無担保・無保証人での基準利率)
返済期間 設備資金:20年以内(うち据置期間2年以内)/運転資金:7年以内(うち据置期間2年以内)

新創業融資制度では、無担保・無保証人での借入を希望することも可能です。この場合、創業に必要な資金のうち10分の1を自己資金として準備することが条件となります。担保を提供できる場合は、金利がさらに低くなります。

融資実行までの流れ

  • 窓口で相談し、創業計画書や申込書などの必要書類を提出
  • 1週間〜10日後に支店で面談・担当者による創業予定地の確認
  • 約2週間後に結果通知
  • 融資の契約に関する必要書類を提出
  • 数日後に口座振り込み

融資の審査期間自体は2週間程度ですが、実際の振込は、申し込みから最短で約一か月ということになります。

とはいえ、開業に対する計画などがノープランのまま相談に行っても、融資は受けられません。そもそも申し込むまでに時間がかかってしまいます。

起業する!というからには、もちろんそれなりの計画は立っている人がほとんどだと思いますが、コンセプトやターゲット、戦略、資金計画などは、事前に綿密に立てておく方がいいでしょう。これらは面談時に必ずチェックされる点です。

まずは気軽に電話で相談、ということもできますので、専用ダイヤルまたは最寄りの支店に気軽に電話してみましょう。

日本政策金融公庫の審査は厳しい?

借入の審査は決して甘くはありません。

一生懸命準備をしても落ちてしまう人の方が多いくらいです。

  • 自己資金が少なすぎる(自分名義の通帳に不明点がある場合も不可)
  • 事業内容に対して借入額が多すぎる(いきなり高額融資希望は不可)
  • 事業計画があいまい・ずさん(開業後の収入、返済の根拠を示さないと不可)
  • その事業に対する自身の経験不足(業界経験なし、前職との関連無は不可)
  • 税金やクレジットの未納・滞納がある
  • 創業に対する熱意や真剣味がない

これらの理由で審査に落ちることはいくらでもあります。書類と面談を通じて、返済できるかどうかをしっかり判断されますので、簡単に審査は通らず、実際の融資率は30~40%ほどとも言われています。

それでも中には新規開業資金を自己資金なしで借りられたという強者もいますので、最初から公庫からお金を借りるのは無理だと諦める必要はありません。

ちなみに担保があった方が金利は優遇されますが、抵当権設定費用を考慮すると最終的に金利分よりも高くなるケースがあります。そういった細かい話も含め、窓口で相談することができます。

なお、創業時にの融資を受けた後は、の審査に通った方で返済実績があり、事業を黒字化していれば追加融資の際は最初よりも比較的緩い審査で通るケースもありますので、今後の事業拡大にもつながります。

本当に自己資金ゼロでも会社設立できる?

これはケースバイケースです。日本政策金融公庫の創業融資は、実績がない借入希望者にもアドバイスをしつつ審査を行っていきます。ただ、あまりにも事業計画の見通しが甘い場合、経験のない業界で突然起業などは、誰が考えてもお金を借りるのは難しいでしょう。

創業時に資金がない企業の存続率は低いので、できるだけ資金を準備するのは重要です。融資額を大きくするには、担保、保証人、自己資金が関連します。後悔しない起業のためにも、行き当たりばったりだけはやめましょう。

自己資金0で美容室を開業できる?

早く独立したいから、とりあえず自己資金0で美容室を開業してしまおう!という計画は避けたほうがよいです。美容室の開業には平均1211万円(https://kaigyo.beautygarage.jp/archives/3900)かかるといわれています。

もちろん、すべて貯まるまで開業を待つ必要はありません。一般的にいわれている自己資金の平均目安である1/3を貯めておくと、日本政策金融公庫の開業融資の審査にも通りやすくなるでしょう。

ただ、やはり独立の資金集めは簡単ではありません。貯まるまでどうしても待てない!という場合はシェアサロン(いわゆる面貸し)で独立する方法もあります。

住宅ローンなど借入残高があっても起業できる?

住宅ローンの返済中、その他のローンを利用している、こんな場合には起業融資を受けられるのでしょうか?ローン、さらにローンとなると難しそうですが、融資を受けられる可能性は十分にあります。

むしろ、起業前に住宅ローンを組んでおくことをおすすめしたいです。というのも、起業融資の審査で融資額を決定するのは、申し込む方の収入や自己資金です。住宅ローンなどの返済をしていても、収入と見合っていれば問題なく融資を受けられるでしょう。会社員の間のほうが、特に住宅ローンなどの大型ローンは組みやすいといえます。

日本政策金融公庫の審査に落ちた時

日本公庫の審査に落ちた!そんな時は地銀も信用金庫の審査も厳しい状況だと思います。でも開業への準備や契約は進んでいて、支払いも目前にせまっている…大ピンチですよね。これは、普通にあり得る事態です。そんな時、どうにか乗り切る方法はあるのでしょうか。

親や親戚に借りる、贈与してもらう、保険の解約や株・家財等を売る・・・現金を手にする方法がないわけではありませんが、この方法で十分な資金を調達できる人はそう多くないでしょう。

自治体の融資制度

自治体でも、融資制度を設けていることがあります。ただし、各自治体によって融資条件は異なります。限度額の点でも十分な自治体もあれば、そうではない場合もあるでしょう。会社が所在する自治体しか選べないので、「条件がよい!」と思う貸付制度を見つけたとしても、利用できない可能性があります。

一般的な融資や、新創業融資と比較しても審査などの期間が長く、融資が実行されるまでに十分な予定を見ておく必要があるでしょう。制度融資の利用は、低金利が最大のメリットですが、手続きなどの煩雑さに覚悟が必要なときもあります。

やはり、多少金利が高くなっても急場をしのぐために他の借入先を探す人がほとんどです。

カードローンで開業資金を借りられる?

銀行の通常のカードローンでは、事業用資金として借りることはできません。使途は自由とされていますが、事業性のあるものは除かれているのです。

消費者金融で開業資金は借りられる?

消費者金融の中には、事業用資金の貸出や・ビジネスローンを行っている会社があります。たとえば、消費者金融のアイフルでは、事業サポートプランがあります。ただし、個人事業主は確定申告書、法人では決算2期分の提出が求められます。起業ローンとして利用するのは難しいでしょう。

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森本 陽子

森本 陽子

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(個人資産相談業務)AFP認定者。自身の経験や知識を活かし、複雑なお金の仕組みや知識をわかりやすく解説しておりツイッターでの有益な呟きにも注目。FP森本陽子の詳細プロフィール

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