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生活保護受給者は税金の一部が免除!税金以外の免除内容も解説

 2020/12/01 お金に関する豆知識   193 Views

所得税に住民税、自動車税や固定資産税など、日本に住んでいる場合はさまざまな税金を納めなければいけません。

一方で生活保護を受けている人の場合、これらの税金の一部が免除されます。
どんな税金が免除あるいは減額になるのか、生活保護の申請前に知っておくと便利です。

そこで今回は、生活保護を受けている免除になる税金や各種料金について解説します。

生活保護とは

学校の授業で「生存権」を学んだことを覚えている人は多いでしょう。
日本国憲法の第25条には、以下のような条文があります。

第二十五条
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
引用元:厚生労働省|生活保護制度

この生存権を具体的な制度として実現したのが「生活保護」制度です。

国が定める最低限の基準に満たない収入しか得られない人を保護し、自立を支援する目的で仕組みが作られています。

生活保護を受けるための要件

生活保護は、生活が苦しければ誰でも受給できるわけではありません。以下の4つの要件を満たす必要があります。

  • 活用できる資産がない
  • 働きたくても働けない
  • 他の制度を受けても最低生活費に届かない
  • 扶養義務者の扶養を受けられない

活用できる資産がない

預貯金が一定以上残っている場合や、生活に使っていない不動産(土地・建物)がある場合は生活保護を受けることはできません。

生活保護を受ける前に、生活に必要ない不動産などを売却して生活費に充てる必要があるのです。

「住宅ローンの支払いが厳しいから生活保護を受けたい…」というのは理由にはなりません。

働きたくても働けない

労働が可能な人は、能力の限り働く必要があります。
そのうえで最低生活費を下回る収入しか得られない人が、差額分の生活保護費を受け取ることができるのが生活保護制度です。

国が定めた最低生活費を超える収入がある人は生活保護は利用できません。

働く能力があるのに働かない、あるいは就職活動をしない人も、同じく保護費を受け取ることはできません。

他の制度を受けても最低生活費に届かない

年金や手当など生活保護以外の公的制度で給付を受けられる人は、生活保護よりも優先して受け取ることが原則です。

ただし、年金などを受け取っていても収入の総額が最低生活費に満たない人は、その差額を受け取ることができます。

扶養義務者の扶養を受けられない

生活保護の申請が行われると、福祉事務所のケースワーカーによって扶養義務がある家族・親族の「扶養の可否」についての調査・確認が実施されます。

親族の扶養に入るなどの援助を受けられる場合、生活保護は原則として利用できません。

ただし、この確認によって扶養するかどうかは任意です。
そのため「うちも大変だから援助はできないよ…」と言われてしまうこともあるでしょう。

誰にも援助してもらえないことが明らかになった場合、生活保護を受給できる可能性があります。

生活保護者は税金などの支払いが免除される

生活保護を受給は最低限の生活をしなくてはいけません。

ただし、通常払うべきである税金や医療費などが免除されます。

税金の種類によっては通常は非常に高額になるものも免除の対象になるため、最低限の貯金と扶助で生活している生活保護の受給者にとって非常に助かる制度になっています。

非課税になる税金一覧

生活保護を受けることによって免除される税金は多岐に渡ります。ここでは、非課税になる税金の例を紹介していきます。

以下は免除される税金などの一例です。

  • 所得税
  • 住民税
  • 個人事業税
  • 国民年金
  • 固定資産税(持ち家の場合)
  • 自動車税
  • 国民健康保険
  • 介護保険料
  • 保育料
この中でも、代表的な税金として「所得税・住民税」「個人事業税」「固定資産税」「国民年金保険料」について、詳しく見ていきましょう。

所得税・住民税

日本に居住して給与を得て働く限り、得た収入に応じて必ず所得税を支払う必要があります。

一方、居住している公共サービスの維持と利用の目的で徴収されるのが住民税です。

生活保護の受給者は、原則としてこれら2つの税金は免除されます。

個人事業税

個人事業税は個人が営む事業のうち、地方税法で定められた一部の業種に対してかかる税金です。
自営業者・フリーランスのうち、一定の業種に携わる人が支払う必要があります。

この個人事業税、県税事務所の所長が必要と認めた場合に限り、生活保護による減免措置が実施されます。

固定資産税

固定資産税とは、住宅や土地などの固定資産を所有している場合に課される税金です。

課税対象は毎年1月1日の時点で固定資産課税台帳に登録されている固定資産です。
固定資産の価値をもとに税額が算出されます。

こちらも各市町村の条例によって減免される可能性があります。

国民年金保険料

国民年金は日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人は全員が国民年金に加入することになっており、定められた年金保険料を納める必要があります。

こちらも生活保護(生活扶助)を受けると納付が免除されます。
ただし、将来的に受け取れる年金額は減らされる点に注意が必要です。

老後のためにはできるだけ早く生活保護を脱却し、免除を受けた年金の追納をしましょう。

税金以外に免除・割引になるもの

減免になるのは、税金だけではありません。以下に紹介するような公的な料金の支払いも免除や割引が適用されます。

  • 水道料金
  • 医療費
  • 介護費
  • 葬祭費用
  • MHK受信料
  • 弁護士費用
  • JR通勤定期券

水道料金

生活保護受給者の水道料金は地区によって異なるため、一概に免除というわけではありません。

たとえば東京都では、10立方メートル分までは免除の対象です。

一部の地域で免税されるもののため、必ずしも全員が免除にはならない点に注意が必要になります。
どのくらい減額されるかは居住地の自治体への確認が必要です。

医療費

病気になった場合、生活保護の受給者には「医療券」が配布されます。
病院に行く前に福祉事務所で医療券を受け取り、指定医療機関を受診する「現物給付」の形で扶助を受けられます。

自己負担なしで治療を受けることができますが、指定医療機関で受診しなければいけません。
自分の好きな医療機関を受診できるとは限らないため、事前に指定医療機関がどこなのかを確認しておきましょう。

注意点としては、「免除になるのは保険適用内の治療」であるという点です。
保険の適用にならない特殊な治療は自己負担になります。

大部屋ではない個室など、差額が発生する支払いも自己負担です。

介護費

介護サービス費用に関しては、生活保護で受け取れる介護扶助で全額の扶助が受けられます。

自宅ならディサービスやヘルパーの派遣を受けられるほか、特別養護老人ホームであれば生活保護を受給しながら入居することが可能です。

葬祭費用

葬儀費用は一部が「葬祭扶助」によって支払われ、金額は約20万円です。

葬儀のスタイルは家族葬などの登場で年々簡略化されており、僧侶による読経を省略した「直葬」であれば20万円以内におさめることも可能でしょう。

生活保護の受給者向けに格安のプランを用意している式場もあります。

また自治体にもよっては、霊園の維持費用が免除される場合もあります。
これに関しては居住地の自治体でも適用されるかケースワーカーに確認が必要です。

NHK受信料

「テレビ未設置の届け出義務を検討」「未払い世帯は割り増し金検討」など、何かと話題のNHKですが、原則はテレビを持っていれば受信料を支払う必要があります。

ただし、生活保護の受給者は全額免除されます。
そのほか障害がある人は半額など、免除規定があることはあまり知られていません。

弁護士費用

「法テラス」を介することで、弁護士費用の一部が免除・減額されることがあります。
減額だけでなく、弁護士費用の分割払いを相談することも可能です。

相談は無料のため、金銭トラブル・ご近所トラブルなど困った時は相談してみるのも1つの方法です。

>>日本司法支援センター|法テラス

JR通勤定期券

自治体によってはJRの通勤定期券の割引を受けることが可能です。
30%引きなど通常より格安で購入することができます。

生活保護受給者に所得税の納税が課されることもある

自立するために稼いだ収入

生活保護の受給者が自立するために稼いだ収入には、所得税が課されます。

生活保護によって給付を受けられる金銭は健康で文化的な最低限度の生活を送るために必要な資金です。
この資金は課税される税金が全て取り除かれた純粋な生活資金とされています。そのため、生活保護の受給者は原則として非課税です。

一方、生活保護は「自立した生活を支援する」という意味合いもあります。
生活保護を受給しながら新しく仕事に就き、働いて収入を得る人もいるでしょう。この時に発生する労働に対しては所得税が課税されるため、源泉徴収や確定申告を通じて支払う必要があります。

確定申告で控除される

すでに解説した通り、自立を目指して働いて得た給料は所得税が課されます。
生活保護で所得税が課されないのは「働けなくても働けずに生活保護を受け取っている場合」です。

とはいえ、稼いだ全額が所得税の対象になるわけではありません。。

基礎控除といった各種控除制度が用意されており、これによって税金を支払いつつも安定した収入を得ることができます。

ただし、手続きが自動的に行われるわけではありません。確定申告などを行ったうえで返還を受ける必要があります。

生活保護は働いて所得を得ればケースワーカーに申告する義務があるほか、申告によって収入分の生活保護費が減額されます。

確定申告をして控除分を返還してもらうのは、生活をしていく上でも必須といえるでしょう。

生活保護にはデメリットがあることも理解する

生活保護は各種税金が免除になるため、生活に困窮している方からすると魅力的に感じることがあるかもしれません。

しかし、生活保護はメリットばかりではありません。
生活の一部が制限されるデメリットもあります。安易に生活保護を希望せず、受給するまえに生活を立て直すことが重要です。

具体的にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。生活保護を受ける上で代表的なデメリットを解説します。

所有物が制限される

生活保護を受けることで、所有物に制限がかかります。

自動車や土地、建物、そのほかの財産など資産となるものは所有できません。これは生活保護が「資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方」が対象であるためです。

車や家などを購入するお金があれば、生活保護を受けずにその分を生活費に充てなさい、ということです。

住む場所が制限される

生活保護を受給すると、住む場所にも一定の制限がかかります。

「高級マンションに住んでいて、毎月の家賃が高いから生活できない」ということは、生活保護を受ける条件にはならないのです。

原則として、自身の収入に合った家賃設定のアパートへの転居を求められます。

生活保護の中の「住宅扶助」には金額には限度があるため、その金額内に収まる家賃のアパートや団地などに住むことになります。

ケースワーカーによる家庭訪問がある

生活保護を受給していると、ケースワーカーによる定期的な家庭訪問が実施されます。

担当者が生活保護を受けている人の状況を把握して困りごとを支援するための仕組みであり、生活保護を脱却して自立を目指すうえで、定期的に相談に乗ってもらえる点はメリットです。

しかし中には「面倒だ」と感じる人もいるかもしれません。そのような人にとってはデメリットになります。

ちなみに、ケースワーカーが訪問した際に無断で外泊していることが判明した場合は失踪扱いになり、生活保護が停止になる可能性がある点に注意が必要です。

継続して生活保護によるサポートを受けるためにも、ケースワーカーの訪問は必ず対応することを忘れてはいけません。

生活保護受給者は税金の一部が免除!税金以外の免除内容も解説 まとめ

今回は、生活保護を受けていると免除・減額になる税金や料金について解説しました。

生活保護を受けている場合は所得税や住民税、固定資産税などが免除されるだけでなく、NHK受信料や水道代などの公的な料金まで免除・減額を受けることができます。

ただし、何もかも免除になるわけではありません。自立を目指して働いて得た収入には所得税が課されるなど、税金を支払う必要があるケースをあらかじめ調べておきましょう。

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ライター紹介

森本 陽子

森本 陽子

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(個人資産相談業務)AFP認定者。自身の経験や知識を活かし、複雑なお金の仕組みや知識をわかりやすく解説しておりツイッターでの有益な呟きにも注目。FP森本陽子の詳細プロフィール

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