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生活保護を受けると貯金はできない?申告しなければ貯金してもいい?

 2020/10/16 お金に関する豆知識   34 Views

生活保護の申請をするにあたって、必要以上の貯金がある場合は申し込むことができません。
それでは、生活保護を受給し始めたあとの貯金はどうでしょうか?

生活保護に対するイメージして「貯金することができない」と思っている人はいませんか?

実はこれは勘違いで、貯金の目的が明確で正当性があれば貯金することは認められます。
10万円程度であれば、どの世帯でも問題なく認められるでしょう。

今回は、生活保護と貯金の関係について解説します。

生活保護受給者でも貯金をできる

生活保護は貯金がなく、働くこともできなくなってしまった時に国からの最低生活費の補助を受けられる制度です。

その一方でさまざまな制約を受けてしまいます。そのため「生活保護を受けた後は貯金できないの?」という疑問は、多くの人が一度は抱いたことがあるのではないでしょうか。

実は、法律において生活保護受給者の貯金を禁止しているわけではありません。条件を満たせば、生活保護の受給者でも貯金することは認められます。

貯金を認められるのは、主に以下のような貯金です。

  • 生活保護を辞める(自立目的)のための貯金
  • 子どもの教育・進学費用のための貯金
  • 葬儀などの費用のための貯金

生活保護を辞める(自立目的)のための貯金

現在は生活保護を受けていても、将来的には頼るのを辞めて独立したいと考える人は多いでしょう。
そのために大切なのは仕事が軌道に乗るまでの「貯金」です。

生活保護でも条件が満たされれば貯金は可能ですが、果たして自立目的の貯金は認められるのでしょうか?

自分の力で生活していく健全な目標のための貯金ですから、当然に認められると考えられます。

ただし、貯金していることについてケースワーカーから目的を聞かれることはあります。

自力で生活していくための貯金であり「いくら」「いつまでに」「なぜ」必要なお金なのかといったことを、自分の口から説明できるようにしておくことが大切です。

子供の教育・進学費用の貯金

子供の教育費用は非常に高いお金がかかります。
幼稚園から高校まで一貫して国公立を利用した場合でも、平均で540万円ほどかかるのが一般的です。

これが全て私立を利用したとなると、2,000万円を超えるとも言われています。

大学や短大に進学したとなると、さらにお金がかかることを覚悟しないといけません。

国公立大学に進学した場合、4年間で授業料約428万円がかかる一方、入学費用としても71.4万円を用意する必要があります。

私立理系は一般的にもっとも学費がかかります。4年間の授業料は約737万円かかる一方、入学費用84.5万円がかかるとされているのです。

これらのお金を準備するためのお金であれば、生活保護であっても貯金が認められます。

子どもが大学に進学すると起きること

大学に進学すると「世帯分離」となって生活保護から外れます。
保護の対象者が少なくなるため、生活保護費も小さくなるのです。一方で、大学費用の負担は4年間は続くことになります。

大学まで進学するか高校を卒業して働くのか、子どもとしっかり話し合う必要があるでしょう。

葬儀などの費用のための貯金

貯金ができる3つ目の条件は「葬儀代」です。
そのほか、老後のための必要経費目的の貯金も認められます。

高齢の生活保護受給者の場合、自分の死後のことが気になるはずです。

日本消費者協会が実施した2017年葬儀についてのアンケート調査によれば、葬儀のための費用は一般的に約195万円がかかると言われています。

遺族のことを考えれば、葬儀費用の貯蓄は必須といえます。

「葬儀のため」の貯金であると認められれば、貯金しても問題ないでしょう。

生活保護者には「葬儀扶助」も支給される

生活保護の受給者は、万が一の際は「葬祭扶助」が受けられます。扶助の対象は以下の通りです。

  • 生活保護受給者自身が死亡した場合の葬儀
  • 生活保護受給者が執り行う葬儀
葬儀全般にかかった費用が補助の対象のため、一定の金額は貯金が不要と考えることもできます。

貯金を始める際はケースワーカーに相談が必要

生活保護を受給していても、人間らしい最低限度の生活は保障されています。

「自立」「学問」「葬儀・老後」以外にも、以下のような貯金は認められる場合があることを覚えておきましょう。

  • 引っ越し
  • 車の免許取得
  • 結婚
しかし、上記の貯金で待っても無条件で認められるわけではありませんから、必ずケースワーカーに相談しましょう。

「これなら貯金として認められるだろう」という早合点は禁物です。

貯金の上限に決まりはない

生活保護を受けている人でも貯金できることは、ご理解いただけたと思います。

それでは、貯金額に「上限」は設けられているのでしょうか。

実は、はっきりとした上限金額は法律でも決められていません。

地方自治体によっては具体的な金額が明示されることもあれば、単なる目安が明示されているだけの場合もあります。
統一された基準がないのが現状です。

とはいえ、「いくらでも貯金して良い」と認められたわけではありません。
確認せずに勝手に貯金を始めないことが大切になります。

貯金の金額によっては生活保護が打ち切りになるかも

生活保護を受けている場合、1年に1度は「資産申告書」の提出が必要です。

資産申告書の提出の際、資産があまりにも多い場合は生活保護費の減額や廃止が行われることもあります。

資産申告とは

2015年(平成27年)3月に「『生活保護法による保護の実施要領の取り扱いについて』の一部改訂について」という通知がありました。これ以後1年に1回、資産申告書の提出が求められるようになっています。

これまで資産申告書は、生活保護の申請時にのみ提出するものでした。
2015年からは生活保護を受け始めたあとも定期的(少なくとも年に一回)に提出することが求められています。

預貯金や現金、不動産、生命保険、自動車から借金まで、ありとあらゆる資産が対象です。

ここで申告が漏れてしまってあとから所有が発覚した場合、何等かのペナルティにつながる可能性があります。漏れがないように気を付けましょう。

なお、不動産については固定資産税にかかる不動産評価額の評価替え(3年に1度)に合わせて3年に1度は評価額を申告します。

資産価値がよほど高額でない場合は引き続き住み続けることができますが、今後の地価の上昇志知では住宅の売却を迫られる可能性はゼロではありません。「転居して生活保護」「転居せずに生活保護の打ち切りか」を迫られる可能性もあるわけです。

未申告の貯金がバレてしまった場合

生活保護費を受け取る以上、貯金があることも隠すことは絶対にNGです。隠そうとしても、申請時の徹底した調査でバレると思ったほうが良いでしょう。

他人や子ども名義の口座に貯金を隠す行為も同様にNGです。

未申告の貯金がバレてしまったら、どうなるのでしょうか。

未申告だった金額にもよりますが最悪の場合は生活保護停止、資産の没収まで話が進んでしまう可能性もあります。

貯金があるから直ちに没収されるわけではありませんから、貯金の事実を正確に把握して報告することを心がけて下さい。

生活保護の申請時に確認される内容

最初に貯金についての調査が行われるのは、生活保護の申請時です。調査される以下の内容について解説します。

  • 家具家財の調査
  • 銀行口座・生命保険の調査

家財道具の調査

「家財道具の調査」は、申請者の自宅に資産になるものがないか調べる行為です。
車やロードバイクなどの価値がある自転車のほか、バイクや高級家具、貴金属など、あらゆる資産が対象です。

これらが自宅で見つかった場合、売却による現金化を勧められます。

申告時に「お金がないと申告」したのに家財調査でタンス預金などが発覚した場合、虚偽の申告として申請が却下される原因になります。

クルマは売却せずに使える場合も

車については、売却せずに使うことも可能です。
ただし無条件ではなく、「クルマがないと通勤が大変すぎる」等の理由が必要です。

東京など地下鉄が発達している地域では、車がなくても生活には困りません。

一方で、地方都市の場合は土地は広い反面、地下鉄などの交通インフラが少なくなります。
交通手段がバスかタクシーということも珍しくありません。

このような場合、車がないと通勤すること自体非常に困難です。車の所有が認められる可能性があります。

銀行口座・生命保険の調査

銀行口座や生命保険の契約がないか調査されます。

申請する時に預金はないと申告しながら口座に貯金がある場合「虚偽の申請」として扱われるのが原則です。

生命保険では、契約している保険の種類を確認されます。
解約しても解約返戻金がでない掛け捨てタイプ(定期保険・収入保障保険など)の場合は別として、解約返戻金が出される貯蓄性がある保険(終身保険・個人年金保険など)に加入している場合は解約して解約返戻金を受け取ることを求められます。

この金融機関調査、生活保護の受給者に対して定期的に行われます。

なお、預金や貯金の口座、支店がある都市銀行・地方銀行だけではなく、ネット口座やネット証券も含めて報告の対象です。

タンス預金は危険がいっぱい

見つかったのが銀行預金ではなくタンス預金であった場合、どのように判断されるのでしょうか。

長期にわたって生活保護を受給している場合、「やりくりして生活保護で貯金を貯めたのだろう」と判断することも可能です。しかし、そうでない場合(生活保護を受け取り始めて間もない時期など)貯めたものではなく、最初から隠し持っていたことも考えられます。

最初から隠し持っていたと判断された場合、福祉事務所をだまして生活保護を受給したことになるため「不正受給」に該当します。

生活保護費の返還を求められるだけでなく、最悪の場合は詐欺罪に当たって訴訟されることも考えられるのです。

そもそもタンス預金は、盗まれてしまった場合や家事に遭った場合の保障がありません。

銀行等に預金があれば万が一金融機関が破綻でも「ペイオフ」によって貯金額1,000万円までとその利息が保護されます。
火事で家を失ってしまった場合、タンス預金は燃えてしまって保護を受けることは出来ません。

これらのリスクを考えても、生活保護に関係なくタンス預金はしないほうが賢明でしょう。

貯金がある世帯は生活保護を受給できない?

目安は「最低生活費の半分」

生活保護の申請時に世帯の貯金額の合計が最低生活費を超えている場合、申請しても生活保護費は受給できません。

例えば月々の最低生活費が25万円の場合、30万円の貯金があると生活保護の申請は却下されます。

とはいえ、「貯金が0円にならないと申請できないのか」というと、そうと決まったわけではありません。

生活保護の対象になる範囲の貯金額は、世帯の最低生活費の半額が目安と言われています。
最低生活費25万円の世帯であった場合、12.5万円までの貯金であれば生活保護の対象です。

生活保護の申請に時間がかかるケース

生活保護の申請では、生活保護の条件を満たしているかの調査に1ヶ月近い期間がかかります。

この調査機関の1ヶ月間は何も支給されないため、調査機関を乗り切るための貯金であれば所有が認められます。

最低生活費は世帯人数、地域、子供の人数などによって決まるので計算は複雑です。

ざっくりと「10万円分まではOK」と覚えておくだけでも十分でしょう。

もし詳しく調べたい場合は、以下の記事を参考にしてみてください。

>>生活保護の金額・支給額はいくら?計算式から解説

しかし、「最低生活費の半分」あくまで目安です。
生活保護の申請時点でそれよりも大きい金額の貯金を認められることもあるようです。

そのケースは「子供の学費」のほか、「親などの介護や入院の付き添いに必要な費用」の貯金である場合です。

どのケースでどのくらいの金額の貯金が認められるのか、申込者の現状によって大きく異なります。

生活保護を受けると貯金はできない?まとめ

今回は、生活保護と貯金の関係について解説しました。

生活保護を受けている人であっても、目的次第では貯金することができます。
ただ、遊興目的となると認められない場合があるため、注意が必要です。

また、現在では資産状況を1年に1回は申告する義務があります。
予想以上の貯金ができてしまったからといって「タンス貯金」などで隠してしまうのは絶対にNGです。

どんな状況であれ、正直に申告するようにしましょう。

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ライター紹介

森本 陽子

森本 陽子

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(個人資産相談業務)AFP認定者。自身の経験や知識を活かし、複雑なお金の仕組みや知識をわかりやすく解説しておりツイッターでの有益な呟きにも注目。FP森本陽子の詳細プロフィール

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