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生活保護では家賃補助が受けられる|補助の内容と注意点

 2020/10/16 お金に関する豆知識   36 Views

生活保護を受けている人は、普段の食費や服飾費以外にも家賃の補助を受けることができます。

しかし、物件を探すことも契約まで進むことも簡単なことではありません。
また、家賃補助の制度である「住宅扶助」についてもしっかりと理解しておく必要があるでしょう。

今回は、生活保護者が受けられる家賃補助(住宅扶助)について解説します。

生活保護における住宅扶助(家賃補助)制度とは

生活保護は高齢で働けない人や、収入が乏しく「最低生活費」に満たないような人の生活を支援する制度です。

ひと口に生活保護といっても、生活を営むうえで必要な項目に対応する以下の8つの扶助から成り立っています。

  • 生活扶助
  • 住宅扶助
  • 教育扶助
  • 医療扶助
  • 介護扶助
  • 出産扶助
  • 生業扶助
  • 葬祭扶助
このうち、住まいの家賃に関して補助されるのが住宅扶助です。
「衣食住」の住の部分のサポートにあたります。

毎月の家賃の補助を受けることができるほか、引っ越し時の敷金・礼金などの一時的な費用が扶助の対象です。

金額が決まる要素は場所と世帯人数

生活保護で受けられる家賃補助(住宅扶助)の支給額は無限ではありません。
一定の範囲内で上限が決められています。

金額が決まる要素は、以下の2点です。

  • 住む場所(等級地別)
  • 世帯人数
同じ都道府県であっても、住んでいる地域によって支給額が変わります。

なぜ支給額が変わるのかといえば、地域で物価が違うためです。同じ1LDKの部屋でも地方都市より政令指定都市などのほうが家賃が高くなります。

例えば「東京」というと「どこでも家賃が高い」イメージがあるかもしれませんが、実際は23区以外の特定市や離島の場合、賃料は23区よりも安くなります。。

公平を期すためには、地域ごとの家賃を変える必要があるのです。

支給には上限額が決まっている

住宅扶助(家賃補助)の上限額は、住んでいる地域によって異なります。

上限金額は毎年のように改訂されるほか、単身者であっても車いす生活など特別な事情がある場合は増額されることもあります。

例えば東京都の場合、家賃扶助の上限は「級地」と「家族構成」によって以下の通りです。

級地 1人 2人 3~5人 6人 7人以上
1級地 53,700円 64,000円 69,800円 75,000円 83,800円
2級地 45,000円 54,000円 59,000円 63,000円 70,000円
3級地 40,900円 49,000円 53,200円 57,000円 63,800円

住宅扶助の上限を知るためには、住んでいる地域の「級地」を知ることが先決になります。

例えば東京都では、以下のように級地が定められています。

  • 1級=23区全域と「羽村市・あきる野市・瑞穂町」を除く24市
  • 2級=羽村市・あきる野市・瑞穂町
  • 3級=日の出町、桧原村、奥多摩町、島しょ(町村部)
ご自身の住まいがある地域が何級に該当するかは、自治体に確認すればすぐに答えてくれます。
あるいはインターネット検索で「〇〇市 級地」で調べるのも良いでしょう。

家賃支給の例|東京のアパート

家賃扶助で毎月支給されるのは「家賃」です。

先ほどの東京都の例から、住宅扶助費が最高64,000円(2人住まい・東京の1級地)であることを想定します。

家賃は60,000円・共益費5,000円の物件の場合、受け取れる家賃補助は家賃の60,000円のみです。

共益費は住宅扶助からは補助されないため「生活扶助」から支払うことになります。

住宅扶助の上限を超える物件は自分の生活が苦しくなるだけでなく、生活保護の妥当性に疑問符がつくことも考えられます。最悪の場合は転居を促されることになるため注意が必要です。

最初から、家賃補助の上限の金額に収まる物件に住むことが必要になるでしょう。

補助の対象になるもの・ならないもの

住宅扶助といっても、住宅に関する全ての費用が支給されるわけではありません。
補助の対象になる項目、ならない項目があります。

補助の対象になるもの

家賃補助の制度である住宅扶助ですが、家賃以外にも以下の項目が補助の対象になります。

  • 敷金・礼金
  • 契約更新料
  • 住居維持費
住宅扶助は基本的に家賃の補助ですが、敷金・礼金は転居の際の「一時扶助金」として支給されます。

また引っ越し費用や仲介手数料・火災保険料なども補助の対象に含まれる場合があります。
ただし、これらの費用はあらかじめ決められた一時扶助金の範囲内に収めることが必要です。

補助の対象にならないもの

家賃補助(住宅扶助)の制度といっても、生活に関する全てが対象となるわけではありません。

以下のような費用に関しては、住宅扶助の対象外です。

  • 共益費
  • 管理費
  • 水道代
生活保護の受給者が物件を探す際に重要になることは、共益費や管理費が家賃に含まれている物件を探すことです。
共益費は住宅扶助の対象外ですが、家賃としての名目であれば補助を受けることができます。

万が一、別に請求される場合、共益費と管理費は自己負担になってしまいます。

生活保護受給者の物件探しの流れ

生活保護を受給している人の場合、生活保護を受けていない一般の人とは物件探しの流れが異なります。
全体を通して、契約まで時間がかかることは覚えておきましょう。

生活保護受給者の物件探しの流れは、以下の通りです。

  • 不動産会社の見積もりを手に入れる
  • 見積もり金額で自治体から了解をもらう
  • 初期費用を自治体から受け取る
  • 不動産会社と契約
  • 契約書と領収書を自治体に提出
生活保護を受けている場合、家賃扶助の上限に収まることが条件です。
見積書を出してもらったら、ケースワーカーに見せて許可を得る必要があります。

「許可」がないと契約に進めない

流れをみてもらえば分かる通り、許可なしに手続きを進めることができません。

見積もりを見せてOKをもらえない場合、また不動産会社に行って更に安い見積もりを取り、再びケースワーカーに見せる必要があります。

OKをもらえるまで、この流れが続くことになるのです。

住宅扶助を受ける際の注意点

住宅扶助を受けるにあたっては、物件の契約までにさまざまなハードルがあります。

ここでは、以下のような「住宅扶助を受ける際の注意点」を解説します。

  • 審査のハードルが高い
  • 家主が受入れてくれないことも
  • 家賃補助の範囲内の物件に住むのが原則
ひとつずつ、解説していきます。

審査通過の難易度は高い

生活保護の受給者は、不動産会社や保証会社から厳しい目で見られることを覚悟しなければいけません。
例えば個人経営の不動産業者の場合、生活保護の受給者にはそもそも物件を紹介してくれないこともあり得ます。

保証会社も同様です。生活保護は家賃の支払い能力に疑問がつくことが多いことから、審査が厳しくなる可能性があります。

生活保護の受給者の場合は保証人を立てる必要がありますが、家族・親族で保証人になることを受け入れてくれないことも考えられます。

保証人なしで審査を受けられる保証人を探すしかなくなる点にも注意が必要です。

代理納付が審査で有利に働くことも

家賃補助は、原則として自治体から生活補助の受給者に現金で支払われます。
しかし、管理能力の低下や支払い忘れによって滞納トラブルに発展することも珍しくありません。

そこで、トラブル防止のために、福祉事務所から直接家主に住宅補助費を支払うことがあります。
これが「代理納付」です。

役所の担当者が家賃を家主に振り込む形であれば貸主の側から見ても取っぱぐれがないため、審査は一般的に通りやすいと考えられます。

ただし、家賃の支払い形態は自治体によっても異なるため、必ずしも代理納付になるとは限りません。

家主が受け入れてくれないことも

審査に通ることも難しいのが正直なところですが、もし審査に通過したとしても「家主がOKをくれない」という可能性も考えられます。

家主としては借主の返済能力がなくなると家賃を回収できないため、生活保護の受給者には厳しい目で見られることになるのは仕方がないところでしょう。

審査に通ったとして、家主が受け入れてくれない以上はその物件に住むことはできません。

家賃補助の範囲内の物件に住むのが原則

家賃補助の上限を超えるかどうか、物件の見積もりの段階で確認を受けることになります。

原則として家賃扶助の範囲内の物件にしか住むことはできません。

もし超過した物件に住むことができたとしても、超過した分の家賃は自己負担になることを覚えておきましょう。

上限を超えたまま新しく生活保護を受ける場合

すでに住んでいる物件が家賃の改定などによって住宅扶助の上限額を超えてしまう場合、超過分は生活費から負担することになります。

また、生活保護は最低限度の生活を保障する制度ですから、分不相応に高い家賃の場合は転居を促される可能性も考えられます。

生活保護者の住宅探しは簡単な事ではない

不動産仲介業者が取り扱っていない

不動産業者といっても、大手から個人まで多くの業者が存在します。

しかし、生活保護の受給者が物件を探せる会社思ったよりは多くないのが現状です。特に「個人の不動産業者」では信用の問題があって物件探しに時間がかかる生活保護の受給者は敬遠されてしまうのが普通です。

大手の不動産業者であっても、生活保護受給者が見つけられる物件は多くありません。

不動産業者が前向きに対応してくれるとしても、家主が交渉に応じてくれるかは別の問題です。

生活保護受給者の物件探しは、物件を探させてくれる不動産業者と物件を貸してくれる家主を見つけることに時間がかかります。

不動産業者が生活保護者を敬遠する理由

生活保護受給者が不動産の契約は、自治体と受給者が相談しながら進めなければいけません。

もしNGが出た場合、物件の見積もりをイチからやり直す必要があります。
一般人であれば本人の意思で物件を決められるため契約がスムーズに進むところ、生活保護受給者の場合は契約できるまで1ヶ月近い時間がかかることも珍しくありません。

不動産業者としては「できるだけ早く空室を埋めて次の物件の商談に移りたい」と考えるのが普通です。

1つの物件で商談が遅々として進まない生活保護の受給者は、費用対効果の問題から敬遠されやすいのです。

保証人がつけられない

もし自分のもとに生活保護を受けている家族がやってきて「保証人になってくれ」とお願いしてきたらどう思うでしょうか?

実の子どもなら保証人になってあげることもあるかもしれませんが、喜んで保証人になってくれることはないでしょう。

生活保護の受給者が賃貸物件を借りるためには、原則として保証人を見つける必要があります。

どうしても見つからない場合は保証人なしで審査できる保証会社を探すしかありません。こちらも物件探し同様に難航することが考えられます。

生活保護受給者の物件の探し方

生活保護受給者の仲介実績がある不動産業者を選ぶ

生活保護受給者に対する仲介実績がある不動産業者なら、市物件を紹介してくれる可能性が高いと考えられます。

ケースワーカーが情報を持っていることもあるため、もし探し方が分からない時は相談してみるのも良いでしょう。

大手の不動産業者を頼る

不動産業者の規模によって、生活保護受給者の物件探しの難易度は変わります。
結論としては、全国展開している大手の不動産業者がおすすめです。

個人の不動産業者のほうが敷居が低いように感じるかもしれませんが、むしろ大手の方が物件を探す人的な余裕があるため応対してもらいやすいのです。

不動産会社によっても得手・不得手があるので、生活保護受給者への紹介実績が豊富な不動産業者を探しましょう。

インターネットで検索してみる

店舗に赴くことができない場合、インターネットで検索することもできます。

物件検索サイトの検索窓で「生活保護」と入力すれば、生活保護を受けている人でも住める物件や相談できる物件が一覧で表示されます。

かといって必ず入居できるわけではありませんが、物件選定にかかる時間を短縮させることは期待できます。

生活保護では家賃補助が受けられる まとめ

今回は生活保護受給者が受け取れる家賃補助について解説しました。

住宅扶助によって毎月の家賃の補助を受けることはできるものの、生活保護受給者を受け入れてくれる不動産業者と家主を探すことが大きなハードルになります。

ケースワーカーの許可が下りないと次に進めないため、契約まで時間がかかることも把握しておきたいところです。

引っ越しする場合、できるだけ早めに行動するように心がけて下さい。

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ライター紹介

森本 陽子

森本 陽子

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(個人資産相談業務)AFP認定者。自身の経験や知識を活かし、複雑なお金の仕組みや知識をわかりやすく解説しておりツイッターでの有益な呟きにも注目。FP森本陽子の詳細プロフィール

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