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生活保護受給者は引っ越しできる?条件と受給できる補助金を解説

 2020/10/16 お金に関する豆知識   32 Views

生活保護は、国が定めた「最低限度の生活」に満たない人が生活保護費の支給を受けることができるセーフティーネットです。

そんな生活保護を受けている人が、自由に引越しすることができるのでしょうか。

今回は、生活保護と引越しの関係について解説します。

引っ越しは基本的に自由

生活保護受給者が引越しを希望する場合、基本的に制約を受けることはありません。

日本国憲法第22条には国民の「居住・転居の自由」が定められていることもあり、生活保護だからといって転居できないということはありません。

しかし、引っ越しの目的や対象の物件次第では制約を受けることがあります。
例えば「今より安い家賃の物件に引越したい」という場合、特に問題なく引越せます。

逆に家賃が高い物件の場合、よほどの事情がない限り許可されないと考えておくべきです。
「広い部屋に引っ越したい」「ペットが飼いたい」といった最低限度の生活からかけ離れた理由も同様です。

許可は必要

引っ越しは基本的に自由とはいえ、ケースワーカーに何も告げずに引っ越してしまうのはNGです。

まずは福祉事務所に連絡し「引越ししたい」と告げて許可をもらうのがセオリーになります。
許可さえ下りれば、引っ越しは可能です。

自己都合は全額自己負担

生活保護受給者が引っ越しをしようとする場合、ネックになるのは「引越し費用」です。

自己都合で引越しする場合、もちろん「全額が自己負担」になってしまいます。

時期にもよりますが、繁忙期の場合は業者への支払いだけで10万円以上かかることもあります。生活保護受給者が支払うには厳しい金額といえるのではないでしょうか。

「引越しに関わる費用」の補助が出る場合も

生活保護の受給者は「住宅扶助」によって賃貸住宅の家賃のほか、更新料、住宅維持費(修繕費)などの補助を受けられます。

引っ越しに関しても「引越し費用」の一部が補助されます。

引越し費用が支給される16の条件

条件を満たした場合は引越しにかかわる費用に対する補助金が支給される場合があります。

生活保護法では、以下の16の条件のいずれかを満たす場合に補助金が出ることが定められています。

  1. 病気で入院する人の退院後の住居がない場合
  2. 家賃が生活保護法の規定をオーバー(家賃の値上げ)してケースワーカーの指導を受けての住み替え
  3. 国や自治体から土地収用を理由に立ち退きを強制を受けて転居が必要な場合
  4. 仕事を退職して社宅から転居する必要がある場合
  5. 社会福祉施設から退所して帰るための家がない場合
  6. 宿泊提供施設等を仮住居としていた人の居宅生活の許可が下りた場合
  7. 自宅から遠距離での通勤が困難になること。かつ会社の近くに住むことで世帯収入の増加、働いている人の健康維持に役に立つと認められる場合
  8. 火災等で現住居が消滅し、または居住できない状態
  9. 自宅の老朽・破損 居住できないで取り壊しが決まった場合
  10. 世帯人数からみて現住居が明らかに狭い場合
  11. 病気療養に環境条件が悪いと認められる場合、または身体障がい者に設備構造が居住に適さない場合
  12. 親戚、知人宅等に一時的に身を寄せていた人が転居する場合
  13. 賃貸人が退去を強く要求または借家契約の更新の拒絶し、解約の申し入れによって、やむをえず転居(立ち退きを迫られている)する場合
  14. 離婚により現在の住所を出て、新しい住居が必要な場合
  15. 高齢者・障がい者 扶養義務者の介護を受けるために扶養義務者の近隣地区に引っ越す場合
  16. グループホームや有料老人ホーム、バリアフリー住宅への入居が必要と判断される場合

1つでも条件を満たさないと支給されない

16の条件のうち、1つでも満たさない限りはお金は支給されません。

人にもよりますが、条件はかなり厳しいと感じるのではないでしょうか。
引越しするのは自由でも、補助金を受け取るための条件は厳しいのです。

引越し費用で支給されるのは「敷金」「業者への費用」

16の条件のうち1つ以上を満たした場合、引っ越し費用が補助されます。
実際に支給される金額は「敷金」「業者に支払う費用」です。

入居する物件の敷金に関する情報と業者の見積書は、大切に保管しておきましょう。

敷金とは・相場

敷金とは、アパートなどの借主(賃借人)が「家賃の支払い」「退去時に部屋を損傷させた場合の修繕費」といった金銭債務を担保するため、貸主(賃貸人)に渡すお金のことです。

賃貸借契約が終了した場合、原則として賃借人に返還されます。

返ってくる金額は家賃の滞納分と借主の過失によって損傷した修理費(経年劣化は除く)を差し引いた金額です。

一般的には、契約時に家賃の2ヶ月分を支払うのが相場とされています。

引越し業者への費用とは・相場

引っ越し料金は荷物の量に左右されるため、単身世帯と家族世帯では支払う料金の相場が異なります。

3~4月とその他の期間に関しては、料金が2倍近く異なることも珍しくありません。

あくまで一般論ですが、引っ越し費用の相場は以下の通りです。

  • 単身世帯=3~4月の繁忙期:10万円前後、そのほかの時期:5万円前後
  • 家族=3~4月の繁忙期:15万円前後、そのほかの時期:7万円前後

生活保護受給者の引越しの流れ

生活保護受給者の賃貸契約は、一般人の引っ越しとは流れが異なることに注意が必要です。
前提として、福祉事務所に引越しの許可を取ることは必須になります。

ここでは、生活保護受給者の引越しの流れについて解説します。

  • 自治体の許可を取る
  • 物件を探す
  • 引っ越し業者探し

許可を取る

まずは生活保護を受けている地域の福祉事務所に連絡し、引越す旨を伝えることから始まります。

契約しようと考えている物件の了解を得ることで、転居に必要な契約費用を福祉事務所から受け取れます。

今の物件より家賃が安いアパートに自発的に引っ越す場合も、必ず許可が必要です。

市外に引っ越す場合は生活保護申請はやり直す?

市外に引っ越す場合、生活保護を担当する事務所が変わります。

その場合、引越し先の市役所で新しく申請を行うのが原則です。引っ越し前の現住所の生活保護を廃止し、新住所で新しく生活保護を申請します。

とはいえ、実際は福祉事務所間で「移管手続き」によって引き継がれます。

「転居先で生活保護を受けられないのでは・・・」という心配は無用です。

実際に引っ越しした後は、担当のケースワーカーが転居先の確認を行います。
新居がある地域の福祉事務所で新しく生活保護の手続きを行いますが、完了までには2~3ヶ月かかります。

手続きが終わるまでは従来の生活保護が継続されるため、一時的に生活保護費が支給されなくなることはありません。

水道・ガスなどの手続きが必要

転居した場合、公的な料金・保険料に関する手続きが必要になります。

国民年金やNHK受信料の免除手続き、水道・下水料料金の減免に関しては、新住所の市役所で新しく手続きが必要です。

物件を探す

福祉事務所の許可が下りれば物件を探しに移ります。
ここで問題なのが、物件を契約できない可能性があるということです。

まず、生活保護を受けている人に物件を紹介してくれる不動産業者を探すのがネックになります。

不動産会社によって対応はさまざまですが、なかには「生活保護」というだけで取り合ってくれないケースもあります。

不動産の契約では契約者の信用が大切です。
たとえば生活保護以外のケースでも、正社員では問題なく物件を紹介してくれる不動産業者でも、フリーランスや自営業になったとたんに紹介してもらえなくなるといったことは珍しくありません。

物件紹介を拒否するのは個人経営の不動産店に多く見られる傾向のため、できるだけ多くのの物件を見たい場合はチェーン展開している不動産会社を選ぶ方がいいでしょう。

物件の家賃は「住宅扶助」の範囲内が原則

また、住宅扶助で支給される家賃には上限があります。
上限金額を確認し、生活保護に適した物件を探すことが必須条件です。

物件が見つかれば、あたらめて福祉事務所に連絡し、許可を受けます。

違約金契約が必要になることも

違約金とは、債務の不履行があった際に債務者が債権者に支払うお金のことです。

生活保護受給者だから違約金契約が必要ということはありません。
ただし、生活保護受給者向けの行政管理の物件では違約金契約が必要になる場合があります。

賃貸物件では1年未満の解約に対して、生活保護に関係なく違約金を定めていることもあります。

いずれにしても、賃貸物件の条件については徹底した確認が求められます。

引越し業者探し

自分で引っ越し作業を全て完結する場合は必要ありませんが、実際は引っ越し業者を使うのが大半ではないでしょうか。

福祉事務所とのすり合わせの上で引っ越し先の物件が決まったら、引っ越し業者を選定していく作業に移りましょう。

できるだけ引っ越し費用を安くしてもらうには「相見積もり」が必須になります。
相見積もりとは、複数の引っ越し業者から見積もりを出してもらうことです。

仮にお気に入りの引っ越し業者があるとしても、相見積もりは絶対にやっておくべきです。
1社からの見積もりの場合、その金額が妥当なのかの判断がしにくくなってしまいます。

見積もりを一社ずつ出してもらうのは面倒であれば、インターネット上で利用できる「一括見積もりサイト」を利用するのがおすすめです。

インターネット検索で一括見積もりをとれば、複数の引越し業者の見積もりが一瞬で手に入ります。
条件を入力するだけで一番安い引っ越し業者が分かるため、引っ越しまで時間がない場合に特に重宝するでしょう。

もっとも安い1社が見つかったら、選んだ引っ越し業者の見積もりを市役所の担当者に報告し、確認・許可を受けてください。

実際の引越しの流れでは、見積もりを取り寄せたあとにケースワーカーに連絡し、もっとも安く見積もりを出してくれた業者依頼することになります。

インターネットが使えずに一括見積もりサイトが使えない場合でも、手に入れた見積もりの結果を持ってとりあえず福祉事務所に相談しましょう。

生活保護受給者の引越しにおいては、このように「引越しの意思を示す」「物件を見つける」「引越し業者を選定する」といった各プロセスで福祉事務所の許可を受ける必要があることを覚えておきましょう。

引っ越し費用を少しでも安くするために

引っ越し費用は業者や荷物量によってもピンキリですが、繁忙期の引越しの場合は10万円を超えることも珍しくありません。

以下のような対策で、できるだけ引っ越し費用を節約することを考えましょう。自己負担で引っ越しをする場合は、絶対に対策をとるべきです。

不用品は処分しておく

運ぶ荷物が多くなると、その分だけ引っ越し費用は高額になります。
一括見積もりでも訪問見積もりでも、できるかぎり不用品は処分しておくことが望ましいのです。

ただ捨てるのはもったいないですから、お金になりそうなものは地域のリサイクルショップに持ち込みましょう。
服やゲームに漫画本まで、さまざまな不用品を処分しながらお金に換えることができます。

繁忙期の引っ越しは避ける

多くの会社・学校では年度が4月からスタートすることが大半のため、3月や4月は引っ越しの繁忙期とされています。この時期は料金が高くなりますから、できるだけ避けて引越しすると費用を抑えることが可能です。

また、この時期の引っ越しは料金以前の問題で、引越しの予約が取れないことも考えられます。

引っ越し費用の受け取り方

引っ越し費用の補助は事前に受け取り、自分で引っ越し業者に支払うのが原則です。

自治体によっては、自治体が直接引越し業者に支払う場合もあります。

生活保護を受けている人はお金の管理ができない人が多く、現金を持っていると使ってしまう人も少なくないのが現状です。

自分の手元にお金があると不安な人は、ケースワーカーに相談して直接引っ越し業者に支払ってもらえないかを交渉することも考えましょう。

生活保護受給者は引っ越しできる?まとめ

今回は、生活保護と引越しの関係について解説しました。

原則として、生活保護を受けている人であっても引越しをすることは可能です。
しかし「もっと広い部屋に住みたい」「ペットが飼いたい」といった希望だけで引越しをすることは認められません。

生活保護者の引っ越しを認める16の条件に合致するかを確認し、認められる場合に引越しの申請を行いましょう。

判断が難しい場合は、ケースワーカーに確認を取ると確実です。

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ライター紹介

森本 陽子

森本 陽子

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(個人資産相談業務)AFP認定者。自身の経験や知識を活かし、複雑なお金の仕組みや知識をわかりやすく解説しておりツイッターでの有益な呟きにも注目。FP森本陽子の詳細プロフィール

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