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生活保護を受けたい|支給の条件と注意点を解説

 2020/10/09 お金に関する豆知識   50 Views

生活保護は、国が定めた「最低生活費」に満たない収入しか得られない人を保護するための制度です。

憲法第二十五条「健康で文化的な最低限度の生活」を実現する制度のため、福祉事務所は申請があれば拒否せずに調査する義務があります。

しかし、申請すれば誰でも生活保護が受けられるわけではありません。
生活保護を受けるためには一定の条件があり、条件を満たさない場合は受給できないのです。

今回は、生活保護の条件にスポットを当てて解説します。

生活保護を受給できる人の条件

厚生労働省の公式ホームページでは、「保護の要件」として、以下の通り条件を定めています。

生活保護は世帯単位で行い、世帯員全員が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することが前提でありまた、扶養義務者の扶養は、生活保護法による保護に優先します。

引用元:厚生労働省|生活保護制度

上記の要件をもとに、生活保護を受給するための条件を解説していきます。キーワードは以下の5つです。

  • 働けない人
  • 預貯金がない人
  • 換金できるものは換金する
  • 親戚から援助が受けられない・または足りない
  • 生活保護以外の制度をすでに活用している

働けない人

生活保護は、基本的に「働けない人」に対するセーフティーネットです。
働けるなら、まずは働いてもらうのが国の方針になっています。生活保護受給者が働いた場合、働いて得た収入の分は生活保護から除外されるのが原則です。

預貯金がない人

使っていない預貯金があれば、それを使うことが前提です。

しかし、くわしくは後述しますが「預貯金を全て使う」という意味ではありません。1~10万円程度の預貯金であれば、生活に最低限必要なお金として所持が認められます。

換金できるものは換金している

特別な事情があれば別ですが、まずは車は手放す必要があります。生命保険も解約して解約返戻金を受け取ります。

生命保険は将来の万が一のためにコツコツと保険料を支払って解約返戻金を増やしていたはずです。生活保護の申請にあたっては手放す必要があります。

今まで計画していた将来設計が無駄になってしまう可能性もありますから、生活保護を受けて良いのか、もう一度よく考える必要があります。

親戚から援助が期待できない・または足りない

同居している親や兄弟、3親等以内の親族から資金援助を受けられるのなら、そちらから優先して援助をしてもらうことが条件です。

支援が全く得られない場合や資金援助を受けてもなお不足する場合、不足する額を生活保護でサポートしてもらえます。

生活保護以外の制度をすでに活用している

生活保護以外の社会保険制度を利用することも、生活保護申請の条件です。

例えばケガや病気なら国民健康保険に入っておけば3割負担になりますし、国民年金の支払いが厳しいのであればは免除・納付猶予制度もあります。

そのほか、障がいを負っている場合は障害年金、高齢者であれば介護保険、子育て世代なら児童手当など、国からは生活保護以外にもさまざまなサポートが行われています。

活用できる公的制度がある人は、原則として支給の範囲外になります。

以下に、国が行っている主な公的年金・公的融資制度をまとめておきます。

制度名 内容
老齢基礎年金・老齢厚生年金 65歳以上の人に支給される基礎年金・厚生年金
障害基礎年金・障害厚生年金 障害等級に認定された人に支給される年金
失業保険 会社を退職した場合に受給できる給付金
労災保険 勤務中のケガなどで就業できなくなった際の現物給付
母子父子寡婦福祉資金 ひとり親世帯が子育て費用を借りられる制度
生活福祉資金貸付制度 無職世帯などを対象にした国の貸付制度

中でも生活福祉資金貸付制度は生活困窮世帯でも活用しやすい公的融資です。

無職などの低所得者障がい者など生活に困窮している人を対象にした公的な融資のため、収入の有無にかかわらず条件を満たせばお金を借りることができます。

生活福祉金貸付制度を利用してもなお生活費が足りない場合、生活保護を受けることで最低生活費までの金額を受け取ることになります。

生活保護を受給する要件

生活保護を受給する条件の中でも、今回は以下の2つに絞ってさらに詳しく解説します。

  • 使っていない資産は処分する
  • 収入は「生活保護の基準(居住地の最低生活費より)」低いこと

使っていない資産は処分する

生活保護を受けたいと思った場合、当然ながら価値のある貴金属や使っていない土地などの不動産を残しておくことはできません。
自分が所有している資産は、生活保護申請時の調査の際にケースワーカーに伝わります。

当然ながら、ルールにしたがって「売却」を勧められることになります。

売却の対象になるのは基本的に「生活を送る上で不要と判断される品物」で、以下のような資産が該当します。

  • 使用しない土地
  • 貴金属・ブランド品
  • 高級車
  • クレジットカード
  • 終身保険・養老保険などの貯蓄性がある生命保険
  • 株式や債券などの有価証券
とはいえ、全ての資産が没収されるわけではありません。例外的に残しても良い資産もあります。

例外として処分されない資産もある

どのような資産が例外として残すことができるのでしょうか。例えば以下のような資産です。

  • 住宅ローンを払い終えた自宅
  • 生活するうえで欠かせない家具・家電
  • スマートフォン・パソコン(1台ずつ)
住宅ローンを払い終えた住宅は、抵当権が抹消されていれば自分の財産です。
今後も住み続けることになるわけですから、手放す必要はありません。

ただし、生活保護費を利用して借金を返済することはできません。
住宅ローンの残債がある住宅は売却して手放す必要があります。

続いて、電子レンジ・冷蔵庫・洗濯機、エアコンなどの大型家電、白物家電は生活していくのに必要ですから残していいことになっています。食卓や食器類なども同様です。

スマートフォンやパソコンに関しても、仕事で使うこともありますから所有できます。ただし、2台目以降は売却の対象です。1台ずつは所有することも問題ありません。

残してよい資産の基準は、「日常生活を送る上で必要かどうか」と覚えておきましょう。

収入は「生活保護の基準(居住地の最低生活費より)」低いこと

最低生活費とは、日本国憲法第二十五条で保証された「健康で文化的な最低限度の生活」を送るために必要な費用のことです。

都市部か地方か等、居住地ごとに物価が異なるため、自治体ごとに最低生活費が変わります。

世帯収入が最低生活費よりも少ない場合、生活保護申請が認められます。

最低生活費=生活扶助+住宅扶助

生活保護にはさまざまな扶助があります。大きく分けて以下の8つです。

  • 生活扶助
  • 住宅扶助
  • 医療扶助
  • 介護扶助
  • 教育扶助
  • 出産扶助
  • 生業扶助
  • 相殺扶助
いわゆる衣食住のうち、衣食をサポートしてくれるのが「生活扶助」、住をサポートしてくれるのが「住宅扶助」です。

国が定める「最低生活費」とは、生活扶助と住宅扶助の合計額を指します。

最低生活費は住んでいる自治体によって異なるため、一概に「〇円」とは言えません。

インターネット上で「最低生活費 計算」などで検索すれば、自動計算できるシミュレーションツールが見つかります。
あくまで参考数値ですが、こちらを活用して大まかな金額を把握することもできます。

生活保護の必要書類

生活保護の流れは、まずは地域の福祉事務所に相談に向かうことから始まります。この際は書類は不要です。

ただし、実際に申請を行う時には必要書類を持参する必要があります。申請時に必要な書類等については以下の通りです。

  • 印鑑
  • 本人確認書類
  • 預貯金通帳
  • 保険証、年金手帳、年金証書等
  • 賃貸借契約書(家賃が分かるもの)
  • 公共料金の領収書
  • 給与明細
  • 公的な手当を受給していれば、それを証明する書類

生活保護の注意点

生活保護を申請するにあたって、あらかじめ知っておきたい注意点を解説します。

  • 車やバイクを持つには「やむを得ない事情」が必要
  • 生活保護の申請が親にバレる
  • 同時に別の福祉事務所で、申し込まない

車やバイクを持つには「やむをえない事情」が必要

生活保護を受ける場合、換金できる資産はできる限り売却して現金に換える必要があります。
現金を生活費に利用するためです。

現状、生活保護中の車の所有は認められていません。以下のような懸念点があるためです。

  • 車の維持費を負担することは出来ない
  • 事故を起こした際の賠償能力はない
ただし、条件次第では車の所有・使用が認められる場合があります。クルマを所有するための条件を紹介します。

家族に通勤に使っている

東京などの地下鉄が発達した大都市圏であれば、車はなくても生活に困らないでしょう。

一方で地方に住んでいる場合、車以外の交通手段はバスかタクシーしかないことも珍しくありません。

どう考えても車がなければ通勤が難しい場合は、所有が認められる可能性はあります。

自営業のために利用する

自営業をしている場合、車がないと事業が成り立たない場合もあります。
例えば「農業」。農機具や農薬一式、収穫物を入れておく「コンテナ」を車内に積んで畑に移動します。

収穫した後は農協や顧客の元にクルマで運搬することになるでしょう。

このように事業に不可欠な場合は、認められる可能性は高いといえます。
ただし、車には維持費がかかるため、事業が軌道に乗っていて「ある程度の収入」がないと認められない可能性もあります。

生活保護の申請が親にバレる

生活保護の申請の際、ケースワーカーによって「扶養照会」が行われます。

扶養照会とは、生活保護申請者の家族・親族に対して「この人を扶養してあげられませんか?」という確認作業のことです。

電話や手紙で行われます。

あくまで問い合わせですから、扶養することを指示したり強制したりするものではありません。

しかし、これによって生活保護の申請した事実が家族や親戚に知れ渡ってしまいます。

時には両親に心配な思いをさせてしまうでしょうし、場合によってはトラブルにつながる恐れも考えられます。

生活保護を申請するとき、「誰にも内緒で保護を受けたい」という希望があっても必ず伝わってしまうことは理解しておきましょう。

同時に別の福祉事務所で申し込まない

たとえば消費者金融のカードローンに申し込む場合「審査で落とされたらイヤだから」と同時に複数の消費者金融に申し込みを行う人もいます。

もし複数の審査を通過できたら、そのまま複数のカードローンを利用しようというわけです。

消費者金融に対しても勧められる行為ではありませんが、生活保護を申請する場合も同時に複数の福祉事務所で申し込むことは推奨できません。

生活保護は「居住地に近い福祉事務所」で申し込むことが原則ですが、強制はされません。
別の福祉事務所に同時に申し込むことは、法律上はできないわけではありません。

しかし、仮に複数の福祉事務所で審査を通過した場合、福祉事務所が定期的に受給者の口座情報を確認することで二重申請・二重受給はすぐにバレてしまいます。

これは当然ながら不正受給に該当し、全額の返還を求められることになるのです。

福祉事務所では生活保護法第7条によって、生活保護の申し込みは必ず受け付けることが定められていまます。

保護は、要保護者、その扶養義務者又はその他の同居の親族の申請に基いて開始するものとする。但し、要保護者が急迫した状況にあるときは、保護の申請がなくても、必要な保護を行うことができる。

引用元:e-Gov|生活保護法

申請に通らないことがあったとしても、内容を改善して再申請すれば審査を通過させることも不可能ではありません。

複数の事務所に同時申し込みはせず、諦めないで再申請を検討しましょう。

福祉事務所で申請を受け付けてくれない?

生活保護第7条の規定により、福祉事務所は生活保護の申請を拒絶することは出来ません。
しかし、生活保護の申請を受け付けてもらえなかったといった口コミをネット上でみかけることもあります。

万が一生活保護申請を虚偽された場合、次回は弁護士に同行してもらいましょう。費用はかかるものの、自分1人より格段に受理されやすくなるはずです。

生活保護を受けるには|支給の条件と注意点を解説 まとめ

今回は、生活保護の条件について解説しました。

まずは働けるだけ働くこと、価値のある資産は全て処分してお金に換えておくことが申請のための最低条件です。また、調査の流れで必ず家族、親戚に「生活保護を申請した事実」が伝わることは理解しておきましょう。

生活保護はメリットばかりではありません。条件やデメリットもよく確認して、申請するか否かを決めていくことが大切です。

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