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生活保護の級地とは|主要都市の給地と支給金額を解説

 2020/11/29 お金に関する豆知識   170 Views

生活保護の支給額は一律ではなく、市区町村ごとに決められた「級地」によって異なります。

今回は、主要都市の級地区分について解説します。

級地とは

級地制度とは、生活保護法第8条2項に基づいて、地域ごとの立地特性や生活様式などに応じて生じる物価や生活水準の差があることを踏まえ、生活保護の基準額に反映させることを目的とした制度です。

生活保護法第8条
(基準及び程度の原則)

第八条 保護は、厚生労働大臣の定める基準により測定した要保護者の需要を基とし、そのうち、その者の金銭又は物品で満たすことのできない不足分を補う程度において行うものとする。
2 前項の基準は、要保護者の年齢別、性別、世帯構成別、所在地域別その他保護の種類に応じて必要な事情を考慮した最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであつて、且つ、これをこえないものでなければならない。
引用元:e-Gov法令検索|生活保護法第8条

級地による地域区分は市町村単位です。
ただし例外的に東京都23区は1つの地域として区分されます。

全国の市町村を1級地から3級地まで区分分けし、さらにその級地の中で「〇級地-1」「〇級地-2」の2つの段階に分けています。合計で6段階の区分です。

もっとも高い等級が1等級-1、もっとも低い等級が3等級-2となります。

生活保護基準に地域差を設けている

級地制度によって、生活保護基準は市町村ごとに地域差が設けられています。
同じ県であっても政令指定都市があれば家賃や物価が高く、級地が高くなるのが原則です。

そうでない中核都市以下の都市では級地が低くなることで、相対的に受け取れる生活保護費は安くなります。

級地制度の目的

級地制度の目的は、地域における生活様式や物価差による生活水準の差を生活保護費に反映させることです。

分かりやすいのは「家賃」でしょう。同じ1LDKの間取りの物件でも地方では5万円前後で斡旋されることは珍しくありません。

一方で東京都23区などの都市部では10万円前後の家賃がかかることもあります。

このような地域ごとの物価の変動があるのに一律の生活保護費を設定してしまうと、都市部の人が受け取れる生活保護費が物価に対して安すぎる、あるいは地方で受けとれる金額が物価に対して高すぎるということになってしまいます。

その格差を是正するために級地によって支給額に差を設けています。物価に対する受給額の割合を調整しているのです。

級地による生活保護費の計算方法

生活保護は0歳から75歳まで細かく分類されます。

「決められた生活扶助基準第一類」に世帯人数に応じた「逓減率」を掛け、「生活扶助基準第二類」を足して生活扶助基準(第一類+第二類)①を算出します。

同じ方法で金額が異なる生活扶助基準(第一類+第二類)②を算出し、以下の計算式で生活扶助の基準となる金額を計算します。

(「生活扶助基準(第1類+第2類)①×0.855」又は「生活扶助基準(第1類+第2類)②」のいずれか高い方+生活扶助本体における経過的加算

基準額の詳しい計算方法は以下の記事で解説しています。実際におおまかな支給額を計算してみたい人は、ご覧になってみて下さい。

住まいの級地を確認しよう

札幌市

札幌市は級地区分の中でも「1級地-2」に分類されます。

第一類(居宅)

年齢 1級地-2 生活扶助基準額① 1級地-2 生活扶助基準額①
0~2人 20,830 43,330
3~5人 26,260 43,330
6~11人 33,950 44,320
12~17人 41,940 46,350
18~19人 41,940 46,030
20~40人 40,140 46,030
41~59人 38,050 46,030

逓減率

世帯人員 1級地-2 逓減率① 1級地-2 逓減率②
1人 1.0000 1.0000
2人 1.0000 0.8548
3人 1.0000 0.7151
4人 0.9500 0.6010
5人 0.9000 0.5683

第二類(居宅)

世帯人員 1級地-2 生活扶助基準 第2類① 1級地-2 生活扶助基準 第2類②
1人 43,280 27,690
2人 47,910 40,660
3人 53,110 45,110
4人 54,970 47,040
5人 55,430 47,070

各種加算など

加算の内容 基準額
母子加算 子ども1人の場合:20,300円

子ども2人の場合に加える額:3,900円

児童養育加算 3歳に満たない児童(第一子・第二子)=11,820円

3歳以上の児童(第一子・第二子)=10,190円

妊産婦加算 妊娠6ヶ月未満:9,130円

妊娠6ヶ月以上:13,790円

産後:8,480円

障害者加算 障害等級1・2級:26,810円

障害等級3級:17,870円

在宅患者加算 13,270円

大阪市

大阪市は1級地-1という最も高い評価です。ただし、現在では最上位でも見直しがなされる可能性があります。

第一類(居宅)

年齢 1級地-1 生活扶助基準額① 1級地-1 生活扶助基準額①
0~2人 21,820 44,630
3~5人 27,490 44,630
6~11人 35,550 45,640
12~17人 43,910 47,750
18~19人 43,910 47,420
20~40人 42,020 47,420
41~59人 39,840 47,420

逓減率

世帯人員 1級地-1 逓減率① 1級地-1 逓減率②
1人 1.0000 1.0000
2人 1.0000 0.8548
3人 1.0000 0.7151
4人 0.9500 0.6010
5人 0.9000 0.5683

第二類(居宅)

世帯人員 1級地-1 生活扶助基準 第2類① 1級地-1 生活扶助基準 第2類②
1人 45,320 28,890
2人 50,160 42,420
3人 55,610 47,060
4人 57,560 49,080
5人 58,010 49,110

各種加算など

加算の内容 基準額
母子加算 子ども1人の場合:20,300円

子ども2人の場合に加える額:3,900円

児童養育加算 3歳に満たない児童(第一子・第二子)=11,820円

3歳以上の児童(第一子・第二子)=10,190円

妊産婦加算 妊娠6ヶ月未満:9,130円

妊娠6ヶ月以上:13,790円

産後:8,480円

障害者加算 障害等級1・2級:26,810円

障害等級3級:17,870円

在宅患者加算 13,270円

福岡市

福岡市は札幌市と同じく1級地-2に分類されます。

第一類(居宅)

年齢 1級地-2 生活扶助基準額① 1級地-2 生活扶助基準額①
0~2人 20,830 43,330
3~5人 26,260 43,330
6~11人 33,950 44,320
12~17人 41,940 46,350
18~19人 41,940 46,030
20~40人 40,140 46,030
41~59人 38,050 46,030

逓減率

世帯人員 1級地-2 逓減率① 1級地-2 逓減率②
1人 1.0000 1.0000
2人 1.0000 0.8548
3人 1.0000 0.7151
4人 0.9500 0.6010
5人 0.9000 0.5683

第二類(居宅)

世帯人員 1級地-2 生活扶助基準 第2類① 1級地-2 生活扶助基準 第2類②
1人 43,280 27,690
2人 47,910 40,660
3人 53,110 45,110
4人 54,970 47,040
5人 55,430 47,070

各種加算など

加算の内容 基準額
母子加算 子ども1人の場合:20,300円

子ども2人の場合に加える額:3,900円

児童養育加算 3歳に満たない児童(第一子・第二子)=11,820円

3歳以上の児童(第一子・第二子)=10,190円

妊産婦加算 妊娠6ヶ月未満:9,130円

妊娠6ヶ月以上:13,790円

産後:8,480円

障害者加算 障害等級1・2級:26,810円

障害等級3級:17,870円

在宅患者加算 13,270円

神戸市

神戸市も1級地-1に分類されます。

第一類(居宅)

年齢 1級地-1 生活扶助基準額① 1級地-1 生活扶助基準額①
0~2人 21,820 44,630
3~5人 27,490 44,630
6~11人 35,550 45,640
12~17人 43,910 47,750
18~19人 43,910 47,420
20~40人 42,020 47,420
41~59人 39,840 47,420

逓減率

世帯人員 1級地-1 逓減率① 1級地-1 逓減率②
1人 1.0000 1.0000
2人 1.0000 0.8548
3人 1.0000 0.7151
4人 0.9500 0.6010
5人 0.9000 0.5683

第二類(居宅)

世帯人員 1級地-1 生活扶助基準 第2類① 1級地-1 生活扶助基準 第2類②
1人 45,320 28,890
2人 50,160 42,420
3人 55,610 47,060
4人 57,560 49,080
5人 58,010 49,110

各種加算など

加算の内容 基準額
母子加算 子ども1人の場合:20,300円

子ども2人の場合に加える額:3,900円

児童養育加算 3歳に満たない児童(第一子・第二子)=11,820円

3歳以上の児童(第一子・第二子)=10,190円

妊産婦加算 妊娠6ヶ月未満:9,130円

妊娠6ヶ月以上:13,790円

産後:8,480円

障害者加算 障害等級1・2級:26,810円

障害等級3級:17,870円

在宅患者加算 13,270円

京都市

京都市も東京都23区や大阪市のように1級地-1に分類されます。

第一類(居宅)

年齢 1級地-1 生活扶助基準額① 1級地-1 生活扶助基準額①
0~2人 21,820 44,630
3~5人 27,490 44,630
6~11人 35,550 45,640
12~17人 43,910 47,750
18~19人 43,910 47,420
20~40人 42,020 47,420
41~59人 39,840 47,420

逓減率

世帯人員 1級地-1 逓減率① 1級地-1 逓減率②
1人 1.0000 1.0000
2人 1.0000 0.8548
3人 1.0000 0.7151
4人 0.9500 0.6010
5人 0.9000 0.5683

第二類(居宅)

世帯人員 1級地-1 生活扶助基準 第2類① 1級地-1 生活扶助基準 第2類②
1人 45,320 28,890
2人 50,160 42,420
3人 55,610 47,060
4人 57,560 49,080
5人 58,010 49,110

各種加算など

加算の内容 基準額
母子加算 子ども1人の場合:20,300円

子ども2人の場合に加える額:3,900円

児童養育加算 3歳に満たない児童(第一子・第二子)=11,820円

3歳以上の児童(第一子・第二子)=10,190円

妊産婦加算 妊娠6ヶ月未満:9,130円

妊娠6ヶ月以上:13,790円

産後:8,480円

障害者加算 障害等級1・2級:26,810円

障害等級3級:17,870円

在宅患者加算 13,270円

東京都23区

東京都は23区に関して「1級地-1」という最も高い級地があてられています。

第一類(居宅)

年齢 1級地-1 生活扶助基準額① 1級地-1 生活扶助基準額①
0~2人 21,820 44,630
3~5人 27,490 44,630
6~11人 35,550 45,640
12~17人 43,910 47,750
18~19人 43,910 47,420
20~40人 42,020 47,420
41~59人 39,840 47,420

逓減率

世帯人員 1級地-1 逓減率① 1級地-1 逓減率②
1人 1.0000 1.0000
2人 1.0000 0.8548
3人 1.0000 0.7151
4人 0.9500 0.6010
5人 0.9000 0.5683

第二類(居宅)

世帯人員 1級地-1 生活扶助基準 第2類① 1級地-1 生活扶助基準 第2類②
1人 45,320 28,890
2人 50,160 42,420
3人 55,610 47,060
4人 57,560 49,080
5人 58,010 49,110

各種加算など

加算の内容 基準額
母子加算 子ども1人の場合:20,300円

子ども2人の場合に加える額:3,900円

児童養育加算 3歳に満たない児童(第一子・第二子)=11,820円

3歳以上の児童(第一子・第二子)=10,190円

妊産婦加算 妊娠6ヶ月未満:9,130円

妊娠6ヶ月以上:13,790円

産後:8,480円

障害者加算 障害等級1・2級:26,810円

障害等級3級:17,870円

在宅患者加算 13,270円

今後は級地の見直しがなされる可能性 

現在の級地は、このままで未来永劫続くとは限りません。

厚生労働省は現在、級地制度を含めた生活扶助の支給基準について見直しの検討を始めています。

級地制度はバブル最盛期の1987年に3段階を6段階に細分化したのが最後です。

2009年に総務省の全国消費実態調査をもとに財務省が同じ等級内の都市の低所得世帯の消費額を分析したところ、最大1.6倍の格差があることが分かりました。

中でも同じ1級地-1の横浜と大阪では、横浜の消費額が大阪の1.28倍と大きな開きがあります。

2020年11月現在では大阪市は1級地-1のままですが、今後は見直しが実施される可能性はあるでしょう。

生活保護の級地とは|主要都市の給地と支給金額を解説 まとめ

今回は東京都23区をはじめとした全国の主要都市の級地と、生活保護の計算に使う各基準額を紹介しました。

今回紹介した以外の地域の級地を知りたい場合は、厚生労働省が発表している級地区分をご確認ください。

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ライター紹介

森本 陽子

森本 陽子

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(個人資産相談業務)AFP認定者。自身の経験や知識を活かし、複雑なお金の仕組みや知識をわかりやすく解説しておりツイッターでの有益な呟きにも注目。FP森本陽子の詳細プロフィール

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