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生活保護の申請方法|いざという時にお金をもらえるようにする

お金に関する豆知識   45 Views

「頑張って働いても生活が苦しい・・・」

さまざまな理由で生活に困窮し、生活保護が頭をよぎる人は少なくないのではないでしょうか。

新型コロナウイルスの影響によって経済が大きな打撃をうけたことから、今後も生活保護の申請は増え続けていくものと考えられます。

しかし、生活保護の申請方法をご存知の人は少ないはずです。あらかじめ知っておかないと、いざという時に戸惑ってしまうこともあります。

そこで今回は、生活保護の申請方法について解説します。

生活保護とは

私達の人生では、急な病気や事故によって「自分の力だけでは生活できない事態」に陥ることもあるかもしれません。そんな時に利用できるのが生活保護です。

生活保護とは、国が定めた「最低生活費」に満たない収入しか得られない人を保護するための制度です。

憲法第25条に「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と定められており、生活保護法を通じて健康で文化的な最低限度の生活を保障しています。

生活保護の内容

生活保護では以下の8種類の扶助があり、生活を営む上で必要な項目に対応する扶助が支給されます。

  • 生活扶助
  • 住宅扶助
  • 教育扶助
  • 医療扶助
  • 介護扶助
  • 出産扶助
  • 生業扶助
  • 葬祭扶助
中でもボリュームが大きいのは「生活扶助」と「住宅扶助」です。

これら2つの扶助に母子家庭や障がい者等の家庭の事情に合わせた加算を行い、そのほか必要な扶助を加えて計算されたものが、最低生活費として生活保護費になります。

生活保護申請の流れ

ここからは、生活保護の申請の流れを紹介します。申請の段階で必要な書類もあるので、流れを把握しておくと実際の手続きもスムーズです。

具体的な申請の流れは以下の通りとなります。

  • 事前の相談
  • 保護の申請
  • 調査
  • 結果の通知
  • 保護費の支給
それぞれの詳細について、解説していきます。

事前の相談

最初に、地域の福祉事務所に出向いて「生活保護の相談をしたい」と相談しましょう。

生活保護受給の条件が満たされているかを相談員に説明します。説明するべきは、以下のような項目です。

  • 世帯収入が最低生活費以下であること
  • 売却可能な資産を持っていない
  • 預貯金・現金を持っていない
  • 援助してくれる家族・親族がいない
  • カードローン等の借金をしていない
  • 病気やけがなどの理由で働くことができない
  • 他の公的支援の制度を利用していない
これらの条件を満たす必要があるのは、生活保護を受けるには厚生労働省が定めた「生活保護の要件」を満たす必要があるためです。

生活保護は世帯単位で行い、世帯員全員が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することが前提でありまた、扶養義務者の扶養は、生活保護法による保護に優先します。

引用元:厚生労働省|生活保護制度

そもそもの要件として、預貯金や活用されていない土地がそのまま残っている場合は生活保護には申し込めません。
それらを処分して現金に換え、生活費に充てることを求められます。

働く能力があれば、当然ながら働かなくてはいけません。働いても最低生活費に満たない場合に生活保護の対象になります。

そのほか、親や兄弟・親戚に扶養してもらえるようなら、そちらが優先されるのが原則です。
生活保護以外の公的融資や支援を受けられる場合も同様です。

生活保護は、あらゆる手を尽くしても最低生活費に満たない収入しか得られない場合の、本当の最後の手段であるということを覚えておきましょう。

行先は最寄りの福祉事務所

生活保護の相談・申込先は、住んでいる地域を管轄している「福祉事務所」です。

自分が行くべき福祉事務所が分からない時は、厚生労働省のページから探すことができます。

>>厚生労働省|福祉事務所

もし現在一戸建てにも賃貸にも住んでいない、友人宅やネットカフェを転々としているといった「住所不定」になってしまっている場合、住民票がないこともあるでしょう。

こういった場合でも、自分自身が今現在住んでいる自治体の福祉事務所に相談に行けば対応してもらえます。

ただし、ここで生活保護以外の公的支援が先に使えないかを検討することになります。
ほかに使える公的制度があれば、そちらが生活保護よりも優先です。

生活保護以外にも支援はある

生活に困った時のセーフティーネットとしては、生活保護が思い浮かぶ人が多いでしょう。
しかし、生活保護は最後の最後に申し込める制度です。相談した際、「ほかに申し込める制度があるのではないですか?」と確認されます。

特に有効に使えるのが、2015年からスタートした「生活困窮者自立支援制度」です。

経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなる恐れのある人に以下のような支援を行います。

  • 自立相談支援事業
  • 住居確保給付金の支給
  • 就労準備支援事業
  • 家計相談支援事業
  • 就労訓練事業
  • 生活困窮世帯の子どもの学習支援
相談内容に合わせて必要な制度を案内し、生活を立て直すまでサポートを行います。

保護の申請

福祉事務所の「生活支援課」では生活に困っている人の相談を受け付けていますが、生活保護を受けるためには、受けようとする人の申請が必要です。

申請後はケースワーカーの家庭訪問を受ける

申請が受理されると担当者(ケースワーカー)が、「保護が必要がどうか」を判断します。
保護を受けようとする人の家を訪れることのほかに、必要な場合には申込者が利用する病院を訪問する場合もあります。

まず行われるのは「資産調査」です。
金融機関の残高から預貯金の残り、自動車や不動産を所有していないかを確認します。

現金に関しては絶対に持っていてはいけないということではありません。
生活に必要な最低限の貯金であれば残しておいてもOKとされています。具体的には1~上限10万円まででしょう。

続いて家庭を訪問しての「生活状況の調査」です。

まだ生活に余裕がありそうなのに生活保護を申請しても、この段階で必ずバレてしまいます。
売却すればお金に換えられそうな高級家具や家電などがある場合、申請が通らないこともあります。

扶養調査と金融機関への調査

調査に際して、申込者の家族(親・兄弟)や3親等以内の親族に対して扶養調査が実施されます。

連絡するのは「この人を扶養できませんか?」という確認のためです。扶養は強制ではありませんが、援助が受けられる場合はそちらが優先されます。

なお、金融機関への預貯金などの確認も一緒に行われます。

審査結果の通知

生活保護の申請後、原則14日以内に生活保護を受給できるかどうかが決定されます。

結果の通知方法は、電話か郵送です。

却下された結果に不服があれば、不服申し立ても可能です。時間をおいてから、再度申し込むのも良いでしょう。

保護費の支給

決定された内容に従って、保護費が支給されます。

相談・申請に必要な書類

生活保護の申請時に必要な書類は、以下の通りです。

  • 生活保護の申請書・申告書
  • 本人確認書類
  • 収入に関する書類
  • 資産に関する書類
本人確認書類は運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなど「顔写真付き」の書類が必要です。このほか「健康保険証」「印鑑」も必要になります。

生活保護申請で良くある質問

生活保護の申請に関して、疑問に思うことがたくさんある人もいるでしょう。いざという時に困らないために、申請する人が抱きがちな疑問をQ&A形式でまとめました。

Q1.どこに相談に行けばいいのか

居住地域の福祉事務所で相談・申請を受け付けています。

決まった住所がない場合や住民票のある場所と異なる地域に住んでいる場合は、最寄りの福祉事務所で申請可能です。

Q2.相談・申請には何が必要か

生活保護の相談にあたっては、必要な書類は特別ありません。

一方で申請に関しては必要なものがあります。準備するものは記入済みの申請書と、市役所による審査を受けるための預金通帳、給与明細、年金手帳、健康保険証などの「今の生活状況(収入・資産)がわかる書類」です。

Q3.受給できるまでにどのくらいの日数がかかるか

調査の結果、生活保護を受けられるかどうかの通知を受け取りますが、原則は申請から14日以内の受け取りです。最長でも申請から30日以内には通知されます。

生活保護の申請をしてから生活保護が開始されるまでの間に当座の生活資金が不足する場合、社会福祉協議会が行う「臨時つなぎ資金貸付」を利用できる場合もあります。

Q4.収入がある親族がいると申請できない?

生活保護の申請があった場合、申請者の家族や3親等以内の親族の扶養照会が行われます。

扶養を受けられるなら、そちらが優先になるのが原則です。しかし、扶養を強制するものではありません。

家族や親族が扶養を拒否した場合、家族や親族に収入があっても生活保護の対象になります。

Q5.車や自宅は手放さなければいけない?

自動車は申込者の資産にあたるため、換金できる資産は換金するのが基本です。しかし、障がいを持っている人が通勤に使う場合、職場までクルマを使わないと通勤が厳しい等の特段の事情がある場合、自動車の保有が認められる場合もあります。

ただし、その場合も「ベンツ」に代表されるような高級外車の所有は認められません。

Q6.若くて健康だと受給できない?

若くて健康の場合、正社員やパートなど、何らかの方法で働くことはできるはずです。しかし、働いても国が定めた最低生活費に満たないこともあるかもしれません。今回の新型コロナウイルスのように、雇用が悪化して解雇されることも考えられます。

この場合、収入と最低生活費を比較し、収入を差し引いた差額が生活保護費として支給される可能性があります。

Q7.住宅ローンを完済した自宅も手放す?

原則として住宅も資産なので売却の対象ですが、手放すか否かは「住宅ローンの残債があるか、ないか」によって異なります。

生活保護で借金を返済することは認められていないため、住宅ローンの残債がある住宅は生活保護を受けたい場合に売却するしかありません。

一方、住宅ローンの残債がない住宅は売却する必要がありません。

ただし「リバースモーゲージローン」を利用することを求められることもあります。

リバースモーゲージとは、リバースの名前の通り「逆住宅ローン」ともいえる仕組みです。

住宅を担保に生活資金を借り入れるもので、一定の期限を迎えるか契約者の死亡で住宅を売却し、手に入れたお金で借金を完済します。

この制度を利用してもなお生活に困窮するなら、生活保護の対象ということになります。

生活保護の申請が受け付けられない時

生活保護の申請は国民の権利ですから、福祉事務所は申請を拒否することはできません。これは生活保護法の7条にも規定されています。

保護は、要保護者、その扶養義務者又はその他の同居の親族の申請に基いて開始するものとする。但し、要保護者が急迫した状況にあるときは、保護の申請がなくても、必要な保護を行うことができる。

引用元:e-Gov|生活保護法

しかし、実際には生活保護の申請が拒否されてしまったという口コミが見つかることがあります。

もし申請を受け付けてくれなかった場合、以下のように対応してみると良いでしょう。

  • 生活保護の申請をハッキリと伝える
  • 法律違反であることをしっかりと伝える
  • 弁護士に同行願う
「生活に困っています・・・」といったような間接的な言い回しの場合、生活保護を申請したいという意思がきちんと伝わらないことは考えられます。「生活保護の申請をします」をハッキリ伝えることが大切です。

それでも受理されない時、「申請を受け付けないのは法律違反である」ときっぱりと伝えましょう。

しかし、もし口論になってしまった場合、プロである職員と法律のことで対決するのが難しい場合もあるかもしれません。どうしても受理してくれそうになかった場合、最後は「生活保護の代理申請を行っている弁護士」に同行を依頼することになります。

生活保護法で申請は拒否できないことが明示されている以上、最後は受理されるはずです。

しかし、その後に生活保護の支給が決定されるかは別の話です。ここまで手間と時間をかけるのですから、申請が通るように事前に準備を進めましょう。

生活保護の申請方法 まとめ

今回は、生活保護の申請方法について解説しました。

相談→申請→調査→決定→保護という流れは、言葉こそ違っても民間の融資申し込みの流れとは大きくは変わりません。違うのは、生活保護があくまで「最後の手段」であるということです。

家族や親族が扶養してくれたり、まだ使える現金・資産があることが分かったりした場合は、申請が拒否されることも考えられます。

どのような場合に申請が認められるのか、条件を良く確認してから申込みましょう。

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