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生活保護の金額・支給額はいくら?計算式から解説

 2020/10/09 お金に関する豆知識   114 Views

生活保護を受けようとする場合、自分なら、いくらくらいの金額を受け取れるのか」は気になるところでしょう。

国が定める「最低生活費」がそのまま生活保護費になるのが、考え方の基本です。
それでは、最低生活費はどのように求めるのでしょうか。

今回は、生活保護の受給額の計算式について解説します。

生活保護とは

生活保護とは「生活に困窮する人に対して困窮の程度に応じた保護を行うことで、健康で文化的な最低限度の生活を保障するための制度」です。

生活保護の支給金額は「最低生活費」を基準として計算を行います。具体的には以下のような基準によって計算が進みます。

  • 居住地
  • 世帯人数
  • 年齢
  • 母子家庭かどうか
  • 障害の有無
自分が置かれた環境によって、受け取れる支給金額は変わるというわけです。

生活保護の申請条件は4つ

生活保護の要件について、厚生労働省では「保護の要件等」として以下のように定めています。

生活保護は世帯単位で行い、世帯員全員が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することが前提でありまた、扶養義務者の扶養は、生活保護法による保護に優先します。

引用元:厚生労働省|生活保護制度

少し難しい表現ですから、細かくして分かりやすく解説します。

生活保護を受給するためには、以下の4つの条件を満たす必要があるということです。

  • 使える資産は全て使ってしまうこと
  • 働くことができないこと
  • 公的な融資・支援が受けられないこと
  • 家族・親族からの援助が受けられないこと

使える資産は全て使ってしまうこと

家や車を所有している場合、生活保護は受けられません。
売却して現金に換えて生活費に充て、それでも生活が成り立たない場合は生活保護の対象になります。

ただし、家については住宅ローンが残っているかどうかで判断が分かれます。生活保護のお金で借金を返すことは認められていないため、住宅ローンの残債がある住宅の場合は売却する必要があります。

反対に住宅ローンが残っていない家の場合、売却する必要はありません。

働くことができないこと

生活保護は、十分に働くことができる場合は対象外です。
まずは自分の力で働くこと。それでも最低賃金を下回ったり、病気やけがで働くことが難しかったりするようなら生活保護の対象になります。

公的な融資・支援が受けられないこと

国や自治体から補助を受けている人は、融資の内容次第で生活保護が不要と判断されます。
老齢厚生年金・老齢基礎年金の受給者も同様です。

通常は公的支給を最低生活費以上受けている場合は生活保護を受けられません。
収入があった場合、ケースワーカーに申告し、その収入分を生活保護から引くことになります。

なお、その時の判断によって公的な支援でも認められる場合があります。

例えば新型コロナウイルスによる緊急事態宣言などの影響で生活が困窮する人が増えたことで、10万円の「特別定額給付金」が支給されました。

これは「国民一律で10万円」の給付金ですから、生活保護世帯であっても受け取ることが可能です。

家族・親族からの援助が受けられないこと

生活保護を申請すると、担当者(ケースワーカー)による調査が実施されます。その際、申請者の親や兄弟に「この人を扶養できませんか?」という連絡が行くことになります。親や親戚から援助をもらえる人は、そこを頼るのが原則です。

ただし、なかには親に虐待されていたことが原因で縁を切っていることもあるかもしれません。そのような事情がある場合は生活保護受給の対象になります。

生活保護の金額=最低生活費

最低生活費とは、厚生労働大臣によって定められた「健康で文化的な最低限度の生活を営むために必要な生活費」です。

最低生活費は「生活扶助」「住宅扶助」「教育扶助」「介護扶助」「医療扶助」等の合計額によって算出されます。中でも大きなウェイトを占めるのが、衣食住にあたる生活扶助と住宅扶助の2つです。

詳しい計算式は後ほど解説します。

最低生活費の調べ方

生活保護の受給額は住所や世帯人数などの状況を加味して計算されます。

計算の順序は、以下の通りです。

  • 居住地の等級を調べる
  • 生活扶助基準①、②を調べる
  • 必要なら「加算額」を加算
  • その他の扶助があれば加算

居住地の等級を調べる

日本の中でも、地方か都市部かで物価は異なります。
分かりやすいのが「家賃」でしょう。都市部のほうが地方に比べ、同じ間取りでも家賃は高くなります。同じ間取りでも場合によっては2倍以上の差が開くこともあります。

このような物価の違いに合わせ、自治体ごとの等級で生活保護の受給金額は異なっています。1級地-1がもっとも等級が高く、ついで1級地-2、続いて2級地-1・・・といった具合です。

以下に級地区分の一部を紹介します。

1級地-1 東京都23区、埼玉県川口市、神奈川県横浜市、大阪府大阪市 等
1級地-2 北海道札幌市、宮城県仙台市、神奈川県平塚市、兵庫県姫路市 等
2級地-1 茨城県水戸市、群馬県前橋市、静岡県静岡市、沖縄県那覇市 等
2級地-2 新潟県長岡市、石川県小松市、三重県桑名市、広島県尾道市 等
3級地-1 北海道石狩市、福島県会津若松市、千葉県銚子市、愛知県犬山市 等
3級地-2 上記等級のいずれにも該当しない地域

一般的に県庁所在地・大型都市は等級が高くなる傾向があります。

ご自分の地域の等級を知りたい場合は、厚生労働省が発表している級地区分を確認してください。

生活扶助基準(第1類+第2類)①の出し方

生活扶助の基準は0~75歳以上に細かく分類されており、0歳時も対象です。

まずは、生活扶助の計算式に必要な「生活保護基準(第1類+第2類)①」の出し方を解説します。

生活扶助基準(第1類)基準額1

年齢 1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
0-2歳 21,820 20,830 19,850 18,860 17,890 16,910
3~5歳 27,490 26,260 25,030 23,780 22,560 21,310
6~11歳 35,550 33,950 32,350 30,750 29,160 27,550
12~17歳 43,910 41,940 39,960 37,990 36,010 34,030
18~19歳 43,910 41,940 39,960 37,990 36,010 34,030
20~40歳 42,020 40,140 38,240 36,350 34,460 32,570
41~59歳 39,840 38,050 36,250 34,470 32,680 30,880
60~64歳 37,670 35,980 34,280 32,590 30,890 29,200
65~69歳 37,670 35,980 34,280 32,590 30,890 29,200
70~74歳 33,750 32,470 30,710 29,530 27,680 26,620
75歳~ 33,750 32,470 30,710 29,530 27,680 26,620

世帯人数に応じて逓減率をかける

上記の基準額に、以下の「逓減率」を掛けます。

人数 1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
1人 1% 1% 1% 1% 1% 1%
2人 1% 1% 1% 1% 1% 1%
3人 1% 1% 1% 1% 1% 1%
4人 0.95% 0.95% 0.95% 0.95% 0.95% 0.95%
5人 0.9% 0.9% 0.9% 0.9% 0.9% 0.9%

生活扶助基準(第2類)基準額1

「生活扶助基準(第1類)基準額1」に「逓減率」を掛け、「生活扶助基準(第2類)基準額1」を足したものが、生活保護基準(第1類+第2類)①となります。

年齢 1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
1人 45,320 43,280 41,240 39,210 37,160 35,130
2人 50,160 47,910 45,640 43,390 41,130 38,870
3人 55,610 53,110 50,600 48,110 45,600 43,100
4人 57,560 54,970 52,390 49,780 47,200 44,610
5人 58,010 55,430 52,800 50,210 47,570 44,990

生活扶助基準(第1類+第2類)②の出し方

生活保護基準(第1類+第2類)①と同じように計算し、生活保護基準(第1類+第2類)②を算出しましょう。

年齢 1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
0-2歳 44,630 43,330 41,190 41,190 38,340 36,940
3~5歳 44,630 43,330 41,190 41,190 38,340 36,940
6~11歳 45,640 44,320 42,140 42,140 39,220 37,780
12~17歳 47,750 46,350 44,070 44,070 41,030 39,520
18~19歳 47,420 46,030 43,770 43,770 40,740 39,520
20~40歳 47,420 46,030 43,770 43,770 40,740 39,520
41~59歳 47,420 46,030 43,770 43,770 40,740 39,520
60~64歳 47,420 46,030 43,770 43,770 40,740 39,520
65~69歳 45,330 44,000 41,840 41,840 38,950 37,510
70~74歳 45,330 44,000 41,840 41,840 38,950 37,510
75歳~ 40,920 39,730 37,780 37,780 35,160 33,870

世帯人数に応じて逓減率をかける

人数 1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
1人 1% 1% 1% 1% 1% 1%
2人 0.8548% 0.8548% 0.8548% 0.8548% 0.8548% 0.8548%
3人 0.7151% 0.7151% 0.7151% 0.7151% 0.7151% 0.7151%
4人 0.601% 0.601% 0.601% 0.601% 0.601% 0.601%
5人 0.5683% 0.5683% 0.5683% 0.5683% 0.5683% 0.5683%

生活扶助基準(第2類)基準額2

年齢 1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
1人 28,890 27,690 27,690 27,690 27,690 27,690
2人 42,420 40,660 40,660 40,660 40,660 40,660
3人 47,060 45,100 45,110 45,110 45,110 45,110
4人 49,080 47,040 47,040 47,040 47,040 47,040
5人 49,110 47,070 47,070 47,070 47,070 47,070

生活扶助の合算

地域、年齢、世帯人数をもとに基準となる金額が出たら、基準額を下の計算式に当てはめます。

(「生活扶助基準(第1類+第2類)①×0.855」又は「生活扶助基準(第1類+第2類)②」のいずれか高い方+生活扶助本体における経過的加算

生活扶助本体における経過的加算とは、平成30年10月の見直しに伴って加算される金額のことです。地域や年齢、世帯人数に応じて加算されます。

障がい者・母子家庭は更に加算される

障がい者・母子家庭等に該当する場合、以下の通り生活扶助の金額に加算されます。

【障がい者】

条件 1級地 2級地 3級地
障害1・2級に該当 26,810 24,940 23,060
3級に該当 17,870 16,620 15,380

【母子家庭】

条件 1級地 2級地 3級地
児童1人 18,800 17,400 16,100
児童2人 23,600 21,800 20,200
3人以上の場合1人あたり加算額 2,900 2,700 2,500

他の扶助と合算する

以上が、生活保護の根幹になる部分です。

計算された生活扶助に加えて、必用に応じて「住宅扶助」「教育扶助」「医療扶助」「介護扶助」「出産扶助」を合算して最低生活費を算出します。

中でも「住宅扶助」の金額は生活保護の受給金額に大きな影響をもたらします。東京都に住む単身世帯の場合、基準額の範囲内で実費相当が以下の通り支給されます。

1級地 2級地 3級地
実際に支払っている家賃・地代 53,700 45,000 40,900

住まいの地域の住宅扶助がいくらになるかについては、必ず福祉事務所に確認を取りましょう。

実際の計算は福祉事務所で

インターネットでは、複雑な計算を飛ばして「情報を入力するだけで生活保護の概算が計算できる」といった便利なツールが多数見つかります。

ただし、基準額は常に更新されているためツールが古いと正確に情報が出ません。

あくまで概算として参考にするまでに留め、実際の計算は福祉事務所の職員にしっかりと出してもらいましょう。

生活保護の金額・支給額はいくら?計算式から解説 まとめ

今回は、生活保護における受給金額の計算式を解説しました。

計算式や基準額は厚生労働省によって改訂が行われる可能性があります。計算には、常に最新の情報を入手することが欠かせません。

自分での計算はあくまで概算とし、正確な計算は福祉事務所の職員にお願いする方が確実です。

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