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学費が払えない時はどうしたらいい?融資・救済制度を紹介

 2020/12/08 お金のトラブル   351 Views

人生の3大出費という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

良く言われるのは「住宅を建てる費用」「老後の費用」そして「子供の教育に関する費用」です。

公立か私立かによっても変わりますが、全て私立を選択するとなると2,000万円以上のお金が必要になることも考えられます。
お金がないことを理由に進学をあきらめるのは、決して珍しいことではありません。

そこで今回は、学費が払えない時の対策・対処方法について解説します。

高校までの費用はこれだけかかる

幼稚園から高校まで、「公立」を選択するか「私立」を選択するかで必要な費用が全く違います。

以下のパターンでいくらの学費が必要になるのかを見てみましょう。

  • 高校まで全て公立:約544万円
  • 中学までは公立、高校は私立:約697万円
  • 高校まで全て私立:約1,830万円
全て公立を選んだ場合と全て私立を選んだ場合では、3倍以上の差になってしまいます。
これに加えて学校のクラブ活動や学校外での習い事の費用もかかります。

全て私立を選んだ場合は2,000万円を超える費用がかかるとみていいでしょう。

参考:文部科学省|平成30年度子供の学習費調査の結果について

高校卒業後の進学先の費用は高額!

大学進学後に1年でかかるお金は、高校までよりも更に高くなります。

特に入学時は1年間の学費と入学費用の両方を払うため、親にとっても教育費負担のピークを迎えるのが一般的です。

入学費用と1年ごとの学費をそれぞれ見てみましょう。

入学費用

進学先 入学費用
私立短大 66.9万円
国公立大学 71.4万円
私立大学文系 86.6万円
私立大学理系 84.5万円

これだけ入学費用が高額になる理由は、入学する大学への学校納付金や受験費用のほか「入学しなかった学校への納付金」がかかるためです。

入学費用全体でもっとも安い国公立大学では、入学しなかった学校への納付金が44.6万円と約半分を占めて最も多くなります。

これは国公立に入る以上、入らない学校=私立になるためです。

1年間の在学費用

進学先 1年間の在学費用
私立短大 147.8万円
国公立大学 107万円
私立大学文系 157.6万円
私立大学理系 184.3万円

私立大学の1年間の在学費用は理系で184.3万円、文系で157.6万円と高額です。

理系で国公立大学の約1.7倍、文系でも約1.5倍の学費が必要になります。

参考:日本政策金融公庫|令和元年度「教育費負担の実態調査結果」

大学の学費を払えない場合はどうなる?

大学は義務教育ではありません。

「学費を払って自分の意思で学ぶところ」です。

その学費が支払えないとなると、どのような事態が考えられるのでしょうか。

あくまで一般的なケースですが、学費を払えなくなった際のフローを解説します。

  • 督促状が届く
  • 除籍処分が決定される
  • 就職の内定取り消しの対象になる
大学の学費を滞納した場合、カードローンなどの借金を滞納したときと同様に督促状が届けられます。

督促状が届いても支払わない場合は「除籍処分」となり、大学に通うことができなくなるのです。

就職先の内定を得ていても大学の卒業が要件となっているため、当然に取り消されてしまいます。

処分の内容や「いつまで支払えない場合に除籍になるのか」は大学によっても異なります。
しかし、いずれにしても将来に悪影響を与えるため、何としても学費は支払いたいところです。

学費を払えない場合、まずは大学に相談するのが鉄則です。
学費の分割払いなどの対応策を検討してくれる可能性もあります。成績優秀などの一定条件を満たせば、大学独自の奨学金を受けられることもあります。

大学に奨学金制度がなかったとしても、日本学生支援機構を始めとした公的な奨学金を利用して学費を払うことも可能です。

学費が免除になるケースも

大学の制度次第ですが、授業料免除になるケースもあります。
成績優秀であり、経済的な理由で学費の支払いが困難な場合に適用されます。

ただし、特別な理由なく留年しているようなケースではどれだけ一時的な成績が優秀かつ経済的に困窮していても、授業料の免除は受けられません。

奨学金制度を使えば融資を受けられる

日本学生支援機構(JASSO)

もっとも利用者が多い奨学金制度で、特に指定なく「奨学金」という場合はこのJASSOの奨学金を指すことが一般的です。

無利子で借りられる第一種と、有利子で借りられる第二種に分かれています。

さらに第一種・第二種の利用者が追加で申し込める「入学時特別増額付与奨学金」もあります。

注意点としては、入学時特別増額に関して入学金の支払いには使用できない点です。

入学時特別増額は入学後に第一種・第二種と同時に振り込まれます。
一方、入学金は一般的に入学前(合格発表後1~2週間後)に振り込む必要があるため、入学時特別増額では間に合わないのです。

入学金以外にも教材の費用など初期費用は大きくなります。その支払いに利用することになるでしょう。

そのほか、後ほど紹介する給付型の奨学金も学費を払えない学生の強い味方になります。

大学の奨学金

大学単位で独自の奨学金を提供している場合もあります。
対象は大学に合格した学生や在学生で、金利や融資金額などは奨学金ごとに異なります。

条件としては、「学生の成績」が優秀であることが大前提です。

新入生は入学試験時の成績、2年生以降は前年度までに取得した単位とその成績を評価され、さらに家庭の経済状況などを考慮して決められます。

自治体の奨学金

都道府県や市町村などが実施している奨学金です。

子どもが親元を離れて遠隔地の学校に通っていても、保護者の居住地から支援を受けられる場合があります。

ただし、全ての地方公共団体で提供しているわけではありません。居住している地方公共団体が奨学金を扱っているのかは確認が必要です。

民間団体の奨学金

企業や非営利団体の「育英会」などで独自に提供している奨学金もあります。非営利団体としては「あしなが育英会」が有名です。

高校、大学、専門学校などに通う経済的に苦しい遺児などを対象としており、奨学金は無利子で貸与されます。

進学先によって融資金額は異なり、大学短大は月4万円~5万円の融資を受けられるのが一般的です。

また、YKKグループの「吉田育英会」やヤンマー株式会社の「山岡育英会」のように、企業が独自で奨学金を扱っている例もあります。

企業系育英会は返済不要の給付型が多く、育英会ごとに支給条件は異なります。大学や学部が指定されているパターンもあるため、条件の確認は必須です。

授業料減免・給付型奨学金を借りられるか確認しよう

新型コロナウイルス感染症の影響で、学費の支払いができない・困難な家庭に支援が用意されています。

その1つである「授業料減免・給付型奨学金」は、2020年4月に始まりました。

「高等教育の就学支援制度」で内容が大幅に変更になった制度です。
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金で、もともとあった給付型奨学金に新制度が設けられています。

もともとは2018年に返済不要の給付型奨学金がスタートしており、以下のような家庭を対象に貸与をしています。

  • 生活保護世帯
  • 住民税非課税世帯
  • 社会的養護を必要とする人
  • 優秀な成績を納めていること
貸与型奨学金との併用も可能で、経済的な理由で進学をあきらめていた学生の後押しになっています。
ただし、当然貸与型よりも審査が厳しいため、利用できる人数が限られていました。

新制度では、給付型奨学金と授業料減免のセットになって利用対象が拡充しているのが特徴です。2019年に制定された「大学無償化法」をきっかけに、給付型奨学金制度が拡充されています。

一定の条件を満たした学校に対して申込対象者の世帯収入・成績基準を引き下げ、給付型奨学金の増額、授業料、入学金の免除や減額を実施しています。

住民税非課税の世帯および、これに準じる世帯が対象です。
保護者の収入や学業などの条件に応じて入学金と授業料が減免されるほか、あわせて給付型奨学金の支給もあります。

申込は原則で年2回ですが、新型コロナウイルスの関係で収入が激減している等のケースでは特例として随時申し込みが可能です。

奨学金以外の支援制度

大学独自の救済制度も確認

新型コロナウイルスの蔓延などを受けて、独自の支援策を実施する大学も増えてきています。

大学から学生に一律の支援金を給付したり、大学独自の奨学金を提供したりする大学もあります。

新型コロナ等で一時的に資金が必要なら「緊急小口資金」

新型コロナウイルスの影響で休業し、著しく収入が低下して一時的な資金を必要とする世帯を対象とした制度です。

通常は10万円ですが、休業者向けの緊急小口資金は特例で上限額が20万円に設定されます。

無利子・保証人不要で借り入れが可能です。
ただし、所定の審査を通過する必要があり、誰でも無条件で借りられるわけではありません。

詳しくは市区町村の福祉協議会に問い合わせてみて下さい。

新型コロナで学費を払えない生徒を救う「学生支援緊急給付金」

学生支援緊急給付金は、新型コロナウイルスの影響を受けた学生を救済するための制度です。

政府は給付型奨学金を拡充していますが、それでも不十分として次なる支援策を発表しました。
それが学生支援緊急給付金です。

新型コロナウイルスで収入が大幅に減少している学生に対し、最大で20万円(住民税非課税の世帯は20万円、それ以外は10万円)を給付します。

対象となる学生の要件は細かく決められているため、詳細は文部科学省の公式webサイトを確認してみましょう。

>>文部科学省|「学びの継続」のための『学生支援緊急給付金』 ~ 学びの継続給付金 ~

お金を借りる手段として有効な「教育ローン」

国の教育ローン

「教育一般貸付」と呼ばれる国の教育ローンで、日本政策金融公庫が行っている貸付けサービスです。

融資金額は子ども1人につき350万円以内で、金利は固定で年1.68%(2020年12月現在)になっています。

JASSOが提供する第二種の奨学金より低金利であり、学費や入学費用だけでなく以下のような用途に使えるのが特徴です。

  • 受験費用
  • 在学のための住居費
  • 教材代
  • 授業用のパソコンの購入費用
借入するのが学生でなく、保護者であることも特徴です。
卒業後に返済するのは同じですが、子どもが奨学金の返済を強いられないことで社会人生活をスムーズにスタートさせることができます。

民間の教育ローン

国だけでなく、金融機関でも民間の教育ローンの利用が可能です。

銀行のほか、ろうきんや信用金庫、農協などの各金融機関で「教育ローン」という名称の目的別ローンを提供しています。

教育に関することにしかお金を使えないため、本人確認書類や年収の確認書類に加えて「資金使途確認書類」の提出が必要です。

金利のタイプや担保の有無を選択できるなど、希望に応じて柔軟に商品選択できるのが国の教育ローンにはないメリットといえます。

父母・祖父母から教育資金を受け取る際の注意点

父母や祖父母から教育資金をもらえる場合に活用したいのが「教育資金贈与非課税制度」です。

30歳未満の人(受贈者)が教育資金のために直系尊属から贈与を受けた場合に、子ども1人あたり1,500万円までが非課税になります。

通常は基礎控除110万円を超える分について一定割合の贈与税が発生しますが、非課税になれば贈与税を支払う必要がありません。

まずは贈与者と受贈者の間で書面による贈与契約が必要です。そして、銀行で教育資金口座を開設した上で、「教育資金非課税報告書」を作成し、金融機関を通して税務署に提出することで非課税になります。

ただし、期間限定の制度であることは注意点です。

平成25年4月1日から令和3年3月31日まで(令和2年現在)の制度のため、早急に贈与の検討が必要になるでしょう。

ただし、これまでも「平成31年3月31日まで」だった期限が延長されている経緯があります。

令和3年の3月31日までに贈与を受けた金額を使えない場合でも、今後の期限延長に関して注目しておきましょう。

学費が払えない時はどうしたらいい?融資・救済制度を紹介 まとめ

今回は、学費が払えない時の対策・対処方法について解説しました。

基本は奨学金でまかなうことができますが、大学を卒業して社会人となった子どもに借金を背負わせることになります。少額なら「緊急小口資金」、親が借りて返済できるなら「国の教育ローン」と、他の方法でお金を得ることも検討しましょう。

もし尊属(学生の父母・祖父母)から学費が贈与される場合は贈与税がかからないよう、金融機関を通じて「教育資金非課税申告書」を提出してください。

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ライター紹介

森本 陽子

森本 陽子

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(個人資産相談業務)AFP認定者。自身の経験や知識を活かし、複雑なお金の仕組みや知識をわかりやすく解説しておりツイッターでの有益な呟きにも注目。FP森本陽子の詳細プロフィール

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