三井住友銀行カードローンの返済額と効率的な返済方法
銀行のカードローンならではの低金利と高限度額で知られる三井住友銀行カードローンは、大手銀行が提供するカードローンとして安心感があります。
毎月の最低返済金額が見直されて利用しやすくなりましたが、以前より利息が膨らみやすくなったという指摘もあり、利用では返済計画をしっかり立てておきましょう。
このページの概要
三井住友銀行カードローンの返済額の決め方
返済金額は借入後残高によって決まる
カードローンの返済方式は、毎月決まった額を返済しますが、これを「約定返済」と言います。
多くは契約時に登録した銀行口座の引き落としによる返済になります。
約定(やくじょう)は、カードローンでは「約束して決めたこと」という意味合いがあります。
約定返済とは「約束通りに毎月返済すること」です。
約定返済で返済する金額を決める方法として「元利定額式」や「残高スライド方式」などがありますが、多くの銀行のカードローンと同様に、三井住友銀行カードローンでは「残高スライド元利定額返済方式」となっています。
元利は「元金と利息」という意味で、毎月の決まった返済額のなかに元金と利息を含むということを指します。
残高スライドは、借入残高によって最低金額が決められているリボ払いのことです。
借入残高が多くなると、最低返済額は上がり、借入残高が少なくなると最低返済額が下がります。
リボ払いは毎月一定額を支払っていく方法ですが、ネットでは「怖い返済方法」などと言われることもあります。
それは返済期間が延びただけ利息が増えていくからです。
逆に考えると、短い期間で返済を済ませてしまえば少ない利息で完済できるローンとも言えます。
2017年に改定された最低返済額
三井住友銀行カードローンは長らく、最低返済額の決め方が比較的おおざっぱで、ある意味分かりやすかったのですが、2016年に改定されています。
改定では借入残高に合わせて細かく最低返済額が決定されることになりました。
ここまで細かい設定になっているカードローンは三井住友銀行くらいでしょう。
・借入残高と約定返済金額
借入残高 | 約定返済金額(2017年より) | 約定返済金額(改定前) |
---|---|---|
10万円以下 | 2000円 | 1万円 |
10万円超~20万円 | 4000円 | |
20万円超~30万円 | 6000円 | |
30万円超~40万円 | 8000円 | |
40万円超~50万円 | 1万円 | |
50万円超~60万円 | 1万1000円 | 1万5000円 |
60万円超~70万円 | 1万2000円 | |
70万円超~80万円 | 1万3000円 | |
80万円超~90万円 | 1万4000円 | |
90万円超~100万円 | 1万5000円 | |
100万円超~110万円 | 1万6000円 | 2万円 |
110万円超~120万円 | 1万7000円 | |
120万円超~130万円 | 1万8000円 | |
130万円超~140万円 | 1万9000円 | |
140万円超~150万円 | 2万円 | |
150万円超~160万円 | 2万1000円 | 2万5000円 |
160万円超~170万円 | 2万2000円 | |
170万円超~180万円 | 2万3000円 | |
180万円超~190万円 | 2万4000円 | |
190万円超~200万円 | 2万5000円 | |
200万円超~250万円 | 10万円ごとに+1000円 (~3万円) |
3万円 |
250万円超~300万円 | 10万円ごとに+1000円 (~3万5000円 |
3万5000円 |
300万円超~350万円 | 4万円 | |
350万円超~400万円 | 4万5000円 | |
400万円超~450万円 | 5万円 | |
450万円超~500万円 | 5万5000円 | |
500万円超~800万円 | 6万円(100万円ごとに+5000円) |
従来とあまり返済額は変わっていないように見えますが、ほとんどの場合で1000円から8000円程度、毎月の返済額が少なくなっています。
利息が増えがちになった?
2017年の改定によって、返済の負担は軽減されています。
多くの利用者は借入額は50万円以内と言われていますが、以前なら毎月1万円返済しなければならなかったところ、借入残高が40万~50万円でない限り、1万円以下の返済で済みます。
より利用しやすくなったとも言えますが、逆に考えると毎月の返済額が少ないので、それだけ利息が増えやすくなるというデメリットがあります。
毎月の利息は以下の式で計算されます。
・借入残高×金利÷365×借入日数=利息
返済額が少ないということは、元金に充当されていく金額も少ないということです。
元金の減り方が遅いため、完済までにかかる期間は長くなります。
借入日数が増えるほど、最終的に支払う利息は大きくなります。
一見すると負担が小さくなったように感じますが、長期的に見ると大きな損をしてしまう可能性があります。
三井住友銀行カードローンを効率良く返済するには
返済シミュレーション
1.借入額10万円
返済金額によって最終的な返済額にどの程度の違いが出てくるのか、具体的な数字で見てみることにしましょう。
たとえば、借入額が10万円で金利が年率14.5%を適用されていることを想定してみます。
最低返済額だけを返済した場合と、それ以上の額を返済した場合とで比較すると以下のようになります。
・10万円を借りた場合の返済シミュレーション
毎月の返済額 | 返済期間 | 返済総額 |
2000円 | 78回(6年6ヶ月) | 15万4259円 |
1万円 | 11回(11ヶ月) | 10万7227円 |
2万6000円 | 4回(4ヶ月) | 10万3019円 |
返済の負担を大きくして返済期間が短くするごとに、返済総額は少なくなります。
2.借入額50万円
借入額が大きくなると、最終的な返済総額の違いも大きくなります。
借入額を50万円として、金利を年率14.5%として返済をシミュレーションしてみると以下のようになります。
毎月の返済額 | 返済期間 | 返済総額 |
2000円~1万円の最低返済額 | 206回(17年2ヶ月) | 98万1010円 |
1万円 | 78回(6年6ヶ月) | 77万1542円 |
3万円 | 19回(1年7ヶ月) | 56万1719円 |
毎月の返済額を最低返済額だけ返済する場合と、3万円ずつ返済する場合とで40万円近くの差額が出ます。この差額は借入額が増えるほど大きくなります。
随時返済して返済期間を短くすると
さらに、毎月の返済額を増やすごとに返済期間と利息負担が減ることを返済シミュレーションで確認してみましょう。
30万円を年率14.5%で借入した場合に、最低返済額だけで返済した場合と、1万円を毎月返済した場合、またさらに1万円ずつ増やしてみた場合をシミュレーションすると以下のようになります。
・最低返済額のみを返済した場合と返済額を増やした場合の比較
毎月の返済額 | 完済までの総利息 | 返済期間 |
---|---|---|
最低返済額 | 16万2898円 | 78回(6年6ヶ月) |
1万円 | 14万8117円 | 74回(6年2ヶ月) |
2万円 | 13万4499円 | 70回(5年10ヶ月) |
3万円 | 12万1954円 | 66回(5年5ヶ月) |
4万円 | 11万382円 | 62回(5年2ヶ月) |
5万円 | 9万9699円 | 59回(4年11ヶ月) |
このように、返済額を増やしたり、最低返済額にいくらかプラスして返済したりすることを「随時返済」と呼びます。
随時返済の金額が多ければ多いほど、返済期間は短縮されるため、最終的な返済額も抑えることが可能です。
随時返済では提携ATMがおすすめ
三井住友銀行カードローンでは、提携ATMか銀行振込、インターネットバンキングなどからの入金によって随時返済することができます。
消費者金融業者では提携ATMでは手数料がかかりますが、三井住友銀行カードローンでは多くの提携ATMで手数料が無料です。
【手数料が無料の提携ATM】
・セブン銀行
・イーネット(ファミリーマート、ミニストップなど)
・ゆうちょ銀行
その他、三菱UFJ銀行や地方銀行のATMも無料で利用できます。
ローンカードと現金を持っていけば、いつでも好きなときに提携ATMで随時返済することができます。
銀行振込の場合、店舗の営業時間内でなければ三井住友銀行カードローンに返済できません。
また、インターネットバンキングから随時返済するには、口座の開設やSMBCダイレクトへの登録の手続きも必要になります。
時間の制限がなく、口座開設の手間も不要という点から考えても、随時返済では提携ATMの利用がおすすめです。
増額して金利を下げる
三井住友銀行カードローンを効率よく返済するには、利息の計算の元となる「金利」そのものを引き下げることも非常に高い効果が得られます。
それには、利用限度額の増額が必要となります。
・三井住友銀行カードローンの利用限度額に応じた金利
利用限度額 | 適用金利(年率) |
---|---|
100万円以下 | 12.0%~14.5% |
100万円超~200万円以下 | 10.0%~12.0% |
200万円超~300万円以下 | 8.0%~10.0% |
300万円超~400万円以下 | 7.0%~8.0% |
400万円超~500万円以下 | 6.0%~7.0% |
500万円超~600万円以下 | 5.0%~6.0% |
600万円超~700万円以下 | 4.5%~5.0% |
700万円超~800万円以下 | 4.0%~4.5% |
利用限度額は「実際に借りている金額」ではなく、三井住友銀行とユーザーの間で取り交わされる契約における最高融資額のことです。
三井住友銀行カードローンでは「ご契約極度額」と読んでいます。
この契約極度額が高ければ高いほど、適用される金利は低くなります。
そのため、利用限度額を増額できれば有利にカードローンを利用できます。
ただし、三井住友銀行では利用限度額を増額するには最低でも6ヶ月の利用実績が必要で、契約してすぐには増額できません。
増額して金利を下げた場合のシミュレーション
利用限度額を増額できれば金利が引き下げられます。
金利が低くなるので、支払い利息の額も減るため返済負担が軽くなります。
たとえば、30万円を1年間で完済することを考えた場合、利息額をシミュレーションすると以下のようになります。
・利用限度額と適用金利、利息の総額の比較
利用限度額 | 金利(年率) | 利息総額 |
100万円以下 | 14.5% | 2万4076円 |
100万円 | 12.0% | 1万9850円 |
200万円 | 10.0% | 1万6495円 |
300万円 | 8.0% | 1万3152円 |
三井住友銀行カードローンで返済に遅れると余計な出費がかかる
返済に遅れると遅延損害金がかかる
三井住友銀行カードローンの約定返済日(毎月指定の返済期日)は、契約時に「5日」「15日」「25日」「末日」から選択できます。
通常は、給料日の2日ないし3日程度後に設定して期日に遅れることのないようにしているでしょう。
ただ、返済が遅れてしまったら返済額にプラスして「遅延損害金」という余計な出費がかかるので注意しましょう。
三井住友銀行の遅延損害金の利率は「年率19.94%」で、通常の金利に比較して大きくなります。
返済日に1日でも遅れると、その日から「年率4.0%~14.5%」の金利が19.94%に一律で固定されます。
返済が遅れていない場合には、通常の利息がかかり、返済が遅れ始めてからは遅延損害金が必要になります。
利息と遅延損害金が同時に発生することはありません。
もし30万円を三井住友銀行カードローンで30日間滞納すると、遅延損害金が4916円です。
14.5%の金利では30日間で3575円ですので、かなりの出費と言えるでしょう。
三井住友銀行だけでなく、カードローン一般に言えることですが、遅延損害金は本来は支払う必要のないお金ですので、支払わずに済むよう計画的に借入・返済するように心がけましょう。
3ヶ月以上の滞納となると、個人信用情報にも傷が付きます。
返済方法は3種類
三井住友銀行カードローンの返済方法は「ATM」「銀行振込」「口座引き落とし」の3種類です。
ただし、銀行振込と口座引き落としを選択できるのは、三井住友銀行の口座を持っている場合のみに限ります。
・三井住友銀行カードローンの返済方法と手数料
返済方法 | 手数料 |
---|---|
ATM | 三井住友銀行ATMと提携コンビニATMは手数料が無料 |
銀行振込 | 振込には振込手数料が必要・各銀行によって異なる |
口座引き落とし | 無料 |
インターネットバンキング「SMBCダイレクト」を利用すると、より便利に使えます。
カードローンを申し込むのと同時に口座も開設しておくと良いでしょう。
ATM利用での注意点
三井住友銀行のカードローンの返済では、数多くのATMが利用できます。それぞれに営業時間が異なっているので注意しましょう。
・利用できるATM
金融機関 | 設置台数 | 営業時間 |
---|---|---|
三井住友銀行ATM | 本支店約6700台 | 午前9時~午前0時 |
提携コンビニATM | 5万台以上 | 設置場所による |
ゆうちょATM | 約2万6000台 | 平日午前8時~午後9時
土日午前9時~午後7時 |
提携ATMが設置されているコンビニでは返済だけでなく借入もできます。
全国に設置されているため、最も使いやすいと言えるでしょう。
駅などにゆうちょATMが設置されており、こちらも利用可能ですが、三井住友銀行の普通預金キャッシュカードとキャッシングカードが一体化している兼用カードを使って返済することはできないので注意しましょう。
また「イオン銀行」「みずほ銀行」などの提携金融機関のATMでは借入と残高照会は可能ですが、返済には対応していません。
ATMを使って返済するには、三井住友銀行ATMまたはコンビニATMを利用しましょう。
3つの返済手順
1.ATM
利用するところによって若干の違いはありますが、大まかな流れは変わりません。
2.三井住友銀行のカードを挿入する。
3.「ご入金(返済)」ボタンをタッチする。
4.暗証番号を入力する。
5.返済額を入力する。
6.「確認」をタッチする。
7.返済する。
2.ネットバンキング
三井住友銀行カードローンは、三井住友銀行のネットバンキングである「SMBCダイレクト」にしか対応していません。
返済手順はいたって簡単です。
2.返済額とワンタイムパスワードを入力する。
3.「確認」を選択する。
非常に簡単に返済できるので、カードローンの申し込みと同時に口座を開設しておくことをおすすめします。
3.口座振替
口座振替は、ATMや銀行振込といった法科の方法での返済が実行されなかったときだけ、毎月の最低返済額の自動引き落としがかかります。
延滞扱いにはなりません。
他の銀行カードローンでは口座振替での約定返済を義務としているところも多くありますが、三井住友銀行の場合にはATMやネットバンキングでの返済をしていれば、口座振替の必要はありません。
ただし、返済忘れは良く発生するので「忘れたときの保険」として登録しておくと良いでしょう。
返済に遅れないために
1.口座振替で返済する
カードローンでは返済を忘れたり、返済期日に間に合わなかったりした場合には、遅延損害金が発生します。
三井住友銀行のカードローンも、1日遅れただけで必ず遅延損害金の利率が適用されるため、返済期日の管理は自分でしっかりと行う必要があります。
とはいっても、ついうっかり忘れてしまうことは誰にでも起こる可能性があります。
そのため、口座振替を登録しておき、必ず最低返済額以上の預金を口座に残しておくようにすると、返済遅れを予防できます。
返済方法を口座振替に変更する手続きは店舗窓口でいつでも可能です。
2.三井住友銀行の口座を持っていなければ開設する
三井住友銀行の普通預金口座を持っていない場合には、ネットバンキングによる返済もできませんし、口座振替もできません。
そのため、三井住友銀行カードローンを利用するには、口座も開設しておいたほうが良いでしょう。
店舗窓口なら、口座開設と同時に返済方法の変更手続きも可能です。
必要書類は運転免許証やマイナンバーカード、パスポートなどの本人確認書類です。また、印鑑も必要になるので必ず持参しましょう。
三井住友銀行カードローンの返済額と効率的な返済方法 まとめ
三井住友銀行カードローンは、最低返済額が低めに抑えてありますが、その代わり返済期間が延びる傾向があります。
なるべく随時返済を行って、総支払額を抑えるようにしましょう。