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住民税が払えない時はどうする?督促の流れと対処法を紹介

 2020/12/11 お金に関する豆知識   131 Views

所得税や固定資産税、消費税など、生活と税金は切っても切れない関係にあります。

そして、前年の収入に応じて課される住民税も忘れてはいけません。
人によっては今の収入に合わないほど高額になり、「このままでは支払えない‥‥」と悩んでしまうこともあるでしょう。

今回は、住民税を支払えない場合の対処方法について解説します。
新型コロナウイルスの影響で新設された制度についても併せてみていきましょう。

住民税とは

まずは住民税とは何なのか、基礎の部分から再確認してみましょう。

住民税とは、都道府県や市区町村が行う行政サービスを維持するために、必要な経費を分担して支払う税金のことです。

道府県民税・都民税と市町村民税の2つを合わせたもので、その年の現在の居住地に納税します。

住民税は収入によって金額が異なるほか、同じ収入であっても住んでいる地域ごとに微妙に変わります。

(参考:地方税法

住民税の金額

住民税は所得割と均等割のふたつに分かれており、所得によって金額が変わるのは「所得割」のほうです。

所得割は市区町村民税が6%に道府県民税・都民税が4%加わり、合計で10%が課されます。

住民税の課税所得金額の10%が所得割になるということです。

均等割は自治体によって金額が異なりますが、一般的には標準税率の3,500円に道府県民税・都民税の合計で5,000円~5,500円程度です。

住民税を免除する制度はない

大前提として、住民税は原則として免除や減免をする制度が存在しません。

仕事の有無にかかわらず、昨年度の収入によって計算されます。
年が変わってから自己都合退職などが原因で無職になったとしても、全額を支払う義務があります。

退職した経験がある人の中には、翌年の住民税の支払いに苦慮した人も多いのではないでしょうか。

住民税を支払わなくて良いのは「災害や事故に巻き込まれた」「生活保護を受給している」といった限られた状況だけです。
同じ退職でも自己都合退職では減免の制度はありません。

リストラなどによる会社都合であれば、免除や減免が適用されます。

住民税を払えない時はどうする?

新型コロナウイルスの影響で支払えない場合

新型コロナウイルスが猛威を振るっている2020年、個人住民税と法人住民税の両方に徴収猶予の特例が作られました。

徴収猶予の特例とは、対象となっている住民税の納付を最大で1年間は猶予してもらえる制度です。

もともと、支払いが困難と認められた場合に納税の猶予される制度はありますが、従来の猶予は担保の提供、延滞金の支払いといった別の義務が発生していました。

新型コロナによる特例では「一時的に納付が困難な状況」であり、かつ「新型コロナウイルスの影響で収入が大きく減少したこと」が条件です。その代わり担保も延滞金も不要で猶予することが可能になります。

従来よりもデメリットを気にせずに住民税を猶予できるでしょう。

会社員は対象外

住民税の徴収猶予の対象は、個人事業主やフリーランスなどの個人や法人です。パートやアルバイト等も対象に含まれます。

一方、会社員は特例の対象外です。
その代わり、新型コロナウイルスに罹患して会社を休む場合は、傷病手当金等の別の制度で保障を受けることができます。

分割納付できないかを相談する

住民税は年4回の納付です。
1回の納付金額が数万円以上になるため、払いきれない人もいるかもしれません。

そんな時は「分割」ができないか相談してみましょう。
住民税を分割して支払うことができれば1回あたりの返済負担が軽減でき、計画的に支払える可能性があります。

分割回数が何回になるかは分かりませんが、場合によっては1年以上の期間に分けて支払うことも可能です。

ただし、滞納した住民税を分割納付する場合は、延滞税がかかる点には注意が必要です。
分割であっても期限までに納付できなければ滞納していることには変わりないため、滞納した日数の延滞税は必要になります。

また、分割納付に関しては必ず利用できるわけではありません。
分割納付ができるかどうかは市町村の担当者の判断です。まずは、市区町村に問い合わせて分割納付の相談をするところから始めましょう。

身の回りのものを売却してお金を集める

分割納付が難しいようであれば、何とかして期限までに所定の住民税を支払うことに舵を切るべきです。

例えば身の回りのものを処分するという対策が考えられます。

漫画やブランドもののバッグなど、身の回りを探せば売却するものはいくらでも見つかります。

最近では「メルカリ」「ラクマ」といったフリマアプリが登場しており、スマホ1台あれば売却・発送も簡単です。

街中の中古本買取店に持ち込むよりも高い価格で売却できる可能性があります。
ただし値引き交渉などの手間が発生するため、即日で現金化できるわけではありません。ある程度時間に余裕がないとできないでしょう。

債務整理(任意整理・民事再生・自己破産)を利用する

弁護士などの法律専門家に、債務整理の相談をすることもひとつの方法です。

住民税そのものを減免することができなくても、ほかに借金があればそちらを債務整理することで返済額を減らすことはできます。
減った分を住民税の支払いに充てることが可能です。

生活保護を受ける

借金を減らしても住民税を払えない場合、最後の手段として「生活保護を受ける」ことも検討しなければいけません。

生活保護は住民税をはじめとした納税が執行停止になるため、受給期間中は支払い請求が届きません。
生活保護を受けることができれば今後の住民税だけでなく、現在滞納している分も消滅することになります。

ただし、生活保護はクルマや不動産などの資産は売却する等の制約もあるため、申し込む前に条件をよく確認しましょう。

住民税を払えない場合の流れ

もし住民税を払えないまま何の対策をしないままでいると、何が起こるのでしょうか。

住民税を払わない場合の市役所側からのアクションを紹介します。

  • 催促状が届く
  • 催告状が届く
  • 差し押さえが実行される

催促状が届く

住民税は給与からの天引きで勤務先が支払う特別徴収と、本人が納付書で支払う普通徴収に分かれます。

給与からの天引きであれば手続きする手間はなく、給料が原資になるため納付できないということはありません。

納付できない可能性があるのは自営業やフリーランスなど普通徴収のケースです。

住民税を支払えない場合は20日以内に「催促状(さいそくじょう)」が発送されます。

催促状が手元に届いた時点で支払えば問題にはなりませんが、支払えないと次の「催告状(さいこくじょう)」に進むことになります。

催告状が届く

催促状と同じく、住民税が期限内に支払われないことで送られてくる書類のことです。

催告状は催促状と違って「法的処置をもっての請求」といった文言が追加されており、書面自体も普通郵便ではなく内容証明郵便で送られます。

内容証明郵便は、普通郵便と異なり、以下のような特性を持った送付方法のことを指します。

いつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出されたかということを、差出人が作成した謄本によって当社が証明する制度です。

引用元:日本郵便|内容証明

内容証明郵便を使用することで、時効を中断する効果があります。

催告状は催促状よりも深刻で、放置すると次の差し押さえのステップに進んでしまいます。

差し押さえが実行される

催告状を送っても支払いがない場合は、資産の差し押さえに進みます。

差し押さえの直前には「差押予告書」が送付され、この場合には滞納する住民税を一括で支払うか、さもなければ財産は差し押さえられることになります。

差押予告書が発送されてから10日が経過しても滞納分の住民税が全額支払われない場合、財産の差し押さえ処分が実行されます。

税金の時効を狙うことは考えてはいけない

税金には時効があります。

法律的には5年間の滞納で時効を迎え、納税義務はなくなるため、理屈のうえでは支払わないことは不可能ではありません。

では、時効を迎えるまで自治体が黙って見ているでしょうか?答えはもちろんNOです。

差し押さえなどの中断事項が発生し、時効がストップします。
市町村側の対策はいくらでもあるため、個人が時効を迎えることはまず不可能です。そうしている間にも延滞税は積み重なり続け、ますます返済できない状況に追い込まれます。

逃げ得を狙うことはせず、誠実に「どうすれば支払えるのか」を考えることが大切です、

払えないからといって放置は絶対にNG

住民税を払えないほど経済的に困窮している場合、もっともやってはいけないのは「何もせずに放っておくこと」でしょう。

今後払っていく意思を示すだけでも、財産の差し押さえを待ってくれるなどの温情を受けることができるかもしれません。

何も対策を打とうとせずに放っておけば手続きは機械的にどんどん進んでいき、取り返しがつかなくなってしまいます。

どう考えても払えないと思っても、これまで紹介したいずれかの対策は打てるはずです。
市役所に相談をもちかけ、何らかの対策に動くようにしましょう。

住民税の節税の方法も検討する

将来的に住民税の支払いが厳しくならないように、平時から住民税を減らす取り組みをすることも大切です。

公的制度の中から、住民税の節税に使える制度を3つ紹介します。

  • 個人型確定拠出年金(iDeCo)
  • 個人年金保険
  • ふるさと納税

個人型確定拠出年金(iDeCo)

個人型確定拠出年金は、文字通り個人が自分の意思でお金を拠出する「年金の上乗せ制度」です。

拠出した掛け金は投資信託などの投資商品や定期預金などを自分で選択して運用し、増やしたお金は60歳から受け取ることになります。

ただお金を貯める・増やすのではなく、節税にもメリットがあります。

自分で拠出する掛け金の全額が所得控除になるため、掛け金の中の一定割合が所得税と翌年の住民税が安くなるのです。

住民税でいえば税率は一律10%のため、毎月12,000円(年間144,000円)の掛け金を納めた場合14,400円分の住民税の負担が軽減されることになります。

個人年金保険

個人年金保険とは、公的な年金とは別に個人で老後の資金を準備するために加入する保険です。年金受取開始年齢まで保険料を払い込み、それを原資として私的に年金を受け取れます。

個人年金保険料控除によって、1年間の保険料に応じて所得税・住民税が安くなります。

控除される金額は掛け金によって異なりますが、平成24年1月1日の契約に関しては以下のとおりです。

税金 年間の支払保険料額 控除金額
所得税 2万円以下 支払保険料の全額
2万円超 4万円以下 (支払保険料の1/2)+1万円
4万円超 8万円以下 (支払保険料の1/4)+2万円
8万円超 一律4万円
住民税 1万2,000円以下 支払保険料の全額
1万2,000円超3万2,000円以下 (支払保険料等の1/2)+6,000円
3万2,000円超5万6,000円以下 (支払保険料等の1/4)+1万4,000円
5万6,000円超 一律2万8,000円

住民税は最大で28,000円の節税になります。

ただし税制適格特約が付された個人年金保険でなければ適用されないのが注意点です。
そうでない個人年金保険では一般生命保険料控除に合算されるため、他の生命保険ですでに上限いっぱいまで控除をされていると個人年金保険料を節税に利用できません。

ふるさと納税

ふるさと納税を行うと、寄付した金額の合計金額から2,000円を差し引いた分が翌年納める住民税や所得税から還付という形で控除されます。

なかでも「ワンストップ特例」という制度を使うと、控除額の全額が翌年の住民税から控除になります。

40,000円分の寄附額で38,000円が住民税から控除されるため、実質的に2,000円の負担で地域の特産品を受け取ることが可能です。

参考:ふるさとチョイス|ふるさと納税で「住民税」はいくら安くなる?

住民税が払えない時はどうする?督促の流れと対処法を紹介 まとめ

今回は、住民税を支払えない場合の対処法について解説しました。

原則として、住民税は減免や免除はありません。「生活保護を受けている」「災害に見舞われた」などの特別な事情が必要です。

支払えないからといって黙っているのではなく、市役所の担当者にできるだけ早いタイミングでの相談を持ち掛けましょう。免除にはならなくても、分割などの対応策を示してくれることもあります。

また、収入に余裕がある時には「個人型確定拠出年金」「個人年金保険」などで所得控除を行い、翌年度の住民税を安くする方法も有効です。

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ライター紹介

森本 陽子

森本 陽子

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(個人資産相談業務)AFP認定者。自身の経験や知識を活かし、複雑なお金の仕組みや知識をわかりやすく解説しておりツイッターでの有益な呟きにも注目。FP森本陽子の詳細プロフィール

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