1. お金借りるトリセツ
  2. お金のトラブル
  3. NHK受信料を滞納して払えない!裁判所から手紙が届いたらどうなる?

NHK受信料を滞納して払えない!裁判所から手紙が届いたらどうなる?

 2020/12/30 お金のトラブル   1,020 Views

NHKの担当者が自宅を訪れ、受信料の契約に関する説明を受けたことがある人も多いのではないでしょうか。

自宅にテレビを設置している場合、NHKの受信料を支払うのが義務として定められています。
しかし、家計の事情次第では払えないことがあるかもしれません。

受信料が払えない場合、どのような対策があるのでしょうか?

今回はNHKの受信料が払えない場合の手続きの流れと受信料に関する注意点を解説します。

NHKの受信料とは

NHK(日本放送協会)は民間の放送局とは異なり、総務省が所轄する特殊法人です。
国営ではない公共放送として、国会で承認された事業予算が与えられています。

さらに、運営費用として「受信料」が定められており、NHKとの契約によって支払い義務が課されます。
仮にNHKの番組を一切観ていないとしても、契約している以上は支払う必要があります。

支払い義務があるのは「NHKを受信できる世帯」

NHKは公共放送であり、広告の放送が禁止されています。
経営に必要になるお金は、各家庭から徴収される受信料でまかなっています。

この受信料、支払う必要はあるのでしょうか?

放送法の第64条では、NHKの受信料について以下のとおりに定められています。

協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。

ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(音声その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。第百二十六条第一項において同じ。)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。

引用元:e-GOV|放送法第64条

つまり、NHKの放送を受信できるテレビが設置された時点でNHKとの契約義務があるということです。
番組を観るか観ないかは関係なく、受信さえできれば支払う義務があります。

ただし、支払わなかったからといっても罰則が設定されているわけではありません。

未払いの世帯はどのくらい?

NHKでは、受信料の「推定世帯支払率」を公表しています。

それによると2019年度末では受信契約世帯4,609万件のうち受信料を支払っている世帯は3,769万件(推定世帯支払率:81.8%)です。
つまり、じつに5件に1件が未払いということになります。

引用元:NHK|受信料・受信契約数に関するデータ

放送法ではNHK受信料の支払い義務は明記されているものの、罰則規定がありません。
このことが支払いしない人がいる要因の1つといわれています。

受信料については争点・課題も多い

NHKの受信料は実際にNHKを観ていないとしても、一度契約したら払う必要があります。

そのため快く思わない家庭も多いのが実情で、たびたびニュースで受信料の未払いの話題が放送されます。

「NHKから国民を守る党」が国政に進出して議席を獲得したことも、世間の関心が大きいことを示しています。

受信料に関しては、NHKによる強制的な契約締結も可能です。
このような契約の強制は民法の原則である「契約自由の原則」に反していることであり、NHKに強大な権限が与えられていることが分かります。

これについては裁判沙汰になったこともありますが、最高裁判所でも受信料の支払い義務が結論付けられました。

裁判の養子の一部を抜粋して紹介します。

放送法64条1項は,受信設備設置者に対し受信契約の締結を強制する旨を定めた規定であり,原告からの受信契約の申込みに対して受信設備設置者が承諾をしない場合には,原告がその者に対して承諾の意思表示を命ずる 判決を求め,その判決の確定によって受信契約が成立する

引用元:裁判所|最高裁判例集|平成26(オ)1130

最高裁の見解

2017年12月6日、上記のとおり最高裁によってNHK受信料の判決が出ています。

つまり、契約をしていれば支払い義務は免れないのはもちろんのこと、契約していなくてもNHKを観られるテレビを設置していれば契約する義務があるということです。

未契約の家にNHKの徴収員が来訪した際に支払いを拒否・無視した場合、NHKは「受信契約を行う裁判」を行うことができます。
その判決次第でテレビを設置した月以降の受信料を払う義務が生じるのです。

受信料の滞納を続けるとどうなる?

紹介した通り、NHK受信料は法律でも定められた契約者の義務です。

しかし、「どうしても家計が厳しくて支払えない」という人もいるでしょう。
あるいは「観ていないNHK受信料を払いたくない」と感じる人もいるでしょう。

もし受信料が払えない場合、以下のような流れで手続きが進んでしまいます。

  • NHKから督促状が届く
  • 裁判所から督促状が届く
  • 最終的には財産の差し押さえになる

NHKから督促状が届く

受信料契約を交わしているのに支払いを怠ると、まずNHKからの督促状が届きます。

それと併せて「地域スタッフ」とよばれる訪問員が家にくることで支払いを促される可能性もあるでしょう。

なお、書面での督促の場合、内容証明郵便で届くことがあります。

内容証明郵便とは「いつ」「誰が」「誰に対して」「どんな書面を送ったか」を、郵便局が証明してくれる郵便の仕組みのことです。

ただ、内容証明郵便だからといってNHKからの督促に強制力はありません。強制力が発揮されるのは次の裁判所の手続きからです。

延滞金の発生は滞納後6ヶ月から

督促状がとどくと、それに前後して延滞金が発生します。

延滞金の金利は「2ヶ月あたり2%」であり、年利に直すと実に12%にもなります。

12%という数字は、銀行のカードローンに近い金利です。借金をしていないのに、それくらいの利息を取られるということです。

裁判所から督促状が届く

地域スタッフの訪問を受けているにもかかわらず支払いを拒絶していると、今度は「支払督促」という手続きで裁判所から督促状が届きます。

無視すると「支払うことを認める」ことになる

支払督促はNHKが裁判所を通じて行う請求手続きであり、絶対に無視してはいけません。

裁判所からの督促を無視していると、自分自身で「NHKの受信料支払い」を認めたことになります。

債務者が督促異議を出さずに放っておくと、「仮執行宣言」によって強制執行できる書面が作成されることを覚えておきましょう。

最終的には財産などを差し押さえられることになります。

財産の差し押さえを防ぐには「支払い」「異議申し立て」

支払い

差し押えを回避する方法としてもっとも分かりやすいのは、請求されたお金を払ってしまうことです。

とはいえ、これまで払ってこなかったのは「職を失ったことによる金欠」が原因という人も多いでしょう。

まず、NHKに「分割払い」の相談をしましょう。

異議申し立て

もしすでに裁判所から支払督促が届いているのであれば、届いてから2週間以内に「督促異議申立書」という書面を提出します。

NHK受信料は不服ということを裁判所に伝えるための書面で、支払督促に同封されています。
それを返送することで異議を申し立てることができます。

このあとは裁判への呼び出しがかかりますが、答弁書を提出すれば第1回の裁判は欠席しても問題ありません。

ただし、答弁書を提出しない場合はNHK側の要求を認めることになります。2回目の裁判に出席しない場合も同様です。

最終的には裁判で判決が出ますが、決まった判決内容には従わなければいけません。

仮執行宣言付支払督促が届いたら異議申し立てはできない?

裁判所からの督促を無視していると仮執行宣言付支払督促が送られます。
こうなると、いつでも差し押えができる状態です。

2週間以内であれば異議申し立てができるため、仮に差し押さえが始まったときもNHKの差し押さえを止められます。

仮執行宣言付支払督促が届いたら、速やかに異議申し立てを行いましょう。

最終的には財産の差し押さえになる

財産の差し押さえが行われる場合、差し押さえられる可能性が高いのは「預金」と「給与」です。

NHKが差し押さえを実行するときは銀行に通知書が届き、指示に従って口座にある預金を差し押さえることになります。

預金はまず「滞納している受信料」の支払いに充てられることになります。
それによって口座の残高が不足するとほかの公共料金の引き落としができないことから、別の滞納が発生することが考えられます。

一方で給与が差し押さえられる場合は勤務先に通知書が届き、滞納するNHK受信料は勤務先から直接NHKに支払われることになります。

差し押さえられる給与は、最大でも「手取り額の4分の1」です。
給料の総額から税金や社会保険料などを差し引いた残額に対して4分の1が差し引かれます。

この場合、給与が差し押さえられることよりも「勤務先に知られる」ことのほうが問題かもしれません。

差し押えは会社の経理・総務など給与を扱う部署に連絡が入るため、滞納の事実が社員の間で広まる可能性があります。

NHKの受信料を払わないからといって解雇にはなりませんが、社員に知れ渡るのが嬉しい人はいないでしょう。

受信料に関する注意点

NHKの受信料は一度契約したら払う義務があることはお分かり頂けたでしょうか。

最後に、受信料の解約などに関する注意点を解説します。

  • 受信機器がない場合なら契約義務はない
  • 5年の時効を適用するのは難しい
  • 引っ越してもチャラにはならない
  • 信用ブラックになる可能性も

受信機器がない場合なら契約義務はない

NHKを受信できる機器がない場合、職員が自宅を訪問しても契約する義務はありません。

インターフォンで「テレビもワンセグもラジオを利用できる携帯電話を持っていない」ことをしっかりと伝えましょう。

放送法は契約しないことに対する罰則はありませんが、一度契約したら解約しない限り支払い義務が発生します。

本当に受信装置を持っていないなら、「そもそも契約しないこと」が重要です。

5年の時効を適用するのは難しい

NHK受信料の時効は5年であることがNHKの公式サイトにも記載があります。

参考:NHK|お支払いに関するQ&A

その間は時効の中断といって、「請求を受ける」「債務を承認(一部を支払う、分割払いにする約束をすることなど)する」といった事実があると時効はリセットされ、また0からのスタートです。

時効を狙って支払いを逃れることは、簡単なことではありません。

NHKを観ないなら「解約」

NHKを受信できるテレビなどがない場合や、テレビが壊れている場合、テレビを観ないから処分したといったケースではNHKと受信契約を結ぶ必要がありません。

契約の義務がない以上は、NHKに連絡しての解約が可能です。

ただし、解約の意思を伝えるとNHKの訪問員が訪れて「本当に受信する機械がないのか」を確認することがあります。

その場合は受信する機械がないことを堂々と証明すれば問題ありません。

引っ越してもチャラにはならない

仮に別の地域に引越したとしても、すでに発生している受信料の支払い義務が消滅するわけではありません。

弁護士に債権回収の依頼をすることで訴訟の状態に入れば、債務者の住所は簡単に判別してしまいます。

安易に「引越しすれば受信料を滞納し続けてもいいだろう」と考えてしまうと、あとから一気に請求がくることになるのです。

信用ブラックになる可能性も

カードローンやクレジットカードのキャッシングの返済遅れを発生させた場合、61日以上の遅れで事故情報が個人信用情報機関に記録されます。

この状態は俗に「ブラック」と呼ばれており、原則としてローンを組むことができません。

一方でNHKの受信料を払わないからといって、ブラックになるわけではありません。
NHKは金融機関ではないため、滞納しても信用情報に傷はつきません。

ただし、支払いをクレジットカードでしていた場合は信用に関係します。
一度ブラックになると、5年間は信用情報に記録された延滞情報は消えないため注意が必要です。

NHK受信料を滞納して払えない!裁判所から手紙が届いたらどうなる?まとめ

NHKとは一度契約を交わすと、受信料を継続して支払い続ける義務があります。

もし支払えない状態が続くと裁判所から督促が届き、最終的には裁判を経て財産の差し押さえまで進んでしまいます。

そうなる前に「分割」での支払いを依頼する、クレジットカード払いによる分割払いを選択するなどの対策で乗り切りましょう。

もしテレビが壊れたなどの理由でNHKが一切観れない場合は、解約手続きを行うことで受信料を払う必要がなくなることも覚えておきましょう。

\ SNSでシェアしよう! /

お金借りるトリセツの注目記事を受け取ろう

NO IMAGE

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

お金借りるトリセツの人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

ライター紹介

森本 陽子

森本 陽子

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(個人資産相談業務)AFP認定者。自身の経験や知識を活かし、複雑なお金の仕組みや知識をわかりやすく解説しておりツイッターでの有益な呟きにも注目。FP森本陽子の詳細プロフィール

関連記事

  • 覚えのない振り込みが?闇金押し貸しの予防と対策

  • 弁護士費用が払えない!無料相談や補助制度の活用方法

  • 愛犬の手術費用が高額すぎて払えない…ペット治療費の用意方法

  • 電気代を滞納すると検針日翌日から約50日で止まる!

  • 実家の解体費用はいくらかかる?万が一払えない場合の対処法はある?

  • 債務整理とは?メリット・デメリットをわかりやすく解説