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慰謝料を請求されても支払えないときはどうする?減額の交渉は可能?

 2020/12/30 お金のトラブル   70 Views

精神的な苦痛を与えた相手から請求される「慰謝料」は、場合によって数百万円にもなる場合があります。
そうなると一括で支払うことは難しいでしょう。

もし慰謝料が払えない時、どのような対応をするべきなのでしょうか?支払わないまま放置したら何があるのでしょうか?

今回は慰謝料が払えない時の対策と、払わないままにしていたらどうなるかを解説します。

慰謝料とは

慰謝料とは、相手が受けた精神的なダメージを金銭に換算し、それを補うために請求するお金のことです。

慰謝料を支払うシチュエーションはさまざまで、例えば「配偶者が不倫相手と不貞行為をしたために夫婦関係が破綻した」といったケースがあります。
その場合は不倫の相手方に慰謝料を請求することが可能です。

慰謝料を請求するのは相手方だけでなく、自分の配偶者にも請求できます。

慰謝料が払えない場合はどうすればいい?

まずは相手が相談に乗ってくれるか確認

もし提示された慰謝料が払えないほど高額な場合、まず確認するべきは「相手が交渉に応じてくれるのか」ということです。

応じてくれそうであれば、現状では慰謝料の支払いが難しいことを告げたうえで「減額してもらえないか」を交渉することになるでしょう。

対応してくれるのであれば協議を重ね、お互いに納得できる金額になれば合意は完了です。

減額交渉の注意点

減額の交渉を行う場合は、電話・書面の2種類があります。
いずれにしても顔が見ない手段による交渉のため、相手に感情が伝わりにくい欠点です。

特に書面の場合、電話のように「申し訳ない気持ち」を伝えることも難しいでしょう。

書面の場合は書き方が一方的に減額を求めるだけの文章だと、相手を怒らせてしまうこともあります。

「支払えない理由」「減額をお願いしたい旨」を丁寧に表現する必要があるでしょう。

法外な慰謝料は支払う必要はない

慰謝料を支払う側は、申し訳ないという気持ちで慰謝料を全額払うべきと考えてしまうでしょう。

しかし、いくら非があるとはいっても、どう考えても支払う必要がない高額な慰謝料は支払う必要がありません。

誠意がある対応は大切ですが、加害者側の経済状況では数十万円でも支払いが難しいこともあります。
誠意をもって全額を支払うためにも、弁護士を通じて相場といえる値段までの減額を目指すべきです。

慰謝料の減額を申し出る

慰謝料の請求額が今の経済力でも何とか払える金額であれば、示談の条件などを確認します。
お互いに合意の上で慰謝料を払えば示談がまとまるため、無理に減額の交渉をしないほうが楽なこともあります。

また、示談などを締結する前であれば慰謝料を減額することは不可能ではありません。

慰謝料は事前に用意できるものではなく、ある日突然請求されるものです。
高額な場合は数百万円以上の大金を請求されることも珍しくありません。

慰謝料には一定の相場がありますが、請求する側の収入や加害者側への怒り具合によっては法外な慰謝料が請求されることもあります。

法外な慰謝料を請求したがために、全く払えなくなってしまっては慰謝料を請求する意味がありません。
弁護士を通じた交渉によって「何とか支払える金額」を提示することで、減額してもらえる可能性があります。

慰謝料が高額になる理由

不倫に関する慰謝料に関して、大よその金額はインターネットで調べれば簡単に分かります。

慰謝料を請求する側はできるだけ高い額を望むものです。
インターネットで高額の慰謝料が払われたケースを見ると、自分の場合も同じような金額を受け取れるとイメージしてしまいます。

裁判でない限り慰謝料の額は双方の合意によるため、被害者側は強気な請求を行うのです。
高い金額を望まない限りは高額な慰謝料は得られないため、「とりあえず請求する」という考えにもなるでしょう。

慰謝料の分割払いを申し出る

収入が少なくて資産もない場合、数十万円~数百万円の慰謝料を一括で支払うのは難しいでしょう。

その場合、相手方と交渉して「分割払い」が可能です。

収入が高額である場合は相手も相応の慰謝料を請求してきますが、高収入でも貯金がないと一括での支払いはできません。既婚者の場合は配偶者が預金口座を管理していることもあります。

このような状況を説明し、合理性があれば分割払いの交渉は可能です。

慰謝料を支払う側と受け取る側、双方の合意があれば分割払いにすることができます。

分割の回数は交渉によって異なりますが、頑なに「一括で支払ってもらいたい」という主張をする人もいれば、「支払ってくれるなら分割で良い」という人もいます。

ただし、相手が納得しないと分割払いはできません。

交渉次第では相手が感情的になって納得してくれません。
「分割払いで加害者との関係が長引いてほしくない」という考えから快諾してくれない可能性もあります。

慰謝料請求が来たら確認すること

不倫相手の配偶者からの請求

不倫相手の配偶者が慰謝料請求する場合、客観的な資料からではなく自分の判断で慰謝料を請求しているケースが一般的です。
そのため、相場よりも高額な慰謝料を請求してきている可能性があります。

明らかに高い慰謝料を請求されていても、そのまま話し合いで示談を成立させれば減額ができなくなります。

慰謝料にはある程度の相場があり、同じ不倫であっても「主導したのは誰か」「不倫の期間」などによっても慰謝料の額は変わります。

請求が来たら、そのままの金額で示談を進めないように注意してください。

弁護士からの請求

弁護士が被害者側の代理人として慰謝料を請求してくるケースもあります。
その場合、加害者側も弁護士を立てて対応することになるでしょう。

弁護士は、言うまでもなく「法律の専門家」です。
少しでも間違った対応をすると一気に不利になってしまいます。

弁護士との話し合いは。自分で対応するのは絶対に避けましょう。
交渉のプロである弁護士相手に、自分の力で減額を請求することは不可能と思ったほうが賢明です。

弁護士を立てて、弁護士同士で交渉を進めてもらいましょう。

分割払いで必要になる条件

分割払いを実現できれば1ヶ月あたりの返済金額が少なくなり、無理なく払い続けることが可能です。

しかし、もし分割したうえに支払いが滞ると被害者側が残額を受取れないということになります。

そのため、分割の際は以下のような条件をクリアする必要があります。

  • 示談時に強制執行を約束
  • 期限内に支払いを続ける

示談時に強制執行を約束

慰謝料を分割して支払う場合、「もし分割でも支払いができなくなった時の強制執行の内容が記載された書面」を作成しておくことが求められます。

書面は公正証書という正式な書面で作成され、もし分割払いが滞った場合は裁判なしでも強制的に執行されます。

慰謝料を受け取る立場で考えると、分割で確実に慰謝料を受け取れる保障がありません。
そこで、書面で取り交わして「確実に分割で支払います」という約束を交わすことが大切です。

期限内に支払いを続ける

書類のなかには「期限の利益」に関する取り決めが行われることがあります。

期限の利益とは、決められた期限までに一括で払わなくてもいいという債務者側の権利のことです。
この権利があるからこそ、一括で支払わずに分割で支払うことができます。

書面では「もし何らかのトラブル(支払いの遅れなど)があった場合は期限の利益を喪失する」という約束が盛り込まれるのが原則です。

一度でも分割での支払いが遅れた場合は、滞った金額に加えて残額を支払うことになります。

交渉は弁護士に任せることもできる

不倫による慰謝料は、できるだけ他人に知られたくないものです。
そのため、自分だけで対処したいと感じる人も多いでしょう。

しかし、相手が請求に応じてくれるとは限らず、自分だけで減額交渉を続けるのは大変です。
精神的に辛いだけでなく、本業にも疲れの影響が出てしまうことが考えられます。

仮に合意できたとしても、弁護士を交えずに合意した場合は法的な証書を作成できません。
合意した内容を反故にされる可能性もあります。

そうなった場合は裁判になり、結局はお互いに弁護士を立てることになります。
最初から弁護士に相談して正しい対処をしてもらえば、結果として支払う金額が少なることが考えられます。

弁護士費用としては「着手金」「成功報酬」などがかかりますが、本人に代わって弁護士が減額交渉などを行うことで本人の負担が大きく軽減されるでしょう。

ただし、減額の交渉などは「裁判外」のことであるため、弁護士が応対しても相手方が応じると決まったわけではありません。報酬を払っても徒労に終わる可能性は否定できません。

減額できそうな金額は場と弁護士の報酬額を比較して検討しましょう。

慰謝料の支払いをしないとどうなる?

強制執行が行われる

慰謝料について合意する場合、「強制執行承諾」の文言が付いた公正証書を作成します。
支払いを怠った場合、給料や財産が強制執行の対象です。

給与の差し押さえでは、最大で手取りの4分の1が差し押さえられます。
しかも、差し押さえの際には会社の経理や総務などの給与を管理している部署に連絡がいってしまいます。慰謝料の支払いを滞納した事実が会社に知られてしまうのです。

不倫の慰謝料を払わないことが知られても解雇になることはありませんが、不倫などの家庭の問題は周囲に知られたくないと感じる人がほとんどでしょう。

周囲に知られたくないのであれば、何とかして慰謝料を払うしかありません。

訴訟を起こされる

減額や分割の交渉をしない場合、請求額が相場を大きく上回っていないのであれば「誠意がない」と受け取られます。強制的な支払いを求められ、訴訟が起こされる可能性があるのです。

訴訟を起こされると本人ですべて対応できない限り、弁護士が代理人として対応することで報酬の支払が生じます。

そもそも慰謝料を払えない状態であったのに、弁護士費用が大きな負担になります。

慰謝料の金額に合意したら示談書を作成する

慰謝料の「減額」「分割払い」は交渉によって実現することは不可能ではありません。
仮に分割払いになった場合、被害者側との関係が長く続くことになります。

双方の間で金銭トラブルにならないように、慰謝料を分割して支払う場合は「示談書」を書面にして明確に残しておくことが大切です。

一回あたりの支払額・支払い回数・期日・支払方法・支払いが滞った場合はどうなるのかといった内容を双方で確認したうえで、その内容を示談書にまとめておきます。

示談の成立後、住所や電話番号が変わったら相手に通知することも約束するのが一般的です。場合によっては「公証役場」で公正証書を使って示談書を作成することもあります。

公正証書による示談書があれば、万が一支払いが滞った場合は裁判で訴えることなく、強制執行の手続きが可能です。

最終的な手段は自己破産

自己破産は、借金返済などのさまざまな債務を帳消しにできる制度です。
したがって、離婚による慰謝料も免責になる可能性があります。

ただし、DVなどの悪質な不貞行為の場合は自己破産によっても免責になりません。その決まりは「破産法」に以下のとおり記載されています。

免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。
~中略~
二 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
三 破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。)

~後略~

引用元;e-GOV|破産法第253条

このように、悪質な行為によって発生した金銭の支払い責任は自己破産でも回避できません。

慰謝料が発生した原因によって自己破産が有効かどうかは異なるため、自分の判断で手続きせずに弁護士などの専門家に相談しましょう。

慰謝料を請求されても支払えないときはどうする?減額の交渉は可能?まとめ

慰謝料を支払えない場合、「減額」や「分割払い」の交渉が可能です。
しかし、当事者同士で交渉すると相手も事件への怒りからか、対応してくれないことが考えられます。

減額や分割の交渉をする場合は、弁護士の力を借りるほうがスムーズに解決できるでしょう。
着手金や報酬などの弁護士費用がかかりますが、分割で支払えるなら背に腹は代えられません。

何も交渉せずに払わない場合は「誠意がない」と判断されて財産の差し押えが行われてしまうため、金銭的に支払いが難しい場合は正直に相手方に相談しましょう。

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ライター紹介

森本 陽子

森本 陽子

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(個人資産相談業務)AFP認定者。自身の経験や知識を活かし、複雑なお金の仕組みや知識をわかりやすく解説しておりツイッターでの有益な呟きにも注目。FP森本陽子の詳細プロフィール

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