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個人再生中でもお金を借りる方法はある?借りられる可能性を徹底検証

 2018/01/26 お金を借りる方法   7,091 Views

一般的には個人再生中にお金を借りるというのは、非常識なようですが、実際には多くの方法があります。

「個人再生中の人にお金を貸してはいけない」という法律は存在しません。あくまで業界内の自主規制です。

ネット上の口コミには「個人再生中に借りることができた」という報告が数多く寄せられています。

結論から言うと、個人再生中でも借りることは可能です。個人再生は自己破産よりも程度は軽いからです。

自己破産はすべての借金を棒引きにしますが、個人再生は会社の再生手続と同じで「借金の一部は返済」する制度です。

その人の信用力がゼロになったわけではありません。

個人再生中でも借りれる中小消費者金融

中小消費者金融は地域密着型の金融機関です。1つの都道府県内に本社といくつかの支社があり、地元の経済の下支えをしている金融業者で「街金」などと呼ばれることもあります。

消費者金融は大手会社の寡占状態にあります。利用者のほとんどは知名度のある消費者金融に申し込みする傾向があるので、大手消費者金融はますます潤い、中小消費者金融は顧客獲得に苦しむという傾向が長い間続いています。

そのため、中小消費者金融は生き残りのために、大手で断られるような与信力の低い人を相手に商売をすることを余儀なくされています。

中小消費者金融では大手で借りられない人、つまりブラック入りしている人にも貸出する傾向があります。個人再生中の人が借りられる可能性として最も高いのが、こうした中小業者でしょう。

個人再生中であっても、きちんと返済をしてくれるのであれば貸金業にとっては顧客です。

対面与信だと借りれるチャンスはある

個人再生中でも借入できる中小の業者に多いのが「対面与信」という制度です。

大手の消費者金融業者ではwebで申し込みをして、その後無人契約機に行ってカードを発行してもらい、ATMで借入して返済もするというシステムになっています。

申し込みでも借入でも、返済でも担当者と直接会うということはしません。あくまでその人の個人情報や年収が与信力です。ここでは申し込みする人がどのような人間性なのかは問われません。

中小の業者が実施している対面与信とは、申込者が直接店舗に出向いて担当者と面談して審査するというものです。その人の人柄を審査の内容に盛り込むということです。

返済する能力があり、借りたお金は真面目に毎月返済する人であることが分かれば審査に通ります。その人の人間性を信じて貸すのが対面与信です。

なかには「どうして個人再生までしたのか?」「今後は大丈夫か?」などと説教のようなことをされることもありますが、それでも貸してくれることに変わりません。

大手消費者金融では借りれない

個人再生をすると、その情報はJICCとCICには5年間、全銀協には10年間登録されます。この期間は「この人は過去に個人再生をした人である」という記載が残って、すべての金融機関がそれを閲覧できる環境にあります。

これが一般に言う「ブラックリスト入り」の状態です。

個人信用情報機関にブラックとして認識される登録期間

JICC CIC 全銀協
延滞 延滞解消から1年 契約終了日から5年 契約終了日から5年
強制解約 完済日から5年 契約終了日から5年 契約終了日から5年
任意整理 発生から5年 記載なし 記載なし
個人再生 発生から5年 発生から5年 契約終了日から10年
自己破産 発生日から5年 発生日から5年 10年

個人再生では、立案された返済計画に沿って返済を行う期間は3年間です。この3年が終わってもブラックリストからは外れていません。

そのため、プロミス・アコム・アイフル・レイクALSA・SMBCモビットなどの大手消費者金融では個人再生中に借入は不可能となります。

大手消費者金融の審査は完成度や精度が高く、個人再生をした人はブラック明けするまでは審査は通りません。個人再生の情報が情報機関から抹消された後でも、厳しい審査になることが推測されます。

大手であるほどブラック入りした人に対して審査を厳しくする傾向があると考えていいでしょう。特に、個人再生をしたときに債権者となっていた業者や銀行では「社内ブラック」としてマークされている可能性が高いと言えます。

債務整理中でも借りれる銀行・大手消費者金融のレアケース

2018年からネット上に急激に増えた情報として、ブラックリスト入りしているのに大手の消費者金融業者からの借入審査に通過できたという報告があります。

特に多いのはアコムです。個人再生中なのに、試しに審査を受けてみたら通ったというものです。プロミスでも同様の報告が寄せられています。

本人がブラックであると勘違いしている可能性もありますが、大手がブラックリスト入りしている人に門戸を開きつつあるかもしれません。とはいっても注意すべき点はあります。

①個人再生を確実に実行している

重要なのは個人再生で取り決められた返済を確実に実行していることです。ここで遅れがあっては信用力に欠けます。ある程度の年月、しっかりと毎月支払いをしているという事実があることが重要です。

②個人再生の対象となった業者は不可能

個人再生をするときに借入契約をしていて、借金を減額してもらった業者ではその人は「社内ブラック」化しています。こういった業者への審査は通らないと考えて良いでしょう。

③少額融資にする

個人再生中の人で大手の審査に通過できたという人の多くが10万円程度の少額の融資の申し込みです。業者側からすると、たとえ少額でも「貸してあげた」という恩を売って、ブラック明けに本格的に顧客として取り込もうとしていると推測できます。

④温情融資を依頼する

大手には「温情融資」と呼ばれる制度があります。これは対面などで、その人の状況を判断したうえで少額の融資を決定するというものです。プロミスやアコムなどの窓口で担当者と直接面談して融資を決定するものです。

個人再生中でも利用できる公的な支援制度

個人再生中に働くことも困難な状態になったり、ギリギリの生活で困窮したりするというケースは大いにあり得ます。そういったときに新規の借入ではなく、公的なセーフティネットを利用することも考慮しておきましょう。

生活福祉貸付

市町村の役所が提供しているセーフティネットに「生活福祉資金貸付制度」というものがあります。貸付の対象となるのは、主に低所得世帯や障害者世帯、高齢者世帯になりますが、個人再生をした人も低所得世帯として利用できる可能性があります。

貸付にあたっては保証人が必要ですし、手続きには多少の日数がかかりますが、低金利で借りることが可能です。

給付ではなく貸付ですので、多重債務者などの理由で返済が困難と判断されたら利用はできません。消費者金融業者に頼る前に申し込みましょう。

総合支援資金や福祉資金、緊急小口資金など様々な名目で低利子の仮付を受けられます。たとえば総合支援資金の場合には、生活支援費用として、保証人なしで年率1.5%で月20万円以内、一時生活再建費として60万円以内を借りることが可能です。

生命保険の契約者貸付

個人再生が自己破産と違うのは、自分の財産を守れるという点です。保有している自宅は売却する必要はありませんし、生命保険の解約もしなくて済みます。

生命保険には「掛け捨て」と「積立」の2つのタイプがありますが、積立タイプの保険には「契約者貸付制度」があります。

積立タイプの生命保険では、通常の保険料に積立した分を上乗せしてあります。こういった保険では途中解約したときに解約返戻金があります。この解約返戻金として積み立ててある額の一部を、貸出するという制度が契約者貸付です。

保険会社としては保険をずっと支払ってもらいたいという事情があり、支払いに困っている人に「お金をこっちから貸すので解約しないでくれ」という工夫であるとも言えます。

たとえば解約したときの返戻金が100万円であれば、保険会社ごとに定められた割合である90%にあたる90万円などを借りることが可能です。

共済組合の貸付制度

公務員に限った話ですが、共済組合の貸付制度を利用することも可能です。

公務員は名称の違いはあるものの、何かの共済組合に加入しています。学校の先生は学校共済組合、役所の職員は市町村職員共済組合に加入します。

共済組合は主に厚生年金の給付や医療保険の提供を行うために存在しますが、福利厚生の一環として金利の低い「貸付事業」も行っています。

地方職員共済団体では、普通貸付で限度額200万円まで年率2.66%という非常な低金利で借りることが可能です。

共済団体は金融機関ではないため、信用情報機関で個人情報を閲覧できません。その意味では個人再生していることが発覚することはありませんが、審査のときに「借入状況等報告書」を提出する義務があります。

他で借入があるかどうかを報告するものですが、ここで金融事故を起こしたことがあるときには報告しなければなりません。

起業して公庫から借入する

思い切った方法ですが、個人として借金を返済できなかった事実のある人でも起業すれば事業主ですので、事業主として借入ができる可能性があります。

民間の金融機関はブラックリスト入りしている人には基本的に貸出できませんが、事業主として新規の会社を立ち上げれば「日本政策金融公庫」が融資することもあり得ます。公庫も信用情報機関に加盟しているので、いつでも個人再生の事実を知り得る立場です。

ところが公庫の融資担当者が個人の信用情報を閲覧するかどうかは、ケースバイケースです。

公庫は国が出資している金融機関です。国民の税金で運営されているものなので、民間の金融機関よりも柔軟な態度で審査を行っています。借り主である個人の信用情報も審査されますが、それよりも事業の評価を重視します。

そもそも個人再生とは?

借金の返済が困難な人が、法的に債務を整理する方法として個人再生と任意整理、自己破産の3つがあります。他にも方法はありますが、おおよそこの3つでしょう。個人再生と他の2つの方法には違いがあります。

個人再生と任意整理の違い

個人再生と任意整理の大きな違いは、裁判所がかかわるかどうかという点です。個人再生は法的な手続きであり、裁判所が選任した再生委員が指導して債務整理をします。

任意整理は弁護士や司法書士などの専門的立場にある人が、本人に成り代わって債権者との話し合いによって実施される整理です。そのため、もし話し合いで決着がつかないときには裁判所を介することもありますが、多くの場合で債務を圧縮する形で決着します。このとき、裁判所はまったく関わりません。

個人再生は裁判所が介入して借金を圧縮する制度です。ここでは話し合いよりも法律が優先します。

個人再生には「支払い能力はあるものの、このままでは破産してしまう可能性が高い」という人を救済して生活再建を図ってもらう制度です。そのため、任意整理よりも借金の減額が大きくなる傾向があります。

圧縮率は法律によって定められており、個人再生は借金の80%がカットされます。

一方、任意整理は話し合いによって借金を圧縮するのもで、簡単な事例では利息のみのカットもありますし、借金の15%~20%をカットして残債を返済していく計画が立案される事例もあります。

個人再生と自己破産の違い

個人再生が自己破産と違うのは、借金を圧縮して返済する計画を法律的に定めるという点です。すべての債務を大きく減額して、残債を原則3年で返済するのが基本的な方法です。任意整理では実現できない大きな減額ができるのが個人再生です。

個人再生で最低限返済しなければならない金額は法律で以下のように定められています。

借金の総額 手続き後の返済額
100万円以上500万円未満 100万円
500万円以上1500万円未満 債務全体の5分の1
1500万円以上3000万円未満 300万円
3000万円以上5000万円未満 債務全体の10分の1

個人再生が圧縮した債務を返済するのに対し、自己破産はすべての債務を免除する手続きです。裁判所が借金を免除する決定を「免責決定」と呼び、この決定が下ると債務者はすべての債務の支払いの義務を免除されます。

自己破産が認められるのは、「これ以上借金の返済を続けることが不可能である」と認められた人です。その人のあらゆる収入や財産をもってしても、今ある借入額を返済するのが不可能とされたとき、免責決定が下されます。

債務者に一定の収入を得る見込みがあり、借金を圧縮すれば返済することが可能であるときには、自己破産ではなく個人再生が選択されます。

個人再生は財産が残る借金整理方法

個人再生の特徴として、借金を大幅に圧縮はするが「財産を処分する必要がない」という点が挙げられます。たとえば本人がマイホームを所有しているとき、それを残すことが個人再生では可能です。生命保険を解約する必要もありません。

自己破産では最低限生活を営むのに必要な財産以外はすべて債権者に分配されます。マイホームも残りませんし、生命保険はすべて解約させられ、換金して債権者に分配できる価値のあるものは売却されます。

自己破産の条件は「支払不能」です。借り主は今後何をしても支払いをすることができないと客観的に認められて初めて自己破産となります。

比較すると、個人再生は「わずかな返済額ではあるが借金を返済する代わりに財産が残る」という点で自己破産よりも程度が軽いと考えることができます。

自己破産した人は借金をしても返済する原資になるものを持たない人ですが、個人再生をした人は借金しても返済する能力のある人です。

そのため、個人再生をした人は自己破産よりもお金を借りやすい傾向があります。

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森本 陽子

森本 陽子

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(個人資産相談業務)AFP認定者。自身の経験や知識を活かし、複雑なお金の仕組みや知識をわかりやすく解説しておりツイッターでの有益な呟きにも注目。FP森本陽子の詳細プロフィール

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