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求職者支援資金融資制度の概要と利用時の注意点

 2021/02/18 お金に関する豆知識   58 Views

仕事を自己都合で退職したり会社が倒産してしまったりといった場合、収入が途切れることで生活苦に陥ることも考えられます。

条件次第では「失業給付」や「職業訓練受講給付金」などを受け取ることもできますが、必ずしも十分な金額とは限りません。

そこで、職業訓練受講給付金にプラスしてお金を受け取れる制度を利用することができます。
それが「求職者支援資金融資制度」です。

今回は求職者支援資金融資制度の概要と、知っておくべき注意点を解説します。

求職者支援資金融資制度とは

求職者支援資金融資制度とは、職業訓練に通っていて「職業訓練受講給付金」を受給する予定がある人、またはすでに受給している人向けの融資制度のことです。

ハローワークを通して職業訓練に通っている人で一定の条件をクリアすれば、修了するまでの間で手当てを受けられます。

職業訓練受講給付金では返済不要のお金を受け取れますが、預貯金が足りない人にとっては不十分に感じることもあります。

職業訓練受講給付金だけでは生活していくことが難しい人でも、融資を受けることができれば合計20万円を受け取れるため、当面の生活は可能です。

職業訓練受講給付金とは

求職者支援資金融資は「職業訓練受講給付金」を受け取ること(予定である事も含む)が前提条件として設定されています。

職業訓練受講給付金とは、条件をクリアすることで職業訓練を受けて月10万円を受け取れる制度のことです。
職業訓練給付金や雇用保険をもらえない人が職業訓練を受けているときの生活費をサポートするものです。

ただし、職業訓練受講給付金を受給するためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • ハローワークに求職の申込をしてある人
  • 雇用保険の受給資格者ではないこと
  • 働く意思と能力があること
  • 職業訓練の支援を行う必要があることをハローワークが認めた人
給付の条件に合致するか、まずはハローワークで確認しましょう。

支給額は月10万円に加えて通所手当(交通費)と寄宿手当(月10,700円。配偶者と別居して訓練を受ける場合等)の合計額です。

職業訓練は無料で受講できますが、月10万円の給付だけでは不足することも考えられるでしょう。
そんな時に検討したいのが求職者支援資金融資です。

職業訓練とは

ハローワークが主催する、無料で受けられる仕事の学校のことです。

職業訓練では就職するために必要な技術を無料で、かつ給付金の手当てを受けながら身につけられます。

受講できる内容はプログラミング、Word、Excelなどの基本的なパソコンスキルのほか、機械・電気・金属加工・CAD・介護・福祉など多岐に渡ります。

「辞めたは良いけど次に働きたいところが分からない……」という人にとっても有効です。

求職者支援資金融資制度の概要

求職者支援資金融資制度に申し込む前に、制度の概要を正確に把握することから始めましょう。

対象者

申込には、以下の条件を2つとも満たしていること必要があります。

  1. 職業訓練受講給付金の支給決定を受けた人
  2. ハローワークで求職者支援資金融資要件確認書の交付を受けた人
確認書をもらうためには「希望する利用が適当であること」「貸付金を返済する意思がある」「暴力団員ではない」という条件が求められます。

ハローワークでの担当者との面接では、きちんと返済の意思を伝えないと次の手続きに進めません。

貸付額

貸付を受けられる金額については、家族がいるか単身かで上限額が異なります。具体的には以下のとおりです。

  • 同一生計の配偶者、子または父母がいる=月10万円
  • 単身者=月5万円
毎月の給付額を職業訓練の受講予定月数まで借りられます。
たとえば配偶者がいる人が1年間受講する場合は月額10万円×12ヶ月=120万円が上限です。

なお、支給月数の上限は12ヶ月で、受け取る際は一括で融資される点に注意が必要です。

手続き方法

求職者支援資金融資の手続き方法は以下のとおりです。

  • ハローワークで確認申請
  • 求職者支援資金融資要件確認書を受け取る
  • ろうきんで手続き・審査
  • 融資
必要なこととして、まずはハローワークへの確認申請が必要です。

確認申請とは、求職者支援資金融資制度への申し込みの許可を得るための手続きで、「職業訓練受講給付金の給付が決定している」「正当な理由と返済意思がある」といったことが認められれば次のステップに進めます。

求職者支援資金融資要件確認書が交付された後はハローワーク指定の「労働金庫(ろうきん)」で手続きを行います。

必要書類

求職者支援資金融資に申し込むためには、以下の書類を準備することが必要です。

  1. 求職者支援資金融資要件確認書
  2. 職業訓練受講給付金を支給されたことを証明する書類
  3. 本人確認書類
2について、職業訓練受講給付金を受給したことが分かる書類の提出を求められます。

給付金を受け取ると「給付金支給記録」が配布されるため、それを利用すれば良いでしょう。

本人確認書類に関しては運転免許証があれば問題ありません。

貸付利率

貸付利率は2021年2月現在で「年3.0%」です。
民間の金融機関でローンを組む場合は年2ケタの金利が一般的であるため、それと比較して割安に借り入れられることが分かります。

担保・保証人

担保・保証人のどちらも不要です。
ただし、労働金庫が指定する信用保証機関を利用することが条件になります。

返済方法

返済日の条件は以下のとおりです。

  • 貸付け日の翌月末以降、毎月末日が約定返済日
  • 訓練終了月の3ヶ月後の末日までは据置期間として利息のみの返還
  • 4ヶ月後の末日から5年以内に元利均等返済
返済期間については融資を受けた金額で異なり、50万円未満は5年以内、50万円以上は10年以内が原則です。

民間ローンとの金利比較【返済額】

民間のローン制度と比較すると、いかに就職者支援資金融資が優秀か分かります。金融機関側はあくまで一般的な金利ですが、比較すると違いは以下のとおりです。

融資の名称 金利(実質年率)
求職者支援資金融資 年3.0%
銀行のフリーローン 年2.0~12.0%
銀行のカードローン 年2.0~15.0%
消費者金融カードローン 年3.0~18.0%

民間のフリーローンやカードローンの金利は下限から上限までが幅広く、たとえば消費者金融では年3.0~18.0%まで設定されています。

もっとも安い金利でも求職者支援融資制度と同じであり、最初の申込で設定されるのは年18.0%であることと考えるほうが賢明です。

いかに公的制度が低金利であるかが分かるでしょう。

実際に50万円を最大金利で借りて半年後(180日後)に返済すると、かかる利息は以下のとおりです。

  • 求職者支援資金融資=50万円×0.03÷365日×180日=7,397円
  • 銀行フリーローン=50万円×0.12÷365日×180日=29.589円
  • 銀行カードローン=50万円×0.15÷365日×180日=36,986
  • 消費者金融カードローン=50万円×.018÷365日×180日=44,383円
このように、ほかのローンよりも圧倒的に安い返済総額になることが分かります。

条件がそろえば、ほかのローンよりも優先して検討したいところです。

求職者支援資金融資制度の注意点

非常に低金利で利用できる求職者支援資金融資制度ですが、注意するべき点も多くあります。
いざ利用する際に困らないためにも、注意点を確認しておきましょう。

ろうきんの口座が必要

融資を受けられる口座は「労働金庫(ろうきん)」に限定される点に注意が必要です。
労働金庫に口座がない場合は手続きの際に口座を開設する必要があります。

融資を受けるには審査が必要

求職者支援制度の審査は簡単ではありません。
金利年3.0%で融資を受けられることからも、審査は慎重に行われるのは明らかです。

ハローワークでの手続きが終わればすぐに融資を受けられるわけではなく、融資を受けるためにはろうきんの審査を通過する必要があります。

ハローワークで融資の確認をもらえたとしても、ろうきんの審査で落ちることは十分に考えられます。

返済の免除ができない

求職者支援資金融資制度で気を付けたいことは「返済の免除ができない」という点です。

給付金であれば返済の必要はありませんが、求職者支援資金融資はあくまで「融資」であるためお金を借りているに過ぎません。
融資の期間を過ぎた後は、必ず返済する必要があります。

ただし、職業訓練を受けている間は返済の必要がありません。
また、訓練終了から3ヶ月は据置期間ですから、利息のみの返済になるでしょう。
この間に就職など、返済できる体制を整えることで返済することが可能になります。

銀行や消費者金融で融資を受けた場合、借入した翌月からの返済になるのが一般的です。

公的制度だけに、返済のしやすさも考慮されているのです。

審査は厳格に行われ、ある程度の時間がかかる

ろうきんの審査を通過できないと、融資を受けられないのは既に紹介したとおりです。

ろうきんは労働金庫の略であり、銀行と違って働く人が互いを助け合うために運営されています。

しかし、何となく「審査が甘い」と考えてしまうのはNGです。

銀行と同じく厳格な審査が行われ、なかでも「信用情報」はすみずみまで確認されます。

過去に消費者金融などで借入をしていること自体は問題ありませんが、その返済を長期間(61日以上または3ヶ月以上)に渡って延滞してしまうと、事故情報に記録が残ります。
こうなると融資は原則として受けられないと思ったほうがいいでしょう。

また、審査は慎重に行われるために時間がかかります。
消費者金融のように即日というわけにはいきません。

一般的には1~2週間ですが、長引いた場合は1ヶ月近い審査時間がかかる場合があります。

不正受給にならないように注意する

求職者支援資金融資は基本的に毎月1回の返済ですが、利用の仕方によっては一括返済を求められることがあります。

代表的なケースは申請書類で虚偽の申告をしてしまった時です。

嘘の情報で審査を通過したことがバレることで、分別の利益(一括で返済しなくても良い権利)を失うため、一括返済が必要になります。

また職業訓練受講給付金を受け取ることが融資を受ける条件であるため、給付金の受取りが何らかの理由でストップした場合は融資を受けることができません。

就職支援を拒否して職業訓練受講給付金が打ち切りになる、あるいは何らかの不正な手段で給付金を受け取りしても支給を受けられなくなります。

そればかりか3倍の返金を求められることもあるため、絶対に不正はNGです。

不正受給について、不正受給額(3倍額まで)の納付・返還のペナルティ

引用元:厚生労働省|求職者支援制度について

もし不正な手段で100万円の融資を受けた場合、最大で300万円の返済を求められる可能性があります。

審査を通過できない場合はほかの融資制度も検討する

ろうきんでは審査に時間がかかるため、早くても1週間、遅いと1ヶ月近い待機時間が発生します。

審査を通過できるかどうかも分からないうえ、時間がかかることで融資を受ける前に生活費が足りなくなることも考えられます。

その場合はほかの融資方法を検討するしかありません。

即日で融資を受けるなら、消費者金融も選択肢の1つです。
審査時間は最短30分で、申し込みから融資まで全て含めても最短1時間で融資を受けられる可能性があります。

審査基準は金融機関ごとにさまざまであり、ろうきんで審査がなかなか終わらない時でも全く同じ条件で消費者金融ではすんなりと通過できることもあります。

ただし、融資を受けたあとの金利はほかのローンと比較しても高いため、返済総額は高くなりがちであることを覚えておきましょう。

初めての利用の際は無利息期間が設定されることが多いため、その期間内に完済できるだけの少額を借りるなどの工夫が必要です。

求職者支援資金融資制度の概要と利用時の注意点 まとめ

職業訓練受講給付金でも最高10万円の給付を受け取ることができますが、それだけでは収入が不足するのは明白です。

独身はもちろん、配偶者や子どもがいる世帯ではなおさらでしょう。
そこで「求職者支援資金給付制度」を利用することで10万円の融資を受けられます。

合わせて20万円あれば当面の生活は可能でしょう。

ただし、あくまでも融資であるため返済が必要です。

据置期間の設定など配慮はされていますが、「返済できない……」といった状態にならないように返済計画はしっかりと練りましょう。

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ライター紹介

森本 陽子

森本 陽子

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(個人資産相談業務)AFP認定者。自身の経験や知識を活かし、複雑なお金の仕組みや知識をわかりやすく解説しておりツイッターでの有益な呟きにも注目。FP森本陽子の詳細プロフィール

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