ガス代金が払えない…!止められるまでに支払う方法を解説
電気・ガス・水道などの生活に絶対必要なライフラインは、生活費の中でも大きな部分を占める費用です。
しかし、毎月1万円を超えるような請求が続くと家計によっては支払いが難しい時もあります。
2020年は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、職を失ってガス代の支払いが難しい人もいるでしょう。
そこで今回は、ガス代を支払えない場合の現金の調達方法について解説します。
このページの概要
ガス代金とは
「ガス代」は、電気代や水道代と並ぶ公共料金の1つです。それではそもそも公共料金とは何でしょうか?
消費者庁によると、公共料金の定義は以下のとおりです。
我が国は市場経済を基本としており、サービスの料金や商品の価格は、市場における自由な競争を通じて決められることが原則となっています。
しかし、料金や価格の中には、国会、中央政府(以下「政府」という。)や地方公共団体といった公的機関が、その水準の決定や改定に直接関わっているものがあります。これらは総称して公共料金と呼ばれています。
引用元:消費者庁|公共料金とは
市場における自由競争ではなく、政府や地方自治体などの公的機関が価格を決定していることから「公共料金」と呼ばれています。
ガス代未払いの原因
ガス代の未払いで考えられる理由はいくつかありますが、以下のようなことが考えられます。
- 瞬間的に出費が大きくて払えなかった
- 単純に支払うことを忘れていた
- 口座の残高が不足していた
- 職を失う等で支払うことができない
単なる口座の残高不足などの理由であればすぐに支払うことで問題は解決しますが、根本的に収入がなくて支払えないのであれば話は変わります。
ガス代を滞納すると「延滞料金」が発生するため、できるだけ早く滞納の状態を解消しないと支払い総額がどんどん大きくなってしまいます。
ガス代金を滞納できない時の流れ
ガス代を滞納してしまったとしても、翌日にいきなりガスが止まってしまうことはありません。
以下のような流れで何度も支払いが請求され、それでも支払いができない場合は停止になります。
- 督促状が届く
- 延滞利息が発生する
- 供給が停止される
督促状が届く
ガス代を含む公共料金は「支払期日」が設定されています。
供給会社によって異なりますが、「検針から1ヶ月」が支払期日として設定されるのが一般的です。
支払期日を過ぎて支払いが確認できない場合は、督促状と払込票が自宅に届きます。
検針とは
検針とは、ガス・水道・電気などが「どれだけ使用されたか」を確認することです。
ガス会社の担当者が各家庭のメーターを確認することで検針を行います。
ガスの検針方法は以下の2種類のいずれかです。
- 訪問検針
- 電話検針
ガスメーターが敷地内に設置されていれば、検針員が検針をおこないます。
もし室内にメーターが設置されている場合は検針に立ち会う必要があります。
電話検針は、メーターの指示数を電話回線の通信システムで読み取る方法です。
電話検針を利用するのは、ガス会社のサービスに登録する必要があります。
延滞利息が発生する
支払いが遅れた料金に対しては延滞利息が加算され、次回の料金で請求されます。
延滞料金は都市ガスであれば「1日あたり0.0274%(2020年12月現在)」と決められています。
ガス料金のお支払いが支払期日(検針日の翌日から起算して30日目)経過後である場合にその経過日数に応じて1日あたり0.0274%の利率で延滞利息を算定しご請求いたします。
引用元:京葉ガス|支払期日と延滞利息
延滞利息の計算方法は以下のとおりです。
延滞利息=税抜きガス料金×利率(0.0274%)×経過日数
10,000円のガス代金で30日間支払いを延滞した場合、82円の延滞料金が発生します。
供給が停止される
支払い期日を過ぎてもガス代を支払わない場合、最終的にはガスの供給が停止されます。
供給が突然に停止することはありませんが、事前に停止予定日が通知されます。
それまでに支払えない場合はガスの供給が止まります。
ガスの泊まるタイミング・再開のタイミング
自由化されているプロパンガス(LPガス)では会社によってサービス・料金が変わるため、ガスの供給が止まるまでの日数もガス会社によって異なります。
プロパンガスを利用している場合は、自分が利用しているプロパンガスの公式webサイトにアクセスして確認しましょう。
一方の「都市ガス」は各社でガスが止まる日が共通です。
検針日の翌日から50日を過ぎてもガス料金を支払われない場合、あらかじめ通知したうえでガス供給がストップします。
止まったガスの供給を再開させるためには、滞納している分の料金を払うしかありません。
支払ったうえで契約しているガス会社に連絡すれば、当日または翌営業日には作業員が自宅を訪問し、開栓の手続きが始まります。
なお、このとき開栓作業の立ち合いを求められるケースがあることを覚えておきましょう。
ガス代が払えない時の対処法
国の支援制度を利用する
経済的に苦しくて生活がままならない場合、生活が困難な世帯を対象にした国の公的な支援制度を受けることができます。主な制度として以下の2つを紹介します、
- 総合支援資金
- 福祉資金
総合支援資金
総合支援資金は、失業などによって生活に困窮している人が生活を立て直し、経済的な自立を図るために社会福祉協議会から貸付を受けられる制度です。
支援の内容は以下の3つに分かれます。
- 生活支援費
- 住宅入居費
- 一時生活再建費
原則3ヶ月(最長で12ヶ月)、月20万円まで貸付を受けられます。
住宅入居費は敷金や礼金などの賃貸契約を結ぶために必要な資金について、40万円以内の貸付けを受けられます。
一時生活再建費は就職活動や技能習得、家賃などの一時的な立て替えや、債務整理などの費用について60万円までの貸付けを受けられる制度です。
これらの資金は連帯保証人の有無で利息が変わります。
連帯保証人がいれば無利息ですが、いない場合は年1.5%の利息がかかります。
後述の緊急小口資金と同じく新型コロナウイルス感染症が原因で収入が減少したり失業したりといった理由で生活が困窮している場合は、保証人の有無にかかわらず無利子になる特例があります。
福祉資金
生活低所得者・高齢者・障がい者などの生活を経済的に支えるとともに、その在宅福祉及び社会参加の促進を図るための制度として存在するのが「生活福祉資金」です。
貸付資金は「総合支援資金」「福祉資金」「教育支援資金」「不動産担保型生活資金」の4つであり、その中でも福祉資金は以下の2つに分かれます。
- 福祉費
- 緊急小口資金
上限は「580万円以内」です。
緊急小口資金は、緊急かつ一時的に生計の維持が困難になった場合に貸付けを受ける制度です。
少額の費用が対象で、融資額は10万円以内が原則です。
貸付の日から2ヶ月以内の据え置き期間のあと、据え置き期間経過後12ヶ月以内に返済します。
なお、緊急小口資金は新型コロナウイルス感染症の影響を受けたことによる休業などの要件で特例貸付が実施されています。
据置期間が2ヶ月から1年以内に、償還期間は12ヶ月以内が2年以内に延長されているのが特徴です。
>>新型コロナウイルス感染症を踏まえた生活福祉資金制度による緊急小口貸付等の特例貸付を行っています
新型コロナウイルスが原因でガス代が払えない場合
経済産業省では、電気・ガスの事業者に「新型コロナウイルス感染症の影響によって料金の支払いが困難な事情がある場合はその置かれた状況に配慮し、料金の未払いによる供給停止の猶予などの柔軟な対応を行う」ことを要請しています。
新型コロナウイルス感染症の影響によって電気・ガスの支払いが困難な事情がある場合は、電気・ガスの事業者を確認したうえで問い合わせ・相談が可能です。
>>経済産業省|新型コロナウイルス感染症の影響を受け、電気・ガス料金の支払いが困難な皆様へ
金融機関などからお金を借りる
銀行カードローン・フリーローン
銀行では、以下のようなさまざまなローンを扱っています。
- 目的別ローン
- フリーローン
- カードローン
使い勝手がいいのは「カードローン」です。
専用のローンカード(銀行ではキャッシュカードを利用可能)でATMからお金を下ろして借りることができます。
契約時に利用限度額が設定され、その金額までであれば何度でも借り入れが可能です。
消費者金融よりも低金利であり、返済期間が長引いた場合に返済総額が割安になるメリットもあります。
その代わり、即日では融資を受けられない点がデメリットです。
消費者金融カードローン
銀行と同じように、消費者金融もカードローンを提供しています。
銀行にはない消費者金融の特徴は「即日融資が可能」な点です。
ガス代の滞納は「今すぐにでも払ってしまいたい」と考える人も多いでしょう。
その場合には消費者金融のほうが素早く融資を受けられる可能性があります。
また多くの消費者金融で「無利息サービス」を提供しているのも特徴です。
初めてそこの消費者金融を利用することが条件で、たとえば「契約の翌日から30日間」といった具合に一定の無利息期間設定が行われます。
期間内に完済すれば利息は一切必要ありません。
もし無利息期間を超えても、無利息期間分は利息の計算が不要です。短期間での返済であれば銀行よりも返済総額が少なくなることも珍しくありません。
ただし、通常の金利は基本的に銀行より高めです。
2回目以降の借り入れや、初回であっても返済が長期化するほど、銀行のほうが利息の少なさという点では有利になります。
質屋
銀行や消費者金融ではカードローンなどを申し込む際に「審査」を受ける必要があります。
年収や勤続年数、職種などの返済能力や「個人信用情報機関」に記録された信用情報から信用を判断して合否が下されます。
もし返済能力が低かったり信用面で問題があったりすると審査を通過できず、ローンを組むことができません。
そんな時に即日でお金を借りたいのであれば、「質屋」で融資を受けることが可能です。
質屋とは、担保を差し出すことで担保の価値に見合った金額の融資を受けられる貸金業者のことです。
担保を預けてあることによって、返済できないとしても担保を放棄すれば返済する義務はありません。
担保になる品物を持ち込むことで、その場で鑑定が行われます。30分~1時間程度で担保の価値に見合う現金を借り入れることができるでしょう。
ネックは「金利の高さ」です。
担保を放棄すれば返済義務はありませんが、担保を取り戻そうとした場合は銀行はもちろん消費者金融カードローンよりも金利が高くなります。
銀行・消費者金融・質屋の金利の目安は以下のとおりです。
借入先 | 金利の目安(実質年率) |
---|---|
銀行カードローン | 2.0~14.5% |
消費者金融カードローン | 3.0~18.0% |
質屋 | 最大で年109.5% |
担保を取り返したい場合にデメリットがあることを覚えておきましょう。
どうしても払えない場合は「生活保護」を検討
生活保護は、収入や財産などが全くないなど日本国憲法の25条に定められた「健康で文化的な最低限度の生活」が送れない人を保護する制度です。
生活福祉資金と異なり、返済する必要はありません。
ただし、最低限度の生活に不要な財産は処分して生活費に充てる必要があるなどのデメリットがあります。
現在は生活保護の前に補助を受けられる「生活困窮者自立支援制度」もあるため、生活保護の前にそちらを検討してみましょう。
「家賃相当額の支給」「就労準備支援」「家計改善支援事業」などのさまざまなサポートを受けられます。
令和2年5月25日現在の相談窓口は以下のとおりです。
>>お金、仕事、住宅など、生活に関するお悩みはこちらの窓口にご相談ください。
プロパンガスでは「保証金」「預り金」で未払い対策が可能
賃貸物件などでプロパンガスを利用する場合、開栓時にガス会社へ「保証金」を払うことがあります。
これは敷金のようなもので、ガス代が未払いになった時に保証金を充当することになります。
また、退去時は返還されるため、特に大きなデメリットはありません。
ガス代金が払えない…!止められるまでに支払う方法を解説 まとめ
今回は、ガス代を払えない場合の現金の調達方法について解説しました。
まずは国や地方自治体の補助制度で融資を受けられるかを確認することが第一歩です。民間の融資よりも金利が低い、あるいは無利息のため、返済総額を安く抑えることができます。
公的融資を使っても生活が難しい場合、一時的な収入減であれば「カードローン」「質屋」などで現金を調達することも考えましょう。
最後は「生活保護」も検討できますが、資産を手放す必要があるなどデメリットもあります。そうなる前に生活を立て直す方法を考えるのが賢明です。