キャッシング枠付きのクレジットカードは学生でも持つことができる?
「どうしてもお金が欲しいけどアルバイトでは間に合わない!」
このように感じている学生は多いのではないでしょうか。
大学生は勉強の教材以外にもサークルの活動や遊興費、就職活動など何かとお金が必要です。
卒業旅行に参加するとなれば、アルバイトの収入では足りないこともあるでしょう。
そんな時に利用できるのが、貸金業者からお金を借りる「キャッシング」です。
今回は「学生でもクレジットカードのキャッシング枠を利用できるのか」を解説します。
このページの概要
キャッシングとは
キャッシングとは、クレジットカードやカードローン利用限度額の範囲内でお金を借りられるサービスのことです。
クレジットカードにはショッピングで支払いを立て替えてもらえる「ショッピング枠」が用意されていますが「現金が必要!」という状況においてはショッピング枠は使えません。
クレジットカードで現金不足を何とかしようと思う場合は、キャッシング枠の設定が必要です。
クレジットカードのキャッシング枠
キャッシング枠は、クレジットカードに付帯される機能の1つです。
キャッシング枠で設定された利用限度額を上限に、現金の借り入れができます。
所有している銀行口座への振り込み以外にも、銀行やゆうちょ、コンビニ等のATMを使って気軽に借りられます。
ただし、キャッシング枠の利用には審査が必要です。消費者金融カードローンと異なり、即日の利用はできません。
審査に通過して利用限度額が設定されれば、その後は審査や申し込みなしで借入れすることができます。
カードローン
カードローンは、消費者金融や銀行が提供する「無担保・保証人なし」のキャッシングサービスです。
銀行カードローン
銀行カードローンはクレジットカードのキャッシングや消費者金融よりも低金利で借りられるのがメリットです。
普段利用している銀行のキャッシュカードで借りられることも魅力でしょう。
楽天銀行やJCBなど、一部の銀行カードローンでは専業主婦でも申し込みできる点も消費者金融とは異なります。
一方で「即日融資ができない」のがデメリットです。
警察庁のデータベースで「申込者が暴力団の関係者ではないのか」等の情報を調べる必要があるためです。
最低でも1日以上の時間がかかるため、銀行では即日融資ができません。
消費者金融系カードローン
一方の消費者金融はアコム・アイフル・プロミスなど有名な大手消費者金融のほかにSMBCモビット、レイクALSAなどが有名です。
メリットは即日融資ができる点です。審査時の込み具合にもよりますが、最短30分で審査が終わることもあります。
初回利用時に限って30日の無金利サービスがあるのも大きなポイントです。
契約日の翌日(プロミスでは初回利用日の翌日)から30日以内に完済すれば、何回借り入れても金利が一切発生しません。
カードローンの利用条件として「満20歳以上」「安定した収入と返済能力」が求められますが、勤務形態は指定されていません。
正社員や公務員はもちろん、アルバイト収入があれば学生も利用可能です。
学生でもキャッシングの利用は可能
キャッシングサービスの利用には、以下のような申し込み条件をクリアする必要があります。
- 満20歳以上
- 定期収入があること
クレジットカードについては、キャッシング枠の利用で上記の条件が必須になります。
ショッピング枠の利用に関しては、親権者の同意があれば未成年でも申し込みが可能です。
満20歳以上であること
キャッシングの申し込み条件はカード会社や銀行、消費者金融によっても異なりますが、どの企業でも「20歳以上」であることは必須の条件です。
つまり、未成年の場合は学生か会社員かにかかわらず利用できません。
正社員やフリーターであっても、高卒で働いている18~19歳の人はどれだけ高収入でも利用はできません。
逆に、成人であれば身分は問われません。
専門学校や短大卒の正社員はもちろん、20歳の学生でもキャッシング枠やカードローンへの申し込みはできます。
アルバイト等の定期収入が必要
キャッシング枠やカードローンの審査では、安定した収入が求められることが原則です。
クレジットカード会社でも消費者金融でも、収入について以下のように記載されています。
JCBでは学生の方でもパート・アルバイトで収入があれば利用できるキャッシングをご用意しています。
JCBクレジットカードにキャッシングのご利用可能枠を設定されている場合には学生の方も利用することができます。
クレジットカードを提供しているJCBでは、上記のように学生でも利用できることが公式webサイトで明記されています。
ただし「定期的な収入(アルバイト収入など)が必要です。
キャッシングローンの場合、満20歳以上69歳までの定期的な収入と返済能力を有する方で、当社基準を満たす方であればご契約いただけます。
消費者金融系カードローンのアイフルでも、要件を満たせば誰でも申し込むことが説明されています。
しかし、申し込むためには「定期的な収入」と「返済能力」が必要になります。これが審査を通過できるかの判断材料になるのです。
親からの仕送りは収入にカウントできない
安定した収入の定義は「毎月一定の金額を得ること」です。
例えば正社員の収入は月給で保証されているため、安定した金額を得ていると判断されます。
アルバイトはシフトで出勤日数がある程度決まっているため出勤日数によって多少は増減しますが、ある程度の安定した給与が期待できます。
逆に、一時的に高収入を得ても「安定している」とは判断されません。
代表的な例がギャンブルによる収入です。一時的に数万円~数十万円の収入を得たとしても、毎月安定して入ってくるお金ではないからです。
同じように、親御さんからの仕送りも「安定した収入」としては認められていません。
なぜなら、いつ仕送りの金額が減るか、打ち切りになるかは分からないためです。
貸金業者としては、仕送りを充てにしていると、いつ返済がストップするか分からないリスクを負うことになります。
学生自身で働いて毎月のお金を得ることが重要なのです。
未成年の学生は一部の学生ローンで借りられる
たとえアルバイトをしている学生であっても、未成年はキャッシングを利用できません。
しかし、未成年の方でも「どうしてもお金を借りたい!」という時はあるでしょう。そんな時の選択肢として「学生ローン」があります。
学生ローンも原則としては20歳以上であることが条件ですが、一部の学生ローンでは18歳以上であれば申し込めます。
以下に20歳未満でも借りられる学生ローンの一例を紹介します。
学生ローン | 借り入れ可能な年齢 |
---|---|
カレッヂ | 日本国籍の方で、高卒以上の大学生・短大生・予備校生・専門学校生の方。 |
フレンド田 | 大学・短期大学・大学院・各種専門学校・予備校に通っている満18歳以上の学生 |
両親の同意は必要|秘密で借りることはできない
学生ローンを利用する時に「親に知られずに借りられるのか」を気にする人は多いでしょう。
はたして、両親に秘密で学生ローンを利用できるのでしょうか。
答えは「ノー」です。
さきほど紹介した「フレンド田」で以下のとおり記載があります。
未成年は親権者の承諾が必要になります
引用元:フレンド田|よくある質問
満20歳未満の学生の場合、申し込みにあたっては親権者の同意が必要になります。両親に内緒で借りることはできないのです。
お金が必要なことを両親に相談して両親から直接借りることができない時、両親の許可を得て学生ローンに申し込みましょう。
2022年4月からは未成年の学生でも申し込みが可能に!?
2022年4月に民法の一部改正が施行され、成人の年齢が現在の20歳から18歳に引き下げられます。
現在の18歳は学生ローンやクレジットカードに申し込む際に親権者の同意が不要ですが、18歳が成人になれば親権者の同意は必要ありません。
収入次第では銀行や消費者金融のカードローンも利用可能になります。
もちろん、審査に申し込みできるのかと審査に通過できるのかは別ですから、必ずしも審査に受かるとは限りません。
学生がキャッシング枠を使う時の注意点
クレジットカードのキャッシング枠を無事に設定できたとしても、利用は計画的に行う必要があります。
もし使いすぎて返済なきなくなると、さまざまなぺナルティが課されるためです。
学生が知っておきたい「クレジットカードのキャッシング枠を利用する際のポイント」を解説します。
返済が遅れると信用情報に傷がつく
クレジットカードのキャッシング枠を利用する時には、担保や保証人を求められません。
では、何を根拠にお金を貸してくれるのでしょうか。それは「本人の信用」です。
「この人は元金と利息をキチンと返してくれる人だ」という信用があるからお金を借りることができます。
では、返済が遅れてしまうと、どうでしょうか。
口座の残高不足などで一時的に返済が遅れることは誰にでもあり得ます。すぐに気づいて返済すれば問題ないこともあるでしょう。
しかし、延滞が2ヶ月、3ヶ月と続くとどうなるでしょうか。
カード会社等からの信用を失い、延滞の履歴が信用情報機関に記録されます。
いわゆる「ブラック」と言われる状態になり、カードローンやキャッシング枠の審査に通過できなくなってしまいます。
この信用情報は他社も閲覧できるため、新しいカードに申し込んでも審査に受からなくなってしまいます。
返済が遅れたら遅延損害金が発生する
クレジットカードでもカードローンでも、サービスを利用することは「貸金業者から借金している」状態です。
借り入れた元金と利息をあわせて、所定の期日に返済しなければいけません。
返済が遅れた場合ぺナルティとして遅延損害金が発生します。
遅延損害金の利率は算出される金額は貸金業者によって異なりますが、利息制限法という法律で20%と定められています。
10万円を借りて返済が3ヶ月(90日)遅れた場合の遅延損害金の計算式は以下のとおりです。
10万円×20%÷365日×90日=4,931円
「この程度か」と思ってはいけません。
借入金額と延滞日数が大きくなるほど、遅延損害金は大きくなってしまいます。
利息を付けて返済が必要
クレジットカードの運営会社や消費者金融・銀行は、貸し付けたお金と一緒に利息を回収することで利益を得ています。
金利の上限は最大で20%とされており、消費者系カードローンやクレジットカードでは年18.0%とされているのが一般的です。
18.0%の金利で10万円を30日間借りた時の金利は以下のとおりです。
10万円×18.0%÷365日×30日=1,479円
クレジットカード・カードローン以外でお金を得る方法
クレジットカードのキャッシング枠やカードローンの申し込み要件を満たしていたとしても、必ずしも審査に通過するとは限りません。
もし通過できなかった時は、別の方法を考える必要があります。
ここでは、クレジットカードのキャッシング枠やカードローンの審査に落ちた時の対応策について紹介します。
学生ローン
すでに紹介した学生ローンであれば、学生でも借り入れが可能です。
また、一部の学生ローンでは18歳以上であれば未成年でも利用できます。
もとから学生を対象にしているため、少額のアルバイト収入であっても審査に通過することは可能です。
ただし、借入可能額もアルバイト収入相応に少額になるのが一般的です。
未成年の場合は親権者の承諾が必要な点にも注意が必要です。
即日払いのアルバイト
お金を得る手段は、借りるだけではありません。
「稼ぐ」手段も考えることをおすすめします。
借金ではない正当な労働の対価ですから、あとから返済に悩まされることもありません。
タウンワークなどの求人情報サイトで、住んでいる地域の近くで運よくアルバイトが見つかれば、すぐに働くことも可能です。
即日払いのアルバイトであれば、働いたその日にお金を受け取ることができます。
貴重品の売却
身の回りに腕時計やデジタルカメラ、PC等の貴重品があれば、売却を検討するのも1つの方法です。
売却に抵抗がある場合は、商品によっては「質屋」も利用できます。その場で価値を査定してくれて、最短15分程度で現金を受け取ることができます。
質屋は返済できないと商品は戻ってこない(質流れ)ですが、きちんと返済できれば所有者のもとに返却されます。
キャッシング枠付きのクレジットカードは学生でも持つことができる?まとめ
今回は、学生がキャッシング枠を利用できるのか、そのほかにはどんな借り入れの選択肢があるのかを解説しました。
成人している場合は問題なく申し込みできますが、18~19歳の場合は選択肢が一気に少なくなります。
学生ローンや即日払いのアルバイトも視野に、お金を手に入れる手段を考えていきましょう。