1. お金借りるトリセツ
  2. お金に関する豆知識
  3. 総合支援資金とは|収入の減収で困窮している人向けの制度

総合支援資金とは|収入の減収で困窮している人向けの制度

 2021/02/18 お金に関する豆知識   114 Views

失業などで生活が困窮してしまった人に向けて、国ではさまざまな給付金や公的融資を揃えています。
なかでも緊急小口資金と併せてよく利用されるのが「総合支援資金」です。

生活福祉資金の中の制度の1つであり、生活再建までに必要なお金の一部を借り入れることができます。

ただし、あくまで融資であるため返済は必須です。申し込む前に返済までイメージしておく必要があります。

今回は総合支援資金の概要を紹介します。

総合支援資金(生活支援費)とは

総合支援資金は、生活福祉資金の制度の1つです。

生活福祉資金の制度のなかでも「失業などで生活に困窮している人」に対し、生活再建までに必要な生活費用の貸付を行っています。

現在では新型コロナウイルスの蔓延によって対象者の条件が変わっています。
「新型コロナウイルスの影響を受けて収入の減少があって日常生活が困難になっている世帯」が対象です。

従来の「低所得世帯に限定」していた制度から、取扱いを拡充しています。

生活福祉資金の中にある制度

生活福祉資金貸付とは、低所得者・高齢者・障がい者などが安定した生活を送れるように、都道府県の社会福祉協議会が必要な資金の貸付・支援を行う制度のことです。

今回紹介する「総合支援資金」は、生活福祉資金という大きな枠組みの中の制度の1つです。

生活福祉資金の全体像は以下のとおりで、他にも福祉資金、教育支援資金などの制度が整備されています。

資金の種類 資金の目的
総合支援資金 生活支援費 生活再建までの間に必要な生活費用
住宅入居費 敷金、礼金など住宅の賃貸契約を結ぶために必要な費用
一時生活再建費 生活を再建するために一時的に必要かつ日常生活費でまかなうことが困難である費用(就職・転職のための技能習得、債務整理をするために必要な費用など)
福祉資金 福祉費 生業を営むために必要な経費、病気療養に必要な経費、住宅の増改築や補修などに必要な経費、福祉用具などの購入経費、介護サービスや障害者サービスを受けるために必要な経費 など
緊急小口資金 緊急かつ一時的に生計の維持が困難となった場合に貸し付ける少額の費用
教育支援資金 教育支援費 低所得者世帯の子どもが高校や高専、大学などに修学するために必要な経費
就学支度費 低所得者世帯の子どもが高校や高専、大学などへ入学する際に必要な経費
不動産担保型生活資金 不動産担保型生活資金 低所得の高齢者世帯に対し、一定の居住用不動産を担保として生活資金を貸し付ける資金
要保護世帯向け不動産担保型生活資金 要保護の高齢者世帯に対し、一定の居住用不動産を担保として生活資金を貸し付ける資金

引用元:政府広報オンライン|生活福祉支援制度とは

継続的な相談支援と生活費を支援するのが目的

総合支援資金は、従来は継続的な相談支援と生活費の支援をセットにした制度です。

単にお金を融資するのではなく、ハローワークなどの就職相談もセットで行うことで、生活の立て直しと経済的な自立を図ることが目的です。

資金の種類は3つ

総合支援資金は「生活支援費」「住宅入居費」「一時生活再建費」の3つの制度から構成されています。

今回の新型コロナウイルスで「特例貸付け」が行われているのは生活支援費です。

貸付要件(対象者)

融資の対象者は、本来であれば以下の条件を満たす必要があります。

(1)低所得者世帯(市町村民税非課税程度)で、失業や収入の減少などによって生活に困窮していること

(2)公的な書類などで本人確認が可能であること

(3)現在住居のある人、または、住居確保給付金の申請を行い、住居の確保が確実に見込まれること

(4)法に基づく自立相談支援事業などによる支援を受けるとともに、社会福祉協議会とハローワークなど関係機関から、継続的な支援を受けることに同意していること

(5)社会福祉協議会などが貸付け及び支援を行うことにより、自立した生活を営むことが可能となり、償還を見込めること

(6)他の公的給付または公的な貸付けを受けることができず、生活費をまかなうことができないこと

引用元:政府広報オンライン|生活福祉支援制度とは

一方で現在、特例貸付けとして対象者が拡充されているため、条件は以下のようになっています。

新型コロナウイルスの影響を受けて、収入の減少や失業等により生活に困窮し、日常生活の維持が困難となっている世帯
※新型コロナウイルスの影響で収入の減少があれば、失業状態になくても、対象となります。

引用元:厚生労働省|生活福祉金の特例貸付

申込方法

手続きの流れは、大まかに以下のとおりです。

  • 市町村の社会福祉協議会に申込
  • 市町村から都道府県の社会福祉協議会に情報が送付
  • 都道府県の社会福祉協議会から申込者に貸付決定の連絡・送金
総合支援資金の申込書は、お住まいの市町村の社会福祉協議会で手に入れることができますが、2021年現在は新型コロナウイルス感染症の関係で郵送での手続きになっていることを覚えておきましょう。

必要書類

総合支援資金に申し込むための必要書類は以下のとおりです。

お申込みにあたっては、以下の書類等をご用意ください。
(1)本人確認書類(健康保険証、運転免許証、パスポート、住基カード等)
(2)住民票の写し(世帯全員が記載された、発行後3か月以内のもの)
(3)預金通帳(申込当日までの記帳を行うこと)
・新型コロナウイルス感染症の影響で減収したことが確認できる通帳
・税金・社会保険料・公共料金等の支払いが確認できる通帳
(4)失業・離職等の場合は、それが確認できる書類(離職票、廃業届、源泉徴収票等)
(5)実印
(6)印鑑(銀行印)
(7)その他、社会福祉協議会が指定する書類

引用元:東京都福祉保健局|新型コロナウイルス感染症の影響を受けた休業や失業等による緊急小口資金、総合支援資金(特例貸付)

連帯保証人の有無

新型コロナウイルスによる特例貸付が行われている現在、連帯保証人は不要で融資を受けられます。

ただし、従来の総合支援資金では連帯保証人の有無で無利息かどうかが決まっています。

貸付利子(利息)

貸付利子については、現在は新型コロナウイルス関連での借り入れに関しては無利子(無利息)での借り入れが可能です。

一方で従来の総合支援資金では、連帯保証人の有無によって以下のとおり利子の取り扱いが異なります。

総合支援資金(従来)の連帯保証人 貸付利子
連帯保証人あり 無利子
連帯保証人なし 年1.50%

相談先

総合支援資金に関する相談窓口は、各市町村にある社会福祉協議会です。

ただし、実際に貸付の決定を行うのは都道府県の社会福祉協議会が対応します。

生活福祉資金にある他の制度

生活福祉資金は総合支援資金以外にも複数の制度で構成されています。
今回は総合支援資金以外の代表的な制度として「緊急小口資金」「臨時特例つなぎ資金」を解説します。

特に緊急小口資金については、総合支援資金と共に使い勝手が良い制度です。
生活に困窮している人は早急に利用を検討しましょう。

緊急小口資金

緊急小口資金は、緊急かつ一時的に生計の維持が困難になった場合に少額の融資を受けられる制度です。

従来は10万円の上限でしたが、現在は新型コロナウイルスの影響で一時的な生計維持が必要な世帯に関しては貸付上限が20万円に増額されています。

20万円の融資を受けられる条件は以下のとおりです。

  • 世帯員の中に新型コロナウイルス感染症の罹患者等がいるとき。
  • 世帯員に要介護者がいるとき。
  • 世帯員が4人以上いるとき。
  • 世帯員に新型コロナウイルス感染症拡大防止策として、
    臨時休業した学校等に通う子の世話を行うことが必要となった労働者がいるとき。
  • 世帯員に風邪症状など新型コロナウイルスに感染した恐れのある、
    小学校等に通う子の世話を行うことが必要となった労働者がいるとき。
  • 上記以外で休業等による収入の減少等で生活費用の貸付が必要なとき。

引用元:厚生労働省|緊急小口資金について

また利息の支払いも保証人の用意も不要であり、困ったときには素早く申請できる点もメリットです。

償還期限は2年以内ですが、新型コロナウイルスの特例措置として「償還時になお所得の減少が続く住民税非課税世帯の償還を免除する」ことができるようになっています。

ただし、いつまで免除が続くかは不透明です。必ず最新の情報を確認しましょう。

臨時特例つなぎ資金

臨時特例つなぎ資金とは、離職者を支援するための公的給付制度(失業給付、生活保護、住居確保給付金など)または公的貸付け制度(生活福祉資金など)を申請していり住居のない人が、申請している給付金や貸付金の交付を受けるまでの当面の生活費を貸し付けることで申請者の自立を促す制度です。

申請の受付は都道府県の社会福祉協議会であり、原則として生活困窮者自立支援法にもとづく支援を受ける必要があります。

融資対象は「住居がない離職者」であり、次の全てに該当する人が融資を受けられます。

  • 離職者支援用の公的給付制度または公的貸付制度の申請をして、受理されている
  • 申請している給付等の開始まで生活が困窮していること
  • 貸付申請者名義の金融機関の口座を所有していること
  • 生活困窮者自立支援法に基づいた支援を受けていること
出典:静岡県社会福祉協議会|「臨時特例つなぎ資金」のご案内

つなぎ融資の金額は10万円であり、公的給付や公的貸付を受けてから1ヶ月以内に全額を一括で返済します。

条件に合致すれば、連帯保証人も利子も不要で借入が可能です。

総合支援資金の延長と増額が決定されている

新型コロナウイルスの蔓延状況は深刻なものですが、2021年2月現在は緊急事態宣言のおかげもあってか感染者数が減少に転じています。
しかし、少しでも油断すると、またしても感染爆発を起こす危険がある状態です。

多くの自営業者が廃業に追い込まれており、公的な融資制度に関しては頻繁に延長や増額の措置が実施されています。

例えば2021年2月2日、新型コロナウイルスの緊急事態宣言が10都府県で3月7日まで延長されたことを受けて総合支援資金の再貸付が決まっています。さらに限度額も増額になりました。

1世帯当たりの限度額を60万円増額し、緊急小口資金と合わせて200万円までの融資を受けることが可能になります。

ただし、再貸付けについては以下の注意点があります。

 ○貸付対象者:緊急小口資金及び総合支援資金の貸付が終了した者
       (申請以前に自立相談支援機関による自立相談支援を受けることが必要)

引用元:厚生労働省|総合支援資金の再貸付の実施時期等について

いま現在緊急小口資金や総合支援資金で貸付が行われている場合、終了するまでは再貸付けの対象外になります。

公的制度に申し込む時は必ず最新情報をチェックする

公的支援を受けようとするとき、古い期限をみて「もう支援が終わったのか」と思わずに厚生労働省の公式ホームページなどら最新の情報を仕入れることが大切です。

あるいは、逆に新型コロナウイルスの問題がひと段落した場合は制度が特例から通常に戻る可能性もあります。今まで対象だった人が外されることも考えられるため、支援の条件に合致したときは、できるだけ早く申し込みを検討することが大切です。

公的な融資を受けられなくなった場合、先約になるのが銀行のフリーローンや消費者金融のカードローンです。

ただし、民間では利息の返済が必ず求められます。
据置期間も存在しないため、より計画的に利用しないと返済できない事態に陥る可能性があります。

総合支援資金に関する特殊詐欺に注意

都道府県の福祉協議会を名乗る人物からの不審な電話が相次いでいるという情報があります。

参考:東京都社会福祉協議会

福祉協議会の側から申込者に電話をすることは原則としてありません。
不審な人物からの電話には応対しないようにしましょう。

不審な電話を受けた際はその場で個人情報を教えないことが大切です。
トラブルになりそうな場合は警察に相談することも検討しましょう。

総合支援資金とは|収入の減収で困窮している人向けの制度 まとめ

今回は総合支援資金の概要について解説しました。

国が用意する支援制度の1つであり、生活再建のために必要と認められた費用の一部を借り入れることができます。

返済に関しても、利息だけを支払う据置期間の設定によって余裕をもって返済できます。

しかし、あくまで融資ですから決められた期間内に返済が必要です。
完済できるように計画を立ててから申し込むようにしましょう。

\ SNSでシェアしよう! /

お金借りるトリセツの注目記事を受け取ろう

NO IMAGE

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

お金借りるトリセツの人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

ライター紹介

森本 陽子

森本 陽子

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(個人資産相談業務)AFP認定者。自身の経験や知識を活かし、複雑なお金の仕組みや知識をわかりやすく解説しておりツイッターでの有益な呟きにも注目。FP森本陽子の詳細プロフィール

関連記事

  • ハローワークでお金借りる方法!無利子のつなぎ資金貸付制度もチェック

  • お金にまつわる「ことわざ」34選

  • 子育て中の人がストレスフリーでできる節約術

  • お年玉のポチ袋にピッタリ!千円・五千円・一万円札の三つ折り方法

  • 自己破産後の生活はどうなる?次に借り入れできるのはいつ?

  • 極度額と限度額の違いとは?限度額以上お金借りたいときの確認事項