おまとめローンでカードローンをまとめるメリットとデメリットを紹介
カードローンで複数社から借り入れしている方の中には「毎月の返済負担が重すぎる・・・」と感じている人もいるのではないでしょうか。
返済不能になってしまうと遅延損害金が発生して余計なお金がかかるばかりか、最悪の場合は「事故情報」としてブラック認定される可能性があります。
毎月の返済が苦しい場合は、返済額を合理的に減らす対策が有効です。
今回は、金利を下げて毎月の返済負担を減らす「おまとめローン」について解説します。
このページの概要
おまとめローンとは
複数のカードローンやクレジットカードの借入れをした場合、それぞれの金融機関への返済が必要です。
支払合計額が大きくなるうえ、月に何回も支払い日が到来することで「返済遅れ」が発生しないように気を付けておかねばいけません。
そこで、複数の金融機関からの借り入れを1つにまとめる「おまとめローン」が有効になります。
複数のカードローンを1つにまとめる
おまとめローンとは、複数社からの借り入れを今現在よりも低い金利で新たな借り入れを行うローンのことです。
借り入れたお金で従来のローンを完済することによって借入れ先を1社にまとめ、返済負担を減らすことができます。
金利の低い金融機関にまとめることで、返済負担を大幅に減らせる可能性があるのです。
例えば、カードローンA社から20万円(金利18.0%)クレジットカードB社10万円(金利18.0%)カードローンC社20万円(金利15.0%)という風に借り入れた場合、合計50万円をD社のおまとめローン(金利12.5%)で一括返済するイメージです。
総量規制の対象外になる
おまとめローンの特徴の1つは、総量規制の対象外である点が挙げられます。
総量規制とは、貸金業法で定められた「貸金業者は利用者の年収の3分の1を超えて融資してはいけない」というルールのことです。
しかし、一部で例外があって、総量規制の対象にならないローンも存在します。
金利が下がって毎月の返済額が下がる「おまとめローン」は、考え方によっては利用者に一方的に有利になるローンです、
「顧客に一方的に有利」なローンに関しては「例外貸付け」として、総量規制の対象外になります。
おまとめローンは銀行と消費者金融のどちらでも提供しています。
本来は消費者金融のカードローンは総量規制の対象ですが、おまとめローンに関しては消費者金融が提供するものであっても総量規制の対象外です。
年収の3分の1を超えて、大きな金額を借り入れできる可能性があります。
金融機関独自のルールが存在する場合も
紹介したように、おまとめローンは総量規制の対象外です。
理論上は年収にかかわらず、何円でも借り入れることができます。
しかし、だからといって、いくらでも借りられるわけではありません。
過剰な貸し出しによって返済ができなくなり、貸し倒れになるリスクがあるためです。
商品概要には書かれていないため、金融機関がどのような規制を行っているかは分かりません。
少なくとも、無制限に借りられるわけではないことは理解しておきましょう。
おまとめローンのメリット・デメリット
おまとめローンは「顧客側に一方的に有利な借り換え」と言われていますが、メリットばかりではありません。
おまとめローンのメリット・デメリットを解説します。
メリット
おまとめローンのメリットは、主に以下の4つです。
- 金利が下がる
- 毎月の返済額が減る
- 返済を一本化できる
- 多重債務から抜け出せる
金利が下がる
最大のメリットの1つとして「金利が下がる」ことが挙げられます。
おまとめローンを利用する場合、いままでのカードローンよりも金利が低い会社を選ぶことが前提になるためです。
金利が下がれば、毎月の返済額や利息を含めた総返済額を軽減できます。10万円の借入残高がある時、年利18.0%と12.0%の1日あたりの利息は以下の計算のとおりです。
- 10万円×18.0%÷365日=49円
- 10万円×12.0%÷365日=33円
借入れ残高が大きくなるほど、返済期間が長くなるほど差は大きくなります。
借入金額が高額になるほど金利が下がる仕組みの根拠は「利息制限法」です。借入れ残高に応じて、以下のように上限金利が設定されています。
10万円未満 | 20.0% |
10万円~100万円未満 | 18.0% |
100万円以上 | 15.0% |
利息制限法が適用されることで。金利の上限が下がるケースもあります。
毎月の返済額が減る
大きなメリットの2つ目は、「毎月の返済負担が軽くなる」ことです。
複数の借り入れをしている場合に比べて、毎月の返済金額が軽くなるケースが多くなります。
毎月のローン返済が生活を圧迫してしまっている人は、おまとめローンを利用することで返済がグッと楽になる可能性があります。
返済を一本化できる
複数のカードローン会社やクレジットカード会社から借り入れしている場合、返済日がバラバラです。
口座の残高が不足して支払いが遅れてしまうリスクがあるため、返済するカードローンの数が多ければ多いほど気を抜くことができなくなります。
支払いをATMで行っている場合はその都度返済手続きをするため、何度も足を運んで返済するのは大変に面倒です。
返済を一本化すれば返済日は月に1回だけになります。返済手続きが1回で済むことで、利用者の精神的な負担を減らすことにもつながるでしょう。
多重債務から抜け出せる
「多重債務」の状態から抜け出せるのも、おまとめローンの大きなメリットです。
多重債務とは、複数の金融機関からお金を借りていて返済が困難になっていることです。
金融機関からの借り入れ状況は個人信用情報機関に記録され、カードローン会社や銀行は情報をチェックすることができます。
多重債務が絶対に悪いということはありませんが、金融機関によっては審査内容に影響を与えてしまう場合があります。
おまとめローンで借金を一本化できれば、多重債務の状態から抜け出すことになるのです。
デメリット
おまとめローンの注意点としては、必ずしも金利が下がるわけではない点です。
おまとめローンの専用商品よりも、他社の通常のカードローン金利の方が低いという可能性もあります。
おまとめローンで金利が下がるかは、申し込み前に公式ホームページなどを確認しておくことが大切です。
そのほかにも、以下のようなデメリットが考えられます。
- 審査通過が厳しい
- 総返済額が増える可能性がある
審査通過が難しい
おまとめローンに申し込む場合、金融機関の審査を受けて通過しなければいけません。
すでに複数のカードローン会社からお金を借りていて返済に困っている人が申し込んでくるという商品の特性上、おまとめローンを提供する金融機関からしても貸し倒れのリスクがあります。
一般的なカードローンの審査に比べて審査は厳しいと考えていた方が良いでしょう。
過去に何度も延滞している場合、審査に通過することができなくなります。また、借入件数の多さや借入金額の大きさも、審査に悪影響を与える一因です。
おまとめローンは多重債務者への救済措置ですが、あまりにも借りすぎた状態で申し込んでも審査に通らない可能性があることは知っておきましょう。
総返済額が増える可能性がある
カードローンのメリットは、金利と毎月の返済額が減少することです。
しかし、毎月の返済額が減るということは、それだけ完済までの期間が長期化するということでもあります。
利息の計算では金利と借入残高が同じでも、日数が長引くほど利息は大きくなります。
金利を下げて毎月の返済負担を減らしても、長期化によって総返済額が減ってしまっては意味がありません。
できるだけ、返済前より毎月の支払い金額を減らさないことが重要です。
生活に支障が出ない範囲で毎月最大限の返済をしていくことで、総返済額が増えてしまうことを防ぐことができます。
追加で借入れできなくなる可能性がある
おまとめローンは借り換えのほかのローン商品と違って、専用商品として展開されていることがあります。
今のカードローンよりも金利を下げて融資する代わりに、追加で借り入れができなくなるのです。いざというときに借り入れができず、身動きできなくなる可能性があります。
これからも借入れする可能性がある人は返済に特化した商品を選ばずに、追加融資にも対応した商品を選ぶようにしてください。
申し込み前に、おまとめローンの利用規約を確認することをお忘れなく。
債務整理という選択肢も
カードローンの返済負担を減らす方法は、おまとめローンだけではありません。
債務整理とは、国が定めた借金の減額制度をことです。弁護士に依頼をすることで、誰でも借金を減すことができます。
債務整理には「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3つの方法があります。
それぞれの特徴を解説します。
任意整理
任意整理とは、弁護士が借入先と交渉することで、将来発生する利息を減らす手続きのことです。
裁判などの大掛かりな手続きは必要ありません。
任意整理後の5年間はお金を借りることができないデメリットがありますが、おまとめローンよりも有効に借入金額を減らすことも可能です。
周囲に知られることなく借金を減らせる手段として、3つの債務整理の中ではもっともポピュラーな手法と言われています。
個人再生
個人再生は、別名「民事再生」とも呼ばれています。
現在の借入金が返済困難だと裁判所に認めてもらうことで、減額された借金を3~5年かけて分割で返済していく方法です。
住宅などの財産を維持したまま借金を整理できる点が、自己破産との大きな違いです。
自己破産
自己破産とは、返済に使えるお金がないことを裁判所に認めてもらうことで、借金の支払い義務が免除される制度のことです。
個人再生などと異なり、借金の全額が免除になる点が大きく異なります。
ただし、住宅や自動車などの高価な財産は手放さなければいけません。
とはいえ、その後の収入は生活費に充てられるため、自己破産をしたからといっても「お先真っ暗」「何もできない人生になってしまう」などということはありません。
おまとめローンと任意整理はどちらがいい?
3つある債務整理の中で、カードローンの負担を減少させるために多く使われるのは「任意整理」です。
裁判所の手続きが不要で、誰にも知られずに借金を減額できる可能性があることから人気があります。
任意整理の過程で「過払い金」が見つかった場合は、その分を返済に充てることで一気に借金が減る可能性もあります。
また、任意整理は、はじめての借り入れから正しい(現在の)利息で計算したら利息はいくらになるのか「引き直し計算」を行います。
引き直し計算で正式な借入額を確定させ、今後の利息はゼロにしていくことを前提に交渉します。
トータルでの借入金額が大きく下がる可能性があるのです。
一方の「おまとめローン」は金利が下がることと毎月の返済額が減ることがメリットです。しかし、利息そのものが大きく減ることはありません。
ケースバイケースですが、総返済額を減らせる可能性が高いのは「任意整理」の方です。
個人情報機関への登録に注意
任意整理は「過払い金」が見つかれば借入金額を大きく減らすことができる可能性があるのが魅力です。
しかし、便利なだけの制度ではありません。知っておくべきデメリットもあります。
デメリットとは、任意整理をすると必ず事故情報として記録されることです。いわゆるブラックと言われる状態になることで、5年間は新たに借り入れることができなくなります。
しかし、登録から5年間過ぎれば登録は抹消されます。抹消された後はカードローンなどの借り入れに影響はありません。
5年間に新たに借入れする予定がなければ、任意整理を積極的に検討することをおすすめします。
おまとめローンのメリット・デメリット まとめ
今回は、複数のカードローンの借金をまとめる「おまとめローン」について解説しました。
複数のローンを低金利でまとめることで、毎月の返済負担を減らすことができます。
一方で、返済期間が長期化して総返済額が増えるリスクには注意が必要です。
おまとめローンでも返済が難しいと感じたら、債務整理を検討するのも1つの方法です。特に「任意整理」は、周囲に知られずに借金を整理できる手法として人気があります。
任意整理のメリット・デメリットと比較し、ご自身にとって最適な選択をしていきましょう。