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カードローンの過払い金って何?請求対象やリスクについて

 2020/08/19 カードローン   2,566 Views

一時期、テレビなどで「あなたのローンに過払い金が発生していませんか」など、法律事務所のCMが盛んに流れたことがあります。

「自分にも過払い金があるのではないか」「なぜ過払い金は返還されるのか」など、疑問に思った人も多いでしょう。

過払い金が発生するのは、借りていた当時の金利や借入期間など一定の条件が揃っているときです。
条件を満たしていない場合には、カードローンの利用経験があっても過払い金請求はできません。

過払い金に関する基礎知識

そもそも「過払い金」って何?

過払い金とは、貸金業法が改正される以前に借入していたときに、法律で定められた上限金利よりも高い金利で計算された利息を払ってしまったことで発生するものです。
借入した側が払い過ぎたお金なので「過払い金」と呼ばれています。

貸金業法は2010年6月18日に改正されましたが、それ以前には借入の利息の上限には2つの基準がありました。
基本となるのは、利息制限法という法律で定められている上限金利で、これは「年率20%」です。

もうひとつは「出資法」という法律で定めた年率29.2%の上限金利です。
原則的には利息制限法が優先されるべきですが、利息制限法の例外規定を利用して、出資法の上限金利を適用できるという法律上の抜け穴がありました。

この利息制限法の法定金利と、出資法の上限金利の間に設定された金利を「グレーゾーン金利」と呼んでいます。

2010年の貸金業法の改正によって、出資法の上限金利も20%に引き下げられ、同時に、改正前に利息制限法の定める金利よりも高い金利で計算された利息を「過払い金」として過去にさかのぼって貸金業者に返還請求できることになりました。

これが「過払い金返還請求」です。
グレーゾーン金利は無効であると最高裁の判決が出たことが根拠となって、過去の払い過ぎた利息の返還を求める「過払い金請求訴訟」は法律事務所にとって一大ビジネスとなりました。

過払い金の発生条件とは

2010年6月18日以前の借入であること

過払い金請求は、どのような借入であっても対象となるわけではありません。
対象となるのは2010年6月18日の貸金業法改正よりも前の借入です。

過払い金が発生するのは、あくまでもグレーゾーン金利での借入です。
貸金業法が改正されてからグレーゾーン金利は撤廃されているので、基本的には2010年以降の借入は対象外です。

完済から10年経過していないこと

請求するためのもうひとつの条件は「完済してから10年が経過していない」ことです。

これは民法に定められた時効制度に関係しています。
あくまで完済後10年以内という規定ですので、今でも返済中という人は過払い金請求ができる可能性があります。

銀行のカードローンで過払い金は発生する?

銀行のカードローンで過払い金が発生するかどうかも疑問に思っている人が多いでしょう。
基本的に銀行のカードローンでは過払い金は発生しません。

というのも、銀行は2010年以前の取引であっても適法な金利で貸付をしていたため、グレーゾーン金利での融資を行っていないからです。

また、銀行のカードローンと消費者金融業者のカードローンには明確な違いがあります。
それは適用法の違いです。

銀行のカードローンに適用されるのは「銀行法」という法律です。
過払い金が発生するのは、あくまで貸金業法で貸付していた金融機関です。

銀行は貸金業法の適用を受けないので、総量規制という規制にも無関係です。
そのため、消費者金融業者では貸すことができない人に対しても法律上は貸付できます。

銀行だけでなく、貸金業法が改正される前から利息制限法の法定金利の範囲内で貸付をしていた消費者金融や信販会社も存在します。こういった業者のカードローンでは過払い金は発生しません。

過払い金を請求するには

おおまかな流れ

取引履歴を確認

過払い金を請求するには、まずは自分の過払い金がいくらになるのか計算しておく必要があります。

過払い金を計算するには、どの業者でいくら借りて、いくら返済したかという取引の履歴を確認しなければなりません。
取引履歴は、利用した業者に問い合わせれば出してもらえます。

まずは、どの業者を利用したのかを確認して、複数の業者があるなら、それぞれに取引履歴を請求します。

過払い金の計算

取引履歴を参照すれば、どの程度の金利が適用されていたのか分かります。

グレーゾーン金利に該当する金利で借りていた場合には、法定金利で借りた場合の返済額を算出して過払い金を計算します。

たとえば、金利29.2%で返済に15年かかっていた支払いを、金利15%~20%として計算し直すと10年で完済したはずだった。というような結果が出れば、残り5年間に支払ったお金がそのまま返還されることになります。

請求

正確な過払い金の金額が算出できれば、それを業者に請求することができます。

基本的には請求書を送りつけて、過払い金が発生しているので返還するよう求めることになります。

過払い金の計算方法

カードローンの過払い金請求を検討している人は、実際に返還される金額を割り出してみましょう。
計算式は以下のようになっています。

・過払い金の計算式

計算式
払った利息額 借入額×グレーゾーン金利の利率÷365日×借入日数
本来の利息額 借入額×法定金利の利率÷365日×借入日数
過払い金 払った利息額-本来の利息額

・100万円の借入をグレーゾーン金利29.0%で4年間借りていた場合の計算式

計算式
払った利息額 100万円×29.0%÷365日×1460日=116万円
本来の利息額 100万円×20.0%÷365日×1460日=80万円
過払い金 116万円-80万円=36万円

おおよその目安ですが、グレーゾーン金利で100万円を4年間で完済した場合、36万円の過払い金が発生しています。

請求にかかる費用は?

カードローンの過払い金請求は、個人でやることも可能です。

実際に「自分でやってみた」という内容のブログはネット上に数多くあり、参考にしてみるといいでしょう。

ただ、弁護士や司法書士といった専門家に依頼したほうが手間も時間もかかりません。
その際には報酬を支払う必要があります。過払い金請求にかかる費用には以下のようなものがあります。

・相談料:相談時にかかる費用(5000円程度)
・着手金:依頼時にかかる費用(1万円~2万円程度)
・基本報酬:過払い金の調査や引き直し計算、業者との交渉などの諸費用(2万円~3万円程度)
・成功報酬:回収できた過払い金から支払う費用(過払い金の20%~25%程度)
・実費:収入印紙代(1000円~数万円)、郵送代(6400円)、手続料など(訴訟なら5万円ほど)
・その他:通信費(1000円から)、事務手数料(数千円)、振込代行手数料(1万円)など

相談料を無料としている法律事務所も多くあります。
着手金は1万円から2万円、基本報酬が2万円から3万円くらいかかります。

過払い金があったとしても、この基本料金が上回っているときには、請求しても赤字になります。

信用情報に傷がつく?

カードローン会社に過払い金請求をする場合、信用情報に傷がつくリスクもあります。

たとえば、返済している最中のカードローン会社に過払い金請求をすると、信用情報にネガティブな内容を登録される恐れがあります。ただし、完済しているのであれば信用情報に問題は発生しません。

【過払い金請求による信用情報への影響】

・完済している→傷はつかない
・借金を返済している最中だが、過払い金の金額が借入額の総額以上である→傷はつかない
・借金を返済している最中で、過払い金の金額が借入総額よりも少ない→傷がつく

過払い金請求で信用情報に傷がつくのは、過払い金で返還される金額が現在の借入よりも少ないときです。
そのため、もしカードローン会社への過払い金請求をしようとしているのであれば、なるべく借入額を減らしたうえで返還請求をしましょう。

クレジットカードでも過払い金が発生する?

キャッシング枠を利用したとき

過払い金は消費者金融業者にしか発生しないと思われがちですが、借金の返済のときに本来よりも高い利息を支払ったことがあれば過払い金は発生します。
そのため、クレジットカードのキャッシングでも過払い金が発生することがあります。

クレジットカードには「ショッピング枠」と「キャッシング枠」の2つの機能がありますが、ショッピング枠では、たとえ高額の手数料を支払っていたとしても過払い金は発生しません。

クレジットカードを買い物や飲食代に利用した場合、お金を借りたのではなく、カードローン会社にお金を立て替えてもらったことになります。

ショッピング枠は法律上は借金ではなく立替金という扱いになるため、クレジットカードのショッピング枠では過払い金は発生しません。
あくまで、キャッシング枠での借入に対しての過払い金です。

クレジットカードのキャッシング枠には貸金業法が適用されます。
カードローン会社によっては、法定金利を超える高金利で貸付していた時期があるため、この場合には過払い金を請求できます。

過去に利息制限法を超える金利を設定していた会社としては、以下のようなところが挙げられます。

・三菱UFJニコス(旧日本信販)
・クレディセゾン(セゾンカード)
・セディナ(旧セントラルファイナンス、OMCカード、クオーク)
・イオンクレジットサービス(イオンカード)
・オリエントコーポレーション
・アプラス
・ライフカード
・エポスカード
・ジャックス

ショッピング枠の残高を確認しよう

クレジットカードのキャッシング枠で過払い金が発生していれば、それを請求して返還してもらうことが可能です。
注意したいのは、そのカードのショッピング枠に残高があるかどうかです。

もし、ショッピング枠に支払うべき残高があるとき、過払い金はまずショッピング枠の支払いに充てられます。
「多めに取ってしまった利息を、現在ある借金の返済に充てる」ということです。ショッピング枠の残高よりも過払い金のほうが多いときには、問題なく支払った残りのお金が手元に戻ってきます。

ところが、もしショッピング枠の残高のほうが多い場合には、過払い金の請求は待ったほうがよいでしょう。

過払い金でショッピング枠の代金を支払っても足りないときには、クレジットカード会社に「借金を減らす交渉である債務整理」を実行したのと同じ扱いになります。

そのため、信用情報に「債務整理」という事故情報が記載されます。
いわゆる「ブラックリストに載る」という状態になってしまいます。

クレジットカードのキャッシング枠で過払い金が発生しているときには、返還請求をする前にショッピング枠の残高がないか確認しておきましょう。

もしショッピング枠に未払い代金が残っていれば、過払い金でショッピング枠を完済できるかどうか調べておく必要があります。

過払い金請求でカードは利用停止

もし、キャッシング枠で過払い金が発生していたときに返還請求をすると、それ以降はその会社のクレジットカードが使えなくなる可能性があります。

というのも、クレジット会社からすると、自分のところに損失を発生させた顧客であり、たとえ法律上は請求する側が正しくても、信用が失われたと判断されます。
過払い金返還請求をしたクレジットカードだけでなく、同じ系列のグループ会社のカードも利用停止や申込不能になることもあります。

しかし、これはあくまで過払い金請求されたカード会社の判断によります。
また、利用停止になったからといって、ブラックリストに載るわけではありません。

注意したいのは、公共料金や電話料金の引落に利用している場合や、同じ系列の会社のETCカードを利用しているときです。

過払い金請求した時点で、カードは利用停止になるので、事前に他のクレジットカードに変更するといった準備が必要になります。

また、カードが利用できなくなるので、今まで貯めていたポイントもなくなります。
もしポイントが貯まっているのであれば、過払い金請求をする前に使い切っておきましょう。

時効がはっきりしないので注意

過払い金の請求には「時効」があり、最終取引日から10年となっています。
この最終取引日は「最後に返済した日」となっていて、完済日から10年が過ぎると過払い金の請求は一切できません。

消費者金融業者などの貸金業者の場合、最初に契約を結びます。
いったん完済して、また同じ業者からお金を借りると、新たな契約を結ぶことなく前回の契約内容のまま借入していることになるので、「一連の取引」とみなします。

借入から完済、再び借入の間に空白の期間があったとしても、最後に返済した日から時効の計算が開始します。

いったん完済して解約してしまってから、再度契約しているという場合には、別々の取引とみなされることになっており、以前の取引の最終返済日から10年が過ぎていれば過払い金の返還請求はできません。

消費者金融からの借入の時効は、このように分かりやすいですが、クレジットカードのキャッシング枠の場合は時効があいまいです。

クレジットカードのキャッシング枠を完済した後に、カードの年会費を払い続けていた場合は、その期間中は取引が継続しているとみなされ、時効がないので最後に返済した日から10年が経っていても過払い金請求できる可能性があります。

ただ、これはケースバイケースで、裁判所の判断によって異なります。

過払い金の時効は裁判で争点になりやすい部分で、クレジットカードのキャッシング枠の時効は特に判断が難しいと言われています。

カードローンの過払い金 まとめ

過払い金請求は、完済してから10年を経過していなければ返還請求をすることが可能です。

グレーゾーン金利と法定金利には大きな隔たりがあるため、返還される額が大きくなることもあります。

まずは自分に過払い金が発生していそうな借入があるかどうか確認してみましょう。

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ライター紹介

森本 陽子

森本 陽子

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(個人資産相談業務)AFP認定者。自身の経験や知識を活かし、複雑なお金の仕組みや知識をわかりやすく解説しておりツイッターでの有益な呟きにも注目。FP森本陽子の詳細プロフィール

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