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事業資金の調達方法|融資を受ける際のポイント・問題点とは

 2021/01/06 ビジネスローン   31 Views

新しく事業を展開する時や既存事業の拡大を目指すとき、事業資金の融資を受ける必要があります。
個人事業主でも法人でも、事業を始める前は運転資金を確保しなければいけません。

しかし、ひとくちに「事業資金」といってもその調達方法はさまざまです。どの調達方法が良いのか悩む方もいるでしょう。

そこで今回は、事業資金を融資する方法と注意ポイントについて解説します。

事業資金とは

「事業資金」とは事業の立ち上げや継続経営に必要な資金のことです。

事務所を借りるための初期費用であり、事業を行う上で必要になるパソコンや机、椅子などの物品購入費用、法人であれば従業員に支払う給料も含みます。

事業資金の調達方法

事業資金の調達方法は数多く存在し、何が最適なのかは事業の種類や「法人か個人か」などによっても左右されます。

ここでは、主な事業資金の調達方法を解説します。

  • 直接金融による融資
  • 制度融資
  • 日本政策金融公庫
  • 銀行・信用金庫
  • 消費者金融
  • ファクタリング会社

直接金融による融資

法人であれば「株式」を発行することで、出資者から直接融資を受けることが可能です。
新株を発行することで自己資本が増加し、損失が発生しても債務超過に至らない可能性が高まります。

借入ではなく「出資」であるため、資金を返済する必要もありません。

直接金融としてはもう1つ、「社債」を発行する方法もあります。
民間の企業が発行する債券のことで、金融機関ではなく直接金融でお金を借りることができます。ただし会社が上場しているような企業でないと発行することはできません。

制度融資

事業資金は直接金融で確保するほかにも、銀行や信用金庫から借り入れることが一般的です。
しかし、信用などの問題で金融機関から借りられないのは珍しいことではありません。

そこで、地方公共団体と金融機関、信用保証協会の協力のもとで融資を受けられる「制度融資」も検討する必要があります。

「制度融資」とは、中小企業や起業家、個人事業主向けに地方自治体と民間の金融機関、信用保証協会が連携して提供される政府系の融資制度です。

最大の利点は「融資のハードルが比較的低いこと」でしょう。

中小企業はもちろん、設立して間もない零細企業であっても「事業計画」と経営者の「やる気」、将来的な成長を見込んで融資してくれる可能性があります。

財務基盤が弱く現金の確保ができない事業者が主な融資対象であるがゆえに、金利も低い傾向にあります。経営の足かせにならないように、金利は年1.0~3.0%程度が一般的です。

全国の自治体ごとに制度融資が用意されていますが、例として東京都の「創業融資」を紹介します。

創業融資(東京都)
利用できる人 以下の3点のいずれかに該当する人

  1. 現在事業を営んでいない個人で、創業しようとする具体的な計画を有している
  2. 創業した日から5年未満である中小企業者等
  3. 分社化しようとする会社又は分社化により設立された日から5年未満の会社
融資限度額 3,500万円
返済期間
  • 設備資金=10年以内(うち据置期間1年以内)
  • 運転資金=7年以内(うち据置期間1年以内)

出典:東京都産業労働局|東京都中小企業制度融資『創業』

日本政策金融公庫

事業資金の融資検討先として検討されやすいのが「日本政策金融公庫」です。
申請者の年齢や性別、事業内容などに応じてさまざまな融資が用意されており、状況に応じて必要な融資を選択できます。

日本政策金融公庫の融資は民間の金融機関からの融資と比較して、金利が低めに設定されていることが一般的です。
つまり、利息と返済総額を安く抑えることができます。

反面、デメリットもあります。

まず、返済能力を説明するために多くの資料の提出が必要です。
また、金利の低さゆえに審査は慎重に行われ、申込者の自己資金まで厳しくチェックを受けることになります。

一般的に申し込みから融資まで「1~2ヶ月」ほどの時間がかかるため、申し込んでから即日~数日で融資を受けることは不可能です。

ある程度の時間がかかることを見越したうえで利用する必要があります。

代表的な融資内容

日本政策金融公庫の融資内容は多岐に渡りますが、代表的な融資の一部を紹介します。

新規事業育成資金
利用できる人
  • 雇用の創出を伴う事業を始める人
  • 現在勤めている企業と同じ業種の事業を始める人 等
融資限度額 7,200万円(うち運転資金4,800万円)
返済期間
  • 設備資金=20年以内(うち据置期間2年以内)
  • 運転資金=7年以内(うち据置期間2年以内)

 

女性・若者/シニア起業家支援資金
利用できる人 女性または35歳未満か55歳以上の人で、新しく事業を始めるか事業を始めてから概ね7年以内の人
融資限度額 7,200万円(うち運転資金4,800万円)
返済期間
  • 設備資金=20年以内(うち据置期間2年以内)
  • 運転資金=7年以内(うち据置期間2年以内)

 

企業活力強化資金
利用できる人 卸売業、小売業、飲食、サービス業または一定の要件を満たす不動産賃貸業を営む人で、店舗の新築・増改築や機械設備の導入を行う人 等
融資限度額 7,200万円(うち運転資金4,800万円)
返済期間
  • 設備資金=20年以内(うち据置期間2年以内)
  • 運転資金=7年以内(うち据置期間2年以内)

認定支援機関を通じて申し込むとスムーズ

日本政策金融公庫で資金を調達する場合、所定の審査を受けて通過する必要があります。金利が低い分だけ審査は厳しいため、誰でも融資を受けられるわけではありません。

そこで「認定金融機関」の利用を検討する必要があります。

認定金融機関であれば書類作成を代行してくれることで事業に専念できるだけでなく、個人で申し込むよりも金利が下がる可能性があります。

銀行・信用金庫

銀行や信用金庫でも、法人・個人事業主向けの融資を受けることができます。
ただし、銀行と信用金庫では融資の内容・性質が異なる場合があります。

銀行の「プロパー融資」

最も基本的な融資の相談先は、やはり「銀行」「信用金庫」などの民間の金融機関でしょう。

銀行では、将来性や実績のある会社や返済能力がある会社だけが融資を受けられる「プロパー融資」が主流です。

利用のためには審査があります。
銀行の判断によっては融資を受けることができず、全ての会社が融資を受けられるわけではありません。

一方で、中小企業向けに独自の融資制度を設けている場合があります。
必ずしもハードルが高いと決まったわけではありません。

信用金庫での借り入れは「保証協会付き融資」

銀行だけでなく、信用金庫からの借り入れも検討したいところです。

信用金庫は地域の人が会員となる「地域の発展を目的とした共同組織」の金融機関です。
個人や中小企業を主な取引先としており、銀行で融資が受けられなくても信用金庫では融資を受けられるケースもあります。

個人が初めて信用金庫から借りる場合に使われるのが「保証協会付き融資」です。

信用保証協会が保証する融資であり、万が一借主の返済が滞った場合は借主に代わって信用保証協会が立て替えて返済します。

信用金庫としては安心して融資できるため、プロパー融資よりも柔軟な審査が期待できます。

消費者金融から借りる

預金業務を行う銀行以外にも、与信業務に特化したノンバンクの金融機関を利用する方法もあります。

代表例としては「アコム」「プロミス」「アイフル」などの大手の消費者金融が存在します。

金利は公的な融資や銀行に比べて高い反面、審査がスピーディに行われることがメリットです。
急場をしのぐために今すぐお金が欲しい場合に効果的な借入先といえます。

消費者金融の金融商品は原則として「カードローン」です。

カードローンは借り入れに特化した商品で、カード付帯のキャッシングサービスに比べて金利が低く、融資額も最大で数百万円と比較的高めに設定されています。

通常の消費者金融は「総量規制」の対象で年収の1/3を超える融資はできませんが、個人事業主への融資であれば事業実績・事業計画次第では年収の1/3を超える融資も可能です。

融資限度額の範囲内でお金が必要な際に何度でも利用が可能な点も他の融資とは一線を画しています。

代表例として大手消費者金融の一角であるアイフルの「事業サポートプラン」を紹介します。

アイフル 事業サポートプラン<個人プラン>
利用できる人 個人事業主
融資限度額 1~500万円
金利 年3.0~18.0%
返済期間 最長10年(120回以内)

ファクタリング会社を利用する

「ファクタリング」とは、未回収の債権を売却して現金化する金融サービスのことです。
すでに持っている債権を譲渡することで現金に換えることができます。

大きなメリットは「審査と入金が最短で申し込んだ当日に完了すること」です。
売掛金がないと利用できない反面、急な資金繰りで困った際はすぐに現金に換えられる可能性があります。

すでに存在する債権を譲渡するため厳しい審査が必要ないうえ、担保も保証人も必要ありません。

ただし、融資が素早い分だけ10~20%の手数料が差し引かれることがデメリットです。
100万円の売掛金をファクタリングで現金に換える場合、最大で20万円程度の手数料が差し引かれてしまいます。

また対象は「法人」であり、個人は対象外である点に注意してください。

その代わり、個人事業主はファクタリング会社による「事業性融資」を利用できます。

ファクタリング会社によって融資の内容は異なりますが、「アイフルビジネスファイナンス」のように法人又は個人事業主向けに最大1,000万円の融資をしてくれる企業もあります。

アイフルビジネスファイナンス
利用できる人 申込み時年齢が満20~満69歳までの法人または個人事業主
融資限度額 1~1,000万円※新規取引時は上限500万円
金利 年5.0~18.0%
返済期間 最長8年4ヶ月(100回以内)

事業資金の融資を受ける時の注意点

事業資金の融資を受ける際は、慎重に申し込みを行う必要があります。
むやみに融資を受けてしまうことで、かえって経営の悪化を招くことがあるためです。

ここでは、事業資金を借り入れる前に知っておきたい注意点を解説します。

本当に必要な資金かを考える

これから融資を受けるお金が、本当に事業を運営するにあたって必要なのかは吟味しなければいけません。

借入が多すぎる場合は無用な利息を支払うことになり、多すぎる利息が経営を圧迫することになりかねません。

かといって少なすぎると事業が軌道に乗るまでに資金が底を突くことになり、倒産の可能性も出てきます。

資金繰りの表を作るなど、必要な資金がいくらかを明確に見極めたうえで融資の相談に移るべきです。

最適な借入方法を慎重に考える

金融機関から融資を受ける場合、当然に返済する必要があります。
返済できないと「債務不履行」になり、会社や経営者の信用が失われます。

そのため、次に事業を立ち上げる際にも悪影響があります。
個人的な信用だけで事業資金を借りられるかが分からなくなるのです。

一方で株式を発行する場合は返済義務がないことから、債務不履行にはなりません。

ただし、発行株式の50%以上を占有されることで株主に経営権を与えてしまうため、自分の希望する経営が反対意見によって不可能になる可能性があります。

融資の成否が「事業計画書」で左右される

融資の申請の際は求められる提出書類がいくつかあります。
その中で特に大切になるのが「事業計画書」または「創業計画書」です。

事業計画書が重要な材料なのは「会社の将来性」を占う資料であるためです。
融資した企業が黒字となって将来に渡って安定して返済してくれることが確信できない限り、金融機関から融資を受けることができません。

実現できない内容の計画書を作成しても、審査を通過することができないでしょう。
「実現性の高い事業内容」であり「利益がしっかり出せる」ことが大切です。

専門家の協力を得て、実現性の高い事業計画書を作成する必要があります。

事業資金の調達方法|融資を受ける際のポイント・問題点とは まとめ

今回は、事業資金の融資方法と融資を受ける際の注意ポイントを解説しました。

適した融資の方法は「法人か個人事業主か」によっても異なります。法人であれば株式を発行することでも融資を受けられますが、個人事業主では不可能です。

一方、個人事業主でも売掛金を持っていれば「ファクタリング」を通じて即日融資を受けることができます。

銀行・信用金庫の融資も「プロパー融資」「保証協会付融資」で融資の難易度が変わるため、現在の自分(会社)の返済能力や信用を考えて慎重に申込先を決めていきましょう。

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ライター紹介

森本 陽子

森本 陽子

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(個人資産相談業務)AFP認定者。自身の経験や知識を活かし、複雑なお金の仕組みや知識をわかりやすく解説しておりツイッターでの有益な呟きにも注目。FP森本陽子の詳細プロフィール

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