アコムとバンクイックはどんな関係?両方借りるのは可能?
銀行のカードローンである三菱UFJ銀行のカードローン「バンクイック」と消費者金融の「アコム」のカードローンは知名度も高く、全国から申し込みできるローン商品です。
同じ三菱UFJファイナンシャル・グループに属しており、比較されることも多い2つのカードローンですが、審査のスピードや金利などが違うため良く確認しておきましょう。
このページの概要
三菱UFJ銀行「バンクイック」とアコムの関係
アコムは三菱UFJ銀行の保証会社である
同じグループ会社
三菱UFJ銀行とアコムは、どちらも同じ三菱UFJファイナンシャル・グループに属している金融機関です。
テーマカラーも同じ赤となっています。
アコムは三菱信託銀行をメインバンクとし、三菱東京ファイナンシャルグループと他社と共同でクレジットカード会社を設立したこともあります。
その後、消費者金融事業の再編施策によってアコムは三菱UFJファイナンシャルグループの連結子会社となり、事実上の傘下に入っています。
保証会社とは
三菱UFJグループは元来、個人消費者向けのカードローンに関するノウハウを持っていませんでした。
業界再編時にアコムを子会社化して、そのノウハウを活かすとともに資金面での協力をしています。
三菱UFJファイナンシャルグループが個人向けのカードローンを発行する際には、アコムが「保証会社」として機能します。
保証会社はカードローン契約者にとっては、保証人にあたる存在です。
カードローンは「無担保・保証人不要」で借りることのできるローン商品です。
もし、借り主が返済不能に陥ったらその債務を誰かが引き受けなければなりません。この役割を果たすのが保証会社です。
バンクイックはアコムを保証会社としており、お金を借りた人が返済できなくなったら、その借金を保証会社が立て替え払いするようになっています。
アコムと三菱UFJ銀行の関係
アコムにとって三菱UFJファイナンシャルグループは、資金面・経営面でのサポートを受けることができ、逆に三菱UFJ銀行はアコムを保証会社とすることでカードローンを発行できるという互助関係にあります。
アコムはそれまで蓄積してきた個人向けカードの審査ノウハウを活かして、バンクイックの審査を事実上行っています。
それだけでなく、じぶん銀行やセブン銀行など多くの銀行カードローンの保証会社を務めています。
審査基準はどう違う?
アコムは保証会社として、三菱UFJ銀行バンクイックの審査業務を行いますが、だからといって2つのカードローンの審査基準が同じとは限りません。
審査基準が違うことは、金利の違いに現れます。
貸す側は、借りる人がどのくらい信用できて、貸し倒れリスクが低いのかを審査し、それによって貸し出す金利を決定します。
貸したお金が返済される見込みが強ければ、その分金利は低くなり、逆に貸し倒れするリスクが高ければその分金利は高くなります。
三菱UFJ銀行バンクイックの金利の上限は「14.5%」で、アコムは「18.0%」です。バンクイックのほうが金利は低くなっており、その分審査基準は厳しいことが推測されます。
アコムにしても、審査の基準はローン商品によって異なります。
通常のカードローンとおまとめローンではまったく審査基準が違っており、同じ貸金業者内でも審査には違いがあります。
アコムのカードローンとバンクイックを比較すると、金利の他に申込可能年齢や貸付可能額も異なっています。
そのため、アコムの審査に通るからといってバンクイックの審査に通るとは限りません。
また、バンクイックの審査に落ちたからアコムの審査に落ちるとも限りません。
アコムが保証会社になっているカードローン
アコムとバンクイックに申し込むときに注意したいのは、「アコムが他の多くの銀行のカードローンの保証会社になっている」という点です。
たとえば、アコムが保証会社となっている銀行のカードローンで返済トラブルを発生させた場合、個人信用情報機関に一定期間ネガティブ情報が記載されて、新たな借入ができなくなり、新規申し込みも不可能となります。
いわゆる「ブラックリストに載る」という状態です。
これは内容にもよりますが、短くて1年、通常は5年、長くて10年間続きます。
この期間が過ぎたとしても、アコムが保証会社となっている銀行のカードローンには「社内ブラック」としてずっと名前が残る可能性があります。
つまり、アコムが関連する金融機関の審査には永遠に受からないということになります。
そのため、以下のようなカードローンで返済トラブルを起こしたことがあるとき、アコムだけでなく三菱UFJ銀行バンクイックからも借入契約を結べない可能性があります。
・アコムが保証会社になっている銀行のカードローン
金融機関 | カードローン名 |
---|---|
メガバンク | 三菱UFJ銀行「バンクイック」 |
ネットバンク | auじぶん銀行カードローン |
ソニー銀行カードローン | |
流通系銀行 | セブン銀行カードローン |
地方銀行 | 北海道銀行カードローン「ラピッド」 |
八十二銀行「はちにのかん太くんカード」 | |
西日本シティ銀行「NCBキャッシュA」 | |
常陽銀行「キャッシュピット」 | |
南都銀行「キャッシュクイック」 |
三菱UFJ銀行「バンクイック」とアコムの比較
スペックの比較
一般的に、銀行のカードローンのほうが消費者金融のカードローンよりも低金利で、その分審査が厳し目という傾向があります。
消費者金融は金利が高い分、審査スピードが早く急ぎの融資に向いています。
・三菱UFJ銀行「バンクイック」とアコムの比較
– | バンクイック | アコム |
---|---|---|
金利(年率) | 1.8%~14.6% | 3.0%~18.0% |
借入限度額 | 10万円~500万円 | 1万円~800万円 |
審査スピード | 最短1営業日 | 最短30分 |
融資まで | 最短1営業日 | 最短1時間程度 |
申込条件 | ・20歳~64歳 ・収入がある |
・20歳~69歳 ・安定した収入がある |
バンクイックは、最高金利だけでなく「最低金利」でもアコムより低めの設定になっています。
これは、金利の引き下げが実現されたときに、より低めに設定してもらえる期待が持てます。
また、申込条件の上限年齢が5歳ではありますが、アコムのほうが高めの設定になっていて、これは審査基準がバンクイックよりも緩めであることを推測させる要素です。
審査スピードの違い
アコムがバンクイックよりも優れている点は、なんといっても「審査スピードが速い」というところでしょう。
申し込んでから最短30分で審査結果が出ますので、急ぎの融資に向いています。
即日融資に対応しており、どうしても当日中にお金が必要というときに役立ちます。
一方、バンクイックは審査結果は当日中に出ることはありません。
お金を借りられるようになるのは最短でも翌営業日ですので、当日中に融資が必要という場合には不向きです。
多くの銀行のカードローンには「保証会社」が付いています。
三菱UFJ銀行バンクイックにはアコムが保証会社となっています。
銀行の保証会社は消費者金融などの「個人向け融資の審査のノウハウ」を持った会社が選ばれます。
そのため、銀行が提供しているカードローンなのに、銀行そのものが審査内容を把握していないという状況が一部で発生しています。
銀行カードローンは利用者の安心感や金利の安さなどから急速に浸透していきますが、これによるデメリットも生じてきました。
たとえば、銀行カードローンの借りすぎによる自己破産件数の増加です。
銀行に対して金融庁から「貸し過ぎ」という批判が出るようになり、2018年から新規申込者や貸付残高を減らすようになっています。
こういった事情があり、バンクイックでは審査結果を申し込み当日中に知ることはできなくなりました。
アコムの特徴
無利息サービス
アコムとバンクイックでサービス面で最も違っているのは、アコムには「無利息サービス」があるが、バンクイックにはないという点でしょう。
アコムのカードローンでは、初回契約日の翌日から30日間は利息なしで借りることができます。
もし契約日に30万円を借入して、30日以内に全額返済するとまったく利息を支払うことなく、30万円ぴったり返済すれば良いというものです。
返済が長引く場合でも、利息発生期間を最大30日減らせるので、お得に借りることができます。
利用限度額
利用限度額が高いのはアコムのカードローンのほうです。
アコムのカードローンでは最大800万円まで借りることができますが、バンクイックの利用限度額は500万円です。
アコムのほうが利用限度額が高いとはいえ、必ずしもアコムのほうが高額な限度額を設定されるとは限りません。
とはいっても、利用限度額が高いカードローンほど増額しやすい傾向があるため、長期的に高額融資を受けたいという場合にはアコムのほうが選択肢として有効でしょう。
総量規制の対象
注意したいのは、アコムのほうが利用限度額が高いからといって、いくらでも希望通りに借りられるわけではないという点です。
利用者の年収に見合った金額が法律として定められており、それ以上の借入はできません。
この法律は「総量規制」というもので、「借入額は利用者の年収の3分の1」までと制限されています。
バンクイックは三菱UFJ銀行の提供するカードローンであるため、その制限はありません。
とはいっても、年収に見合わない借入はできません。
バンクイックの特徴
ATM手数料
カードローンは様々な提携ATMから簡単に借入も返済ができる点がメリットですが、このATMの利用には手数料がかかります。
とくに、アコムでは自動契約機に併設されている自社ATM以外は、必ず手数料がかかります。
三菱UFJ銀行バンクイックなら、三菱UFJ銀行だけでなく、セブン銀行・ローソン銀行・イーネットのすべてのATMがいつでも手数料が無料です。
この3つはコンビニATMとして全国各地に設置されているので、かなり利便性は高いと言っていいでしょう。
年金受給者も利用可能
アコムのカードローンに申し込むには、年金以外の安定収入が必要ですので、年金しか収入がない人は申し込めません。
一方、三菱UFJ銀行バンクイックは、年金しか収入源がない人でも申し込めます。
そのため、年金受給で生計を立てている人でも利用可能です。
ただ、バンクイックは満65歳未満しか申し込めませんので、年金を満65歳から受給する人は利用できません。
65歳未満で、たとえば障害者年金などを受給している人は利用可能です。
おまとめローンがない
多くの銀行が「おまとめローン」を提供してます。
特に地方銀行には数多くのおまとめ用のローン商品を揃えていますが、三菱UFJ銀行にはおまとめ専用ローンはありません。
おまとめローンは、すでに他社からの借入があり、返済に困っているときに借り換えして返済日の管理をしやすくして返済負担を減らせる便利な商品ですが、バンクイックには専用商品はありません。
アコムには「借り換えローン」というおまとめ用のローンがあります。
通常のカードローンをおまとめローンとして利用することは不可能ではありませんが、他社借入があることは審査にマイナスの要素となってしまいます。
両方借りることは可能?
三菱UFJ銀行バンクイックとアコムのカードローンの両方のカードローンに申し込むことは可能ですし、審査通過できれば両方のカードローンを併用も可能です。
ただ、2つのカードローンに同時に申し込むと、審査では不利に働くこともあります。
また、すでに一方を利用している最中にもう一方に申し込みと既存の借入があることを理由に、審査落ちするリスクも高まります。
特に、アコムと三菱UFJ銀行は「親会社と保証会社」という関係にあるため、この2つのカードローンを利用することはあまり賢い選択とは言えません。
もし、アコムまたはバンクイックの片方を利用している最中に、もう一方のほうに申し込もうとするなら、逆にどちらも避けたほうが賢明でしょう。
アコムを利用しているなら、たとえばアイフルやプロミスといった別の金融グループの消費者金融を選択し、バンクイックを利用しているなら、三井住友銀行カードローンやみずほ銀行カードローンなどに申し込むというパターンです。
とはいえ、カードローンを2つ同時に利用していると借入件数は増えますし、他のローンの申し込みにも悪影響があります。
できれば、1つに絞って利用したほうが良いでしょう。
三菱UFJ銀行「バンクイック」とアコムの特徴とは?
バンクイック
銀行のカードローンとしての金利はごく普通
三菱UFJ銀行カードローン「バンクイック」は、特にお得に借りられるカードローンというわけではありません。
「14.6%」という金利は、銀行のカードローンとしてはごく標準的な金利設定です。
アコムなどの消費者金融に比較すれば低金利であるのは確かですが、少しでもお得に借りたいという場合には、バンクイックよりも有利な金利のローンは数多くあります。
・低金利カードローンとバンクイックの比較
金融期間 | 限度額50万円以下 | 限度額100万円以下 |
---|---|---|
バンクイック | 13.6%~14.6% | |
イオン銀行カードローン | 11.8%~13.8% | 8.8%~13.8% |
ソニー銀行カードローン | 13.8% | 9.8% |
りそな銀行カードローン | 13.5% |
郵送物回避には運転免許証が必須
三菱UFJ銀行バンクイックでは、郵送物なしで契約することが可能です。
これは銀行のカードローンでは珍しいサービスで、この点は高く評価できます。
ただし、自宅への郵送物を回避するには、「テレビ窓口」という三菱UFJ銀行の店舗内に設置されたブースでカードを受け取る必要があります。
ここで問題となるのは、「テレビ窓口を利用できるのは運転免許証を持っている人だけ」という点です。
近くに三菱UFJ銀行の店舗がなく、さらに運転免許証を持っていない人は、自宅への郵送物を回避することができません。
毎月の返済額が軽い
バンクイックのもうひとつの大きな特徴は、毎月の返済額が軽いという点です。
借入額が10万円のとき、毎月の最低返済額はたったの2000円です。
これはメリットでもあり、デメリットでもあります。
毎月の返済負担が軽いのは家計の助けになりますが、それだけ返済に時間が掛かりやすく、長期にわたって利息が発生することも意味します。
そのため、月の収入が多いときには随時返済するなど、自分で返済を管理して工夫していく必要があります。
アコム
金利が高い
バンクイックに比較すれば、アコムは明らかに金利は高くなっています。
同じ金額を借りたとき、バンクイックに比べて多くの利息を取られやすいということになります。
アコムの金利は「3.0%~18.0%」となっていますが、多くの利用者は18.0%を適用されます。
1ヶ月あたり、借入額の1.5%が利息として発生します。
10万円借入したら30日後には1500円です。
一方、バンクイックは金利14.6%ですので、10万円借入したら30日後の利息は1200円となります。
来店なしで郵送物なしに対応していない
アコムは無人契約機を含む来店をしなかった場合、郵送物をなくすることができません。
つまり、必ず来店してカードを受け取るか、または来店せずにカードの郵送による発行を受けるかの二択です。
アコムは大手の消費者金融のなかでは、唯一「カード発行にこだわる」業者です。この点は多少のデメリットを感じるかもしれません。
振込融資に制限がある
また、アコムには「ローンカードを使ったATM借入」以外の借入方法が多少乏しいというデメリットがあります。
顕著なのが、銀行振込による融資方法が限定的という点です。
アコムでは、振込融資は以下の方法しかありません。
・アコムの銀行振込融資の方法
金融機関 | 対応時間 |
---|---|
楽天銀行 | 原則的に24時間365日 |
三菱UFJ銀行 三井住友銀行 みずほ銀行 ゆうちょ銀行 |
月曜~金曜:午前9時~午前0時 土日祝日:午前9時~午後8時 |
その他金融機関 | 平日午前9時~午後5時30分 土日祝日不可 |
プロミスやレイクALSAは、原則的にほとんどの金融機関に対して24時間365日振込融資が可能なので、この点では見劣りすると言っていいでしょう。
審査の難易度は?
バンクイック
インターネット上の「カードローン比較」や「カードローンランキング」といった口コミ情報サイトで良く言われていることとして、「バンクイックは審査に通りやすい」というものがあります。
三井住友銀行やみずほ銀行が発行するカードローンに比較すると、明らかに属性の弱い人や収入の低い人が通過しやすい傾向があると言えそうです。
たとえば、以下のような属性の人でもバンクイックの審査に通過しています。
・年収100万円のアルバイト学生で勤続2年、他社借入はなく、初めてのカードローン利用でバンクイックに限度額10万円で審査に通過した。
・年収200万円のフリーターで勤続10年、三井住友銀行から50万円、プロミスから10万円借りていて、バンクイックに限度額10万円で審査通過した。
・年収240万円の契約社員で、限度額100万円で審査通過した。
他にも、あまり属性として銀行のカードローンには好まれそうもない人でもバンクイックの審査には通過している事例は数多くあります。
他社借入にも比較的寛容と推測されています。
アコム
アコムは、他の消費者金融に比べて「属性が弱い人」「他社借入が多い人」「信用情報に問題のある人」の審査通過事例が多い業者として知られています。
これは多くの口コミサイトからも明らかで、実際に他の消費者金融で断られたがアコムなら通ったという報告は多く寄せられています。
このことは、アコムが保証会社となっているバンクイックにも影響していると推測され、三菱UFJ銀行もアコムも、比較的審査には通りやすいカードローンと言えそうです。
たとえば、以下のような状況の人でもアコムの審査に通過しています。
・年収200万円の会社員で、他社からの借入が90万円あり、クレジットカードを2ヶ月延滞中だが、アコムに限度額10万円で審査に通った。直前にSMBCモビットの審査に落ちている。
・年収300万円の契約社員で、リボ払いが100万円近く残っている状態で、アコム以前にプロミスで審査落ちしたが、アコムでは限度額50万円で審査に通った。
なかには、ブラックリストに載っている最中なのにアコムに「どうしてもお金が必要だ」と相談して少額の審査に通ったというエピソードは非常に多く寄せられています。
まとめ
三菱UFJ銀行バンクイックは、アコムが保証会社となっています。
そのため、両社から借入するというのは、あまり意味のあることではないでしょう。
それぞれに得意・不得意な面があり、比較検討したうえで申し込みましょう。